2023/05/25
裏社会を彷彿させる拳銃モデルガン3選【2023年版】
裏社会の銃、といえば思い浮かぶであろうトカレフピストル。ソビエト連邦の銃器設計者、フョードル・ヴァシリエヴィチ・トカレフが開発したTT-1930をベースにしたTT-1930/33の通称であり、昭和では警察によって数多く押収されて続けてきた。現在、押収される真正拳銃はS&W拳銃やブローニング拳銃、もしくはその他に分類される拳銃が多いが、未だに押収され続ける銃の1つであり(※)、そのイメージは覆らない。今回はそんな裏社会を彷彿させる拳銃モデルガンをピックアップしてご紹介しよう。
※令和4年における組織犯罪の情勢(警察庁組織犯罪対策部)参照
タナカ
アンマークド“黒星”ピストル
HW
DATA
- 全長:210mm
- 重量:544g
- 装弾数:8発
- 価格:¥30,580
- 問い合わせ先:タナカ
裏社会を彷彿させる出所不詳の拳銃
驚異的なまでに単純化され、多くのソ連兵の手に渡ったTT-33。その効率を重視した構造は量産に向いており、中国ではそれを参考にした五四式自動拳銃が誕生した。大量生産され、世に出回ったモデルの中には軍流出品、模造品、改造品などの非合法モデルも少なくなかった。タナカはそんな裏社会の香りが漂うアングラな拳銃をモデルガン化。スライドには本来彫り込まれているはずの製造番号や製造工場の刻印はない無刻印モデルで出所不詳なイメージを演出。作動快調、鋭いリコイルとブローバックを味わえるのでオートマチックのメカニズムも充分味わえる。
TT-33と五四式自動拳銃
単純化された構造をしたTT-33は第二次世界大戦後、マカロフピストルに制式採用拳銃の座を譲る一方、その製作技術は同じ共産主義陣営であった中国に供与された。やがて中国では武器の国産化に着手。小銃類がAK47をベースにした五六式自動歩槍とSKSをベースにした五六式半自動歩槍を開発したように、拳銃では第二次世界大戦時のソ連の制式拳銃であったトカレフTT-33を五一式自動拳銃として採用。そしてすべて国産部品で構成して1954年に採用されたのが五四式自動拳銃(手槍)である。中国国内の軍・警察はもとよりベトナムやカンボジアなどに輸出され制式採用された。その一方で前述のように非合法品が裏社会に回り、日本にも流入している。日本警察ではTT-33をベースにした拳銃を「トカレフ型けん銃」と呼称。警察白書によれば平成13年には拳銃押収丁数は922挺、うちマカロフ型けん銃が113挺、トカレフ型けん銃が48挺押収されている。当時の密輸方法は外国船籍の船室のベッドマットを加工して隠す、部品に分解して航空機の預託荷物とするなど、分解、組立が容易な構造を利用して巧妙な手段で密輸入されていた。年々押収丁数は減少しつつあるが、令和3年の拳銃押収丁数は295挺。今も日本のどこかで違法銃器は息を潜めている。
タナカ
Tokarev TT-33
HW
DATA
- 全長:195mm
- 重量:540g
- 装弾数:8発
- 価格:¥29,480
- お問い合わせ先:タナカ
トカレフピストルをモデルガンで再現したモデル。刻印はトゥーラ造兵廠製の1939年仕様をチョイス。各所に衝撃を緩和するパーツ(リコイルバッファー、ハンマーバッファーなど)を搭載するなど、発火性能を重視するためのアレンジを加えることで実銃の持つタフなキャラクターを再現している。
タナカ
五四式自動拳銃
HW
DATA
- 全長:195mm
- 重量:543g
- 装弾数:8発
- 価格:¥29,480
- お問い合わせ先:タナカ
ソ連からの技術供与で生まれた中国版トカレフピストルともいえる五四式自動拳銃を再現。中国国内向けの1966年製を再現しており、刻印やセレーションの違いが再現され、グリップ中央のマークがCCCPから星だけに変更されている。マガジンボトムのランヤードリングは五四式ではオミットされている。
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TEXT:珈琲