実銃

2026/04/12

新 WESTERN魂!:ウエスタン リアルガン in Japan

 

ウエスタン リアルガン in Japan

 

「実銃が欲しい/撃ってみたいけど、日本じゃ実銃は持てないからな〜」と思っているそこの貴方、ウエスタンの銃に限って言えば、金属薬莢式のハンドガンこそ無理ですが、それ以外は「ほぼすべてのウエスタンガンは日本で合法的に所持できる」と言っていいくらいなのですよ、実は。そしてそれは、意外なほどたくさん日本にあるのです。今回は「ウエスタンのリアルガンを日本で所持したい/撃ちたい」と夢を持たれている方へ向けての話です

 

 ひとくちにガン&ミリタリーファンと言っても、それぞれ好みの銃があり、ジャンルが多岐にわたっている。たとえば自衛隊や日本軍の銃が好きな人、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシアなど外国の銃が好きな人、最新鋭の銃が好きな人、第二次世界大戦の銃が好きな人、警察の銃が好きな人、リボルバーが好きな人など、様々だ。もちろん趣味の世界の話なら、その好き好きに優劣はない。趣味は人それぞれだから。そして私が好きなのはウエスタン(アメリカ西部開拓時代)だ。
 ウエスタンは今の日本ではマイナージャンルであるため、何かと引け目を感じることも少なくない。だが「私が好きになったジャンルがウエスタンでよかった!」と心底から思うことがある。それは実銃の所持に極めて厳しい日本という国において、かなり多くのウエスタン系のリアルガンを所持する/撃って楽しむことができるからだ。もちろん“合法的に”だ。違法な所持や発砲は絶対にしてはならないし、ここでは論外とする。

 日本でウエスタン系のリアルガンを所持したいなら、次の二通りがある。ひとつは古式銃。もうひとつは実銃の標的射撃/狩猟の用途、すなわち猟銃としての散弾銃(ショットガン)とライフル銃だ。今回は日本で所持できるウエスタンのリアルガンをご紹介したい。ちょっとハードルが高い話かもしれないが、「日本でウエスタンのリアルガンを持ちたい/撃ちたい!」という夢を持たれている方は、今すぐは無理でもアキラメずに夢の実現に向かってぜひ頑張っていただきたい。その夢をかなえた一人が、私だからだ。今回の話は、そのような方にきっとご参考になると信じている。なお、日本には無可動実銃というものもあるが、これはウエスタンに限らずすべてのジャンルの銃が商品として多く出回っていて、すでに割とよく知られていると思うので、今回の話題には含めない。

 

 

古式銃


 古式銃とは、都道府県の教育委員会によって審査され登録された美術品もしくは骨董品として価値のある銃砲で(たとえば火縄銃もそうだ)、外国製の銃であれば、おおむね慶応3年(1867年)以前に日本へ伝来した物で、撃発方式が管打式(パーカッション式)またはピン打式など、それ以前の構造を持つ銃のことだ。古式銃には必ず登録証が付いており、これがないと違法所持となってしまう。登録証付きの古式銃の所持に免許などは必要ない。ちなみに、たとえばコルトSAAなどの古い時代の銃を一律、古式銃と呼ぶ人がたまにいるが、それはエアガンとモデルガンを混同して、エアガンをモデルガンと呼ぶのと同じレベルの間違いなのでご注意いただきたい。
 古式銃とされず現代銃に該当し所持が禁止されるのは、たとえばメタルカートリッジ(金属薬莢)式のピストルだ。すなわちウエスタンの銃ではコルトSAAや1877ライトニング、S&WのNo.3 スコフィールドやNo.2 アーミー、レミントンの1875アーミーやダブルバレルデリンジャーなどは、残念だが日本ではどう頑張っても所持は無理。まぁこれらの銃は幸い出来のよいトイガン(主にモデルガン)が発売されているので、それで楽しもう。
 具体的にどのようなウエスタンの古式銃が所持できるかは、一例として以下の写真でご紹介したい。
 古式銃は、日本には限られた数しか存在しない。だからお値段もかなり高価となる。もちろんその個体のコンディションや希少性にもよるが、お値段は大体200万円とか500万円とか。「エーッ!そんな大金はないから買えません」と思われるだろうが(私のような普通の収入の人は)、逆に言えば「お金があれば買える」のだ。他のジャンルの銃では「どう頑張っても、どれだけ大金があっても日本じゃ絶対所持は無理」なのがほとんどだから、ウエスタンファンが本当に恵まれていることに間違いはないのだ。可能性0%(絶望)と可能性1%(わずかでも希望あり)じゃ、天と地ほども違う。そして実際に、私の友人・知人で夢をかなえてウエスタンの古式銃を所持されている方は何人もいらっしゃる。夢はアキラメたら、そこで終わり。本当に欲しいなら、夢に向かって地道に頑張り続けるのだ。そうすれば、いつかきっとチャンスは来るはず。

 

 

 ウエスタン リアルガンを古式銃(美術品)でコレクションする 

 

 この3挺のコルトのパーカッション式リボルバーはすべて日本にあるリアルガンだ。これらは“古式銃”として登録され、無許可で売買、所有できるものだ(免許など不要)。ただしお値段は、その希少さ故、かなりお高い。もちろん無可動実銃じゃないのでフル可動。動かしてよいかどうかは、その古式銃の持ち主の判断によるが。所定の正しい手続きを踏めば実射もできるらしいが…私個人の意見としては、少なくともウエスタン系の古式銃は美術品だし老朽化しているし壊れたら修理できないし、撃つのには賛成できない。ちなみに、この写真の3挺はどれもCAW製モデルガンの採寸に使われた個体だ

 

登録証付き古式銃
コルト モデル1860アーミー
Colt New Model Army Pistol / New Model Holster Pistol
口径:.44

 

登録証付き古式銃
コルト モデル1851ネービー
Colt (Old Model) Navy or Belt Pistol
口径:.36

 

登録証付き古式銃
コルト モデル1849ポケット
Colt (Improved Old Model) Pocket Pistol
口径:.31

 

古式銃売買の最大手が無可動実銃の取り扱いで有名な「シカゴレジメンタルス」だ。シカゴレジメンタルスは、古式銃の在庫数が何と1,000挺以上もある日本唯一の専門店。2023年にお亡くなりになった人気マンガ家の松本零士先生が大量に遺した登録証付き古式銃コレクションを買い付けており、それらの一部がビクトリーショーなどで展示された。写真は2025年6月のビクトリーショーでの出展ブースの様子だが「ここはアメリカのアンティークガンショーか!?」と思ってしまうほどの展示量。アメリカの銃器コレクター本でしか見ることができないような超希少な銃もあって、見るだけでも眼福だが、手袋着用の上で自分の手に取って(作動は禁止)リアルガンの重みと感触を体感できる太っ腹の展示だった(現在のビクトリーショーでは展示終了)。あまりの感動に私は、頼まれてもいないのに勝手にブースに終日張り付いて、思わず来場者に展示銃の解説をしてしまっていた(笑)。古式銃にご興味がある方は、まずはシカゴレジメンタルスをチェックだ!
シカゴレジメンタルス http://www.regimentals.jp/

 

この6挺だけでコルトのパーカッションリボルバーの進化の歴史が分かる大興奮の展示。ガラスケースに会場の照明が反射した写真で恐縮だが、左上からコルト モデル1851ネービー、1849ポケット、1848ドラグーン、1862ポリス、1861ネービー、1860アーミーだ。右下の1860アーミーは何と初期に少数しか造られなかった(製造番号8000までの間にしかない)フルフルーテッドシリンダーを搭載した個体だ。スゲェェェ! こんな貴重な銃が日本にあること自体が驚きだ
 

これらの展示だけで、それぞれの銃を詳しく書こうとすると20ページは楽に書けてしまうので割愛するが、皆さんご存じの有名な人気銃だけ名前を書くと、この展示にはレミントンニューモデルアーミー、スタールアーミー、ル・マットリボルバー、ヴォルカニックピストルがある。どれが、どれだか分かるかな〜?(笑)

 

 

 ウエスタン ショットガンで標的射撃/狩猟をする 

 

このガンラックの5挺が、現在トルネード吉田が所持している散弾銃だ。写真の右手前から水平二連、ウインチェスター1887、ウインチェスター97(1897)、ウインチェスター9410(1894)、SKBのスキート用上下二連。日本では散弾銃は、クレー射撃などの標的射撃と狩猟(および有害鳥獣駆除)のみを目的として、警察から許可を受けられれば合法的に所持して撃つことが可能だ。当然ながら散弾銃なら何でも所持許可が下りる訳ではなく、全長やバレル長、口径、装弾数などいろいろ制限がある。私は2009年に1挺目の散弾銃を所持した

 

Winchester Model 97(1897)Slide Action Shotgun 12 GA
全長:969mm 銃身長:489mm(約19インチ) 重量:3.4kg
装弾数:日本国内では法令により散弾銃は弾倉内2発+薬室内1発
特徴:米国ウインチェスター社の純正品、1950年製造、テイクダウンモデル

 

前回でご紹介した私の愛銃で、私が4挺目に所持した散弾銃がこのウインチェスター97だ。余談だがタナカの1897モデルガンの出来が素晴らし過ぎたため“ワイルドバンチ”モデルに加えて「アーリーライオットガン」も買ってしまった(笑)

 

Winchester Model 9410 Lever Action Shotgun .410 GA
全長:1060mm 銃身長:609mm(24インチ) 重量:約3.1kg
装弾数:日本国内では法令により散弾銃は弾倉内2発+薬室内1発
特徴:米国ウインチェスター社の純正品、モデル94のショットガンバージョン、交換チョーク式

 ウインチェスター モデル94(1894)は「ウインチェスターのレバーアクションライフルの完成形」と言われ、昔から大変な人気があり、130年以上に渡ってすごい挺数が今も製造されている。この銃はライフルではなく.410番(通称「ヨントオ」)という細長い薬莢の散弾を撃つショットガンだ。日本では(狩猟用の)ライフルを所持するためには、散弾銃を継続して10年所持しなければならない(人生10年はあっという間だが、ライフル所持希望者の10年は長い)。だがライフル銃のバレルのライフリングを完全に削り落とし、.410番の散弾銃へ改造できれば10年待たずして散弾銃として所持できる。口径.30-30 Winのウインチェスター モデル94とマーリンのモデル336は、どちらも日本では最も定番のレバーアクションライフルだ。それを.410番に改造した銃も数多く日本に存在している。このモデル9410はウインチェスターが最初から.410番のショットガンとして製造・販売したものだ。これが、私が所持した1挺目の散弾銃。クレー射撃はもちろん、スラッグ弾を撃つことでライフルのような標的射撃も楽しめる。ライフルとスラッグの標的射撃は、ペーパーターゲットの円を1発ずつ撃ち、着弾が円のセンターに近いほど点数が高く、その合計を競うゲームとなる。この銃は新品に近い中古で、スラッグ射撃用のスコープと専用マウントベースが付属して15万円で購入した

 

.410番の弾はマイナーなため、標準で使われる12番より値段が2〜3倍高い。コロナ禍以降、円安もあって近年は銃砲関連品の価格は激しく高騰。今や.410番の散弾実包は1箱(25発)で何と5,750円前後、1発あたり約230円とライフル弾並みになってしまった(12番だと1箱1,500円前後=1発約60円)。そのためクレー射撃のスキートを1ラウンド(25発撃ち)すると1ゲームの費用が弾代込みで約7千円(涙)。もはや気軽に撃てなくなってしまったが、レバーアクションでの連射の練習にこの銃は欠かせないのだ

 

Chiappa Model 1887 Lever Action Shotgun 12 GA
全長:993mm 銃身長:559mm(22インチ) 重量:約4.1kg
装弾数:日本国内では法令により散弾銃は弾倉内2発+薬室内1発
特徴:ウインチェスター モデル1887のイタリア製レプリカでキアッパファイアアームズ製、現代の無煙火薬装弾に対応、交換チョーク式

 

ウインチェスター モデル1887レバーアクションショットガンは映画『ターミネーター2』で有名だ。この銃も昔のブラックパウダー(黒色火薬)の時代の銃だが、私が3挺目に所持したこの散弾銃は現代のスモークレスパウダーの装弾に対応したイタリア製のレプリカ(リプロダクション)だ。これをトリプルトラップというクレー射撃で、飛んでく3枚の皿を3連射で撃ち割るゲームで撃ちまくるのが楽しいのだ。レシーバーのケースハードン(炭素焼き仕上げ)カラーがとても美しくてお気に入り。なお『ターミネーター2』のプロップガンのようにストックを切り詰めるのは法令で禁止だ。私が2009年に新品で購入した時の価格は約30万円だったが、現在は円安のため値上がりして28インチのロングバレルモデルで498,000円(税込)

 

Davide Pedersoli “La Bohemienne” Side by Side Shotgun 12 GA
全長:1152mm 銃身長:711mm(28インチ) 重量:約3.5kg 装弾数:2発(弾倉なし)
特徴:イタリアのウエスタンガンのレプリカメーカーのデビッド・ペデルソリ製の水平二連ショットガンで商品名は「ボヘミアン」。ハンマー外装式、ダブルトリガー、交換チョーク式

 

私の5挺目の散弾銃で「西部劇のショットガンといえば有鶏頭水平二連でしょ!」ということで、北海道の銃砲店「シューティングサプライ」がアメリカのショットショーで私のリクエストで探してきてくれたのが当時の新製品の、このボヘミアンだ。2012年の新品価格は約30万円だったが、現在は407,000円。バレルの短い「ワイアット・アープ」というモデルもあるが(385,000円)、私が所持する他の散弾銃がどれも短いバレルなので、実用を考えて長いバレルのボヘミアンを選んだ。ちなみに私が2017年に最後に所持した散弾銃は日本のSKBというメーカーの上下二連だ。先に趣味性の高い銃ばかりを揃えたので、マジメに(?)クレー射撃を練習するためにスキート専用銃を所持したのだ(程度の良い中古で8万円)

 

ハンマーは外装式で、トリガーもハンマーと対になって2本ある。水平二連こそロマン!!

 

今回ご紹介しているイタリア製レプリカの散弾銃とライフル銃は、すべて北海道の銃砲店「シューティングサプライ」で輸入・販売されている。この写真は同店で取り扱いのデビッド・ペデルソリ製の.410番の散弾銃仕様(メーカーへの別注品)のシャープス カービンだ(251,900円)。同店では多くのウエスタン系の散弾銃・ライフル銃を取り揃えており、他には.410番散弾銃のシャープス インファントリー(ロングバレル仕様で316,800円)、スプリングフィールド モデル1873トラップドアのオフィサーズ(モデルガンで言うところのカスター将軍モデル、302,500円)とカービン(251,900円)などがあり、ライフル銃ではウインチェスター モデル1866イエローボーイ、1873、1892(いずれも口径は.38-40 Winなど)、レミントン ローリングブロックライフル、リトルシャープスなどがある。猟銃なので誰でもすぐには買えないが、ご興味ある方はまずはシューティングサプライのWebサイトをご覧になってみてはいかがだろうか
シューティングサプライ http://www.s-supply.net/

 

 

猟銃

 

 日本では全長やバレル長、口径や装弾数の制限など、条件を満たした散弾銃・ライフル銃を「猟銃」として所持し撃つことができる。ただし、それには「所持許可」と呼ばれる、都道府県の公安委員会(警察)から許可を受けることが必要だ。よく誤解されるが、銃砲の所持許可は免許ではない。たとえば自動車の運転免許なら、免許証があれば誰の自動車でも運転できるが、所持許可は銃の個体1挺ごとに個人に対して出されるものだ。たとえば「ウインチェスター製の製造番号○○○の銃をトルネード吉田へ許可する」といった感じだ。したがって銃砲の所持許可を持っていても(特別な資格がなければ)他人の銃を持ったり撃ったりすることはできない。その1挺の銃は、それを許可された人だけが(責任をもって)所持し撃てるという制度だ。
 そして所持許可はクレー射撃などの標的射撃と、狩猟(と有害鳥獣駆除)の目的だけに出されるので「私は銃のコレクターで射撃はしない」という方は残念だが、猟銃は所持できない。所持したら撃つことが大前提、撃たない人には持たせないという制度なのだ。当然ながら悪いヤツ、犯罪のおそれがあると思われる人(たとえば家庭内暴力やストーカー)に猟銃は絶対に持たせられないので、警察が許可を出す前にその人を厳しく審査(身元調査)する。他にもいろいろ条件はあるが、普通の人ならまず大丈夫だ。
 警察へ「この銃を所持したいです」と申請する前には、猟銃の初心者講習(筆記試験)と射撃教習(実技試験)をクリアしなければならないが、私個人の意見としては、どちらも自動車の運転免許を取るより十倍は簡単だ。基本は、まず散弾銃から始めて、散弾銃を継続して所持して10年経つと(狩猟用の)ライフル銃を所持することができる(※散弾銃で実際に狩猟をする場合と、狩猟用のライフル銃を所持するには「狩猟免許」もあわせて必要)。
 始めるための費用としては、もろもろの手続き一通り(初心者講習、射撃教習、所持許可申請)にかかる料金や、銃や弾の保管に必要なロッカー、撃つために必要な物品一式(イヤマフやクリーニング用品など)をすべて揃えると、今なら大体合計20万円くらいになるだろう。あと必要なお金は、銃本体の代金だ。本連載はウエスタンがテーマなので「ウエスタン系の散弾銃・ライフル銃の所持」に限定して説明するので、大体はこんな感じだ(所持許可の詳しい説明すると長くなるので割愛する)。私個人の意見としては「(以前より厳しくなってはいるが)意外と簡単に所持はできる、だがモチベーションを維持できないと続けられない制度になっている」と思っている。
 かなりハードルは高そうだし初期費用も必要だが、今は時代の流れで銃砲所持者の数は減少する一方なので、許可を返納される銃も多く、買い手がつかなきゃその銃はいずれ溶鉱炉行き。何でもよいなら散弾銃は安けりゃ中古で1万円で買えるものもあるし、ツテがあればタダで譲ってもらえることも珍しくない。まずは手頃な散弾銃(お値段数万円)から始めて「お金がたまったら本命のウエスタン系の銃を!」という計画も大いにアリだ。ライフルまで欲しければ10年かかるので、始めるならとにかく1日でも早いほうが絶対によい。
 それなりのハードルをクリアしなければならないだけに、実銃の射撃や狩猟は本当に楽しいのだが、コロナ禍以降は、円安もあって近年は銃砲関連品の価格は激しく高騰。あわせて2023年に発生した猟銃を使った殺人事件によって警察も所持の制度をさらに厳格化。そのため正直、もう気軽に勧められる趣味ではなくなってしまった。だが全国でクマによる被害が拡大したり、農作物を食い荒らす害獣が増えたり、外来種が生態系を崩したりしている現状もあるので、そういう観点からも、あえて今、猟銃の所持を勧める話を書いてみた次第だ。実銃の射撃や狩猟は社会貢献できる趣味でもあるので「ウエスタンの銃を持ちたい、撃ちたい」がキッカケで始めてくれたなら、私も所持者としてとても嬉しく思う。ご興味ある方は、まずはお住まいの近くにある「銃砲店」に行って、店頭の銃を眺めたり、お店の人からもっと詳しくお話を聞いてみたりしてほしい。

 

 

 ウエスタン ライフルで狩猟をする 

 

 ウエスタンファンに人気のウエスタン系のライフル銃は基本的に中〜大口径のため、日本では狩猟の用途でしか許可が下りない(標的射撃だけでは所持できない)。もしハンティングまで趣味とするなら、私のようにウエスタン系のライフル銃も所持することができるだろう。私が狩猟に興味を持ったのは、やはり西部劇だ。ケビン・コスナー主演の『ワイアット・アープ』で雄大なバッファローハンティングのシーンが出てくるのと、バッファローハンティングの世界を舞台にした『最後の銃撃』をテレビで観たのがキッカケだ。ハッキリ言って狩猟は最高に楽しいし、仕留めた獲物(鹿、猪など)のお肉は美味しくて家族や友人にも喜んでもらえるし、で、実は今、私が一番ハマっているのは狩猟だ。それが大好きな銃を使ってできるなら、その楽しさは何倍にもなるのだ。

 

Winchester Model 1895 Lever Action Rifleスカウトライフル仕様
全長:1080mm 銃身長:610mm(24インチ) 重量:約3.6kg
口径:.30-06 SPRG(7.62mm) 装弾数:4+1 発(固定式箱型弾倉内4発)
特徴:ウインチェスターの正規ブランドだが、Made in Japanの現行仕様モデル(日本のミロクがOEMで製造)

私が選んだ1挺目のライフル銃がウインチェスターモデル1895だ。この銃はウインチェスターのクラシックなレバーアクションの最終進化型。マガジンがチューブ型からボックス型となり、先の尖った弾頭が使えるようになったのが特徴だ。1挺目のライフル銃は日本でも定番のウインチェスター94(1894)でもよかったが、この銃は.410番のショットガンですでに楽しんでいるのと、せっかくなら実銃でしか所持できないモデルを選びたいと思ってモデル1895に決め、シューティングサプライに頼んでアメリカから取り寄せてもらった。口径はM1ガーランドと同じ.30-06なのでパワーは高め。狩猟での実用を優先してスコープを搭載した。この銃は空薬莢が真上に飛ぶトップエジェクトのため、通常のライフル銃のようにレシーバーの上部にスコープを載せることができない。そこでバレルの根元にマウントベースを増設して、ロングアイリリーフのスカウトスコープを載せた。ライフルのバレルに直接スコープを載せると命中精度は多少低下するが、スカウトスコープには広い視界のままスコープを覗くことができる実用的なメリットがある

 

この写真は北海道でエゾシカを初めて仕留めた時のものだ。私は毎年の猟期では、普段は神奈川県の宮ヶ瀬湖周辺での鹿・猪の巻き猟(グループ猟)に参加。モデル1895を選んだのは大正解で、実際に狩猟の現場で大活躍している(現在、北海道でのエゾシカ猟では、ロングレンジで獲物を仕留める修行のため最新式の口径6.5 PRCのボルトアクションライフルを使用中だ。なお、トルネード吉田の今年のエゾシカ猟の様子は3月31日発売のGuns&Shooting Vol.28でレポートされているので、ご興味ある方はぜひご覧ください)

 

 

A.Uberti 1876 “Centennial” Lever Action Rifle タンサイト仕様
全長:1234mm 銃身長:716mm(28インチ) 重量:約4.6kg
口径:.40-60 Win(10.2mm)
装弾数:日本国内では法令によりライフル銃は弾倉内5発+薬室内1発

 

この銃は有名なウインチェスター モデル1873に見えるかもしれないが、1873よりひとまわり大きいレシーバーでフルサイズのライフル弾を撃てるアメリカ西部開拓時代 最強の連発ライフルのモデル1876“センチニアル”だ。スティーブ・マックイーン主演の西部劇『トム・ホーン』で登場した。実は私は、この銃で射撃をしたくて国内の実銃所持の世界へ踏み出したのだ。イタリアのウベルティ製のレプリカで、ライフルを.410番へと改造してもらい2挺目の散弾銃として所持していたが、所持歴10年でライフルを持てるようになったので、散弾銃は手放してライフル銃で所持し直した。モデル1876の主な口径は.45-75 Win /.45-60 Winという.45口径(11.5mm)だが、日本で基本的に許可されるライフル銃の口径の上限は10.5mmまでなので、法令に適合する.40口径(10.2mm)の.40-60 Winで所持した。この弾の工場製の実包は日本では買えないので、弾頭と薬莢と火薬と雷管を別々に買って自宅でハンドロードしている。『トム・ホーン』のプロップガンに近づけるために、グリップ部分にタンサイトという起倒式のピープサイト(マイクロサイト)を追加搭載。我が最愛のライフル銃だ

 

Shiloh Sharps Model 1874『 ブラッディ・ガン』仕様
全長:1296mm 銃身長:863mm(34インチ) 重量:約6.1kg  
口径:.30-40 Krag(7.62mm) 装弾数:1発(弾倉なし)

 

アメリカ西部開拓時代に単発だが最も高い命中精度とパワーでハンターに人気だったシャープスのモデル1874。この銃はバッファローライフルの代名詞的な存在で、カスタムオーダーによりバレルや口径、サイトや仕上げなど様々な仕様で作ってもらうことができた。私の3挺目のライフル銃は、日本では知名度は低いが知っている人は皆知っている超傑作西部劇『ブラッディ・ガン』(1990年、原題Quigley Down Under)でトム・セレック演じるロングレンジ射撃のライフルの達人の主人公が愛用するカスタムライフルと、ほぼまったく同じ仕様で造ってもらったものだ(プロップガンと異なるのは口径とレシーバー側面に主人公のイニシャルのインレイがないことだけ)。もちろん現代のレプリカガンだがイタリア製ではなく、アメリカ モンタナ州にあるシャイローというシャープスライフルのレプリカだけをセミカスタムオーダーで造っているメーカー(工房)製だ。発注から所持手続き完了まで34ヶ月(約3年)待ちで手に入れた究極の逸品のライフル銃だ。この銃もずっと前から欲しかったので、1挺目の散弾銃を所持した時から10年後を目指して毎月5千円を貯金した。2009年当時のこの銃の価格は3,298ドルで、まだ1ドルが100円を切る位の円高だったので、まずは60万円あればと思ったのだ。そこから数えると夢をかなえるのに13年かかったことになる。とにかくデカくて長くて重いので使いこなすにも時間がかかるだろう。だから、もはやライフワークのように長く付き合っていきたいと思っている。私はこの銃で、かつてのフロンティアのバッファローハンティングのように北海道の平原でエゾシカをロングレンジで仕留めるのが夢なのだ(スコープは使わずに写真のバーニアタンサイトで)。ちなみに映画『ブラッディ・ガン』は昔、ビデオで発売された位で国内盤のDVDなどはなく現在は視聴困難だが、ガン好きの西部劇ファンでこの作品を観て「つまらなかった」という人は一人もいないほどに面白い作品なので、機会があれば絶対にご覧になっていただきたい

 

この写真はオプション品のモンタナ ビンテージアームズ製のマルコムスタイルの超ロングスコープ(6倍固定)を載せた時のものだ。.30-40 Kragも日本では買えない弾のため、ハンドロードした弾の射撃場での集弾テストは、このスコープを使って行なっている

 

ウエスタンのライフル銃は大口径が多いが、日本で基本的に所持許可が下りるライフルの口径は10.5mmまでだ(.44口径とかはダメ)。そのため法令に適合する口径が選べるかが、そのライフルを所持できるかどうかの分かれ目となる。写真は左から.45ロングコルト(コルトSAAの弾)、.44-40 Win(.44口径の火薬量40グレインという意味のウインチェスター1873、1892の弾)、.38-40 Win(ウインチェスター1873と1892の口径バリエーションの弾で、これなら日本で所持できる)、. 45-70 Govt(スプリングフィールド1873トラップドアの弾で、ウエスタン系ライフルで最もメジャーな弾)、.45-60 Win(ウインチェスター1876センチニアルの弾)、.40-60 Win(1876の口径バリエーションの弾で、私の1876はこれ)、.50-90 Sharps(当時のバッファローハンティングで最もメジャーだった弾)、.30-30 Win(ウインチェスター1894やマーリン336の弾で、日本でも狩猟用として定番)、.30-40 Krag(スプリングフィールドM1903の前にアメリカ軍で使われたクラッグ・ヨルゲンセンライフルの弾で、私のシャープスはこれ)、.30-06 Sprg(スプリングフィールドM1903やM1ガーランドの弾で、狩猟用として最もメジャーな弾のひとつ)、6.5mm PRC(最近ロングレンジ射撃用として最も人気の新しい弾のひとつで、私の4挺目の最新型ボルトアクションライフルはこれ) ダミーカート協力:サージェンツ・ハート https://sgt-h.com/

 

私のライフル銃の所持はいったん4挺で一段落だが(散弾銃も合わせると計9挺だ)挺数に限りなく持てるなら、他にも欲しいライフルはたくさんある。たとえばこの写真のウインチェスター モデル1892のラージループカービン。そう、ガン好きの西部劇ファンなら誰もが憧れるだろうジョン・ウェインの愛銃仕様のウインチェスターで、日本の法令に適合する口径バージョンが発売済だ。他にも『ジュラシック・ワールド』や『ウインド・リバー』で活躍したマーリン1895 SBLのレバーアクションも、オリジナルの口径は.45-70で日本ではダメだが、.30-30 Winでも発売済なので、これなら日本で持てる。このようにトイガンで発売されていない銃も日本の法令に適合すれば所持できるし、ウエスタン系の長物の多くは、今回ご紹介したとおり実際に日本で所持して撃つことができる。日本に住んでいてもウエスタンのリアルガンの夢は、現実にかなえることができるのだ

 

 

TEXT:トルネード吉田

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年5月号に掲載されたものです。

 

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