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2026/01/06

オールド・モデルガン・アーカイブ:ファンを驚かせたユニークなモデルガン6選【Part.1】

 

ファンを驚かせたユニークなモデルガン6選 Part.1

 

モデルガンのスタイルがまだ定まっていなかった頃、そしてモデルガンが法規制の危機にあった頃、ファンを驚かすようなユニークなモデルガンが作られた。今回はその中から6機種をピックアップしてみた。

 

 

MGC ブローニング380(1965年)

 

MGC製ブローニング380

 

天才的発想の改造防止オープン・ボルト方式!

 

 モデルガン黎明期、MGC はよりリアルなモデルガンを作るためアメリカとヨーロッパへ取材旅行を行なった後の第1弾として、1965 年、初の実寸、実銃どおりの操作を実現したオートマチックピストル、ブローニング380を発売した。
 設計を手がけた小林太三(こばやしたぞう)さんは、改造されることがないよう、ストライカーをカートリッジ並みに太くし、トリガーを引いた時ストライカーがカートリッジをチャンバーに送り込みながら発火させるというサブマシンガン式のオープンボルトメカニズムにした。スライドが閉じていれば、外からカートリッジがチャンバーに送り込まれているかどうかはわからない。それでいて実銃どおりの操作ができる。
 多くの人がこのメカニズムに驚き、納得し、受け入れ、大ヒットとなった。もちろん当局の取り締まりの対象にはならなかった。そして1977 年の第二次モデルガン法規制で銃身分離タイプの金属製モデルガンが禁止されるまで、高い人気を保ったまま販売が続けられた。

 

トップリングはレコイルスプリングで前方に押されているため、押し込みながら反時計回りに回して外す

 

オープンボルト方式なので、スライドはここからカートリッジを装填しないで閉鎖するが、外からは一切わからない

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金ダイカスト、ABS樹脂(グリップ)
撃発機構:ストライカー方式オープンボルトタイプ
発火機構:前撃針/ファイアリングブロック
作動方式:手動
カートリッジ:ソリッドタイプ
使用火薬:平玉紙火薬2 〜3粒(初期は輸入キャップ火薬)
全長:153mm
重量:500g
口径:.380
装弾数:7発+1(薬室内)
発売年:1965年
発売当時価格:4,000円、カートリッジ別売り 12発箱入り300円

 

※販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 

このページの写真はすべてPHOTO BY Keisuke.K

 


 

CMC ダイアモンドバック 4インチ、2.5インチ(1970

年)

 

CMC製ダイヤモンドバック4インチ

 

ハーフコックを装備したダブルアクションリボルバー!

 

 実銃のダブルアクション・モダンリボルバーは、スムーズに作動させるには高い精度が必要だとされる。そのため当初は、モデルガンでそのまま再現するのは不可能とされていた。それをうまく解決したのがMGC の小林太三さんだった。
 小林さんのアレンジ手腕は特に精度の高さが必要とされるコルトのパイソンでも発揮され、他社が真似するほどの優れたシンプル化メカニズムを完成させた。パイソンは1969 年に発売されると、独特のスタイル、手頃な価格、アメリカンポリス人気などから、たちまち大ヒットとなった。
 それを横目で見ていたライバル会社のCMC は、すぐに対抗モデルを作ることにした。その頃モデルガンのファン層が低年齢層にまで広がりつつあったことから、「パイソンは子供の手には大きいので、ディテクティブなどと同じ小型のDフレームを使ったダイヤモンドバックを作ろう」ということになったという。
 原型製作を担当したのは六研の六人部登(むとべのぼる)さん。MGCと同等の価格帯を実現するため、板ばねをすべて線ばねに変え、小林さん同様リバウンド機構とセーフティ機構を大胆にカット。こうするとハンマーノーズがフレーム側に出たままになってしまうので、六人部さんはハーフコックを取り入れることにした。これならスムーズにシリンダーの出し入れができる。
 ところが、実際に発売されてみると、実銃と大幅に異なるメカニズムと、ダイアモンドバックが持つ「貧乏人のパイソン」という誤ったイメージにより、期待ほどのヒットにはならなかった。時にユニークさは武器にならないこともあるという教訓となった。

 

トリガー位置の合成。左から、レストポジション、ハーフコック、フルコック

 

当時のモデルガンにはリバウンド機構がないのが当たり前。レストポジションではこのようにハンマーノーズがフレームから飛び出してしまう

 

シリンダーを出し入れしやすくするためのハーフコック機能を組み込んだ独自構造

 

ハーフコックは下の小さなシアーと呼ぶ部品で実現していた。フルコック時は上の黒いパーツをトリガーで回転させてリリースするが、ハーフコックからダウンはできない

 

 DATA 

主材質:亜鉛合金
撃発機構:ハンマー、シングル&ダブルアクション
発火機構:前撃針(初期型はバレル内、のちにシリンダー内)、慣性打撃式
カートリッジ:スプリング内蔵可動式
使用火薬:平玉紙火薬
全長:223mm(4インチ)、185mm(2.5インチ)
重量:650g(4インチ)、530g(2.5インチ)
口径:.38スペシャル
装弾数:6発
発売年:1970年
発売当時価格:4,300円(4インチ)、4,000円(2.5インチ)、カートリッジ6発付き

 

※smG仕様以前のモデルは販売目的の所持禁止。違反すると一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処せられます。
※寸法などのデータは当時のメーカー発表によるもので、実測値ではありません。また価格は発売当時のものです。

 


 

※モデル名やパーツ名などは、基本的にはメーカー表記に準じていますが、メーカー自身の表記にも揺らぎがあるため、本稿ではその時に参考にした資料に従って表記し、あえて統一していません。
※拳銃型の金属製モデルガンは、1971年の第一次モデルガン法規制(改正銃刀法)以降に販売されためっきモデルであっても、経年変化等によって金色が取れると銀色と判断されて規制の対象となることがあります。その場合は黄色や白色、または金色の塗料を塗るなどの処置が必要です。

 

 

TEXT&PHOTO:くろがね ゆう

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年2月号に掲載されたものです。

 

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