実銃

2025/12/22

現代でも通用する高いポテンシャル HK53自動小銃【無可動実銃ミュージアム】

 

 

この1挺は戦うために作られてきた本物の銃だ。
数奇な運命に導かれ、今はこの日本という平和な地で静かに眠っている。
発射機構を排除され魂を抜かれても、その銃の魅力が廃れることはない。
時代と共に歩んだ歴史を、培われた技術体系を銃はその身を持って示してくれる。
その姿は銃に魅了された我々に新たなる知見をもたらすことだろう。
さあ、今回も無可動実銃のことを語ろう……。

 

 

H&Kウエポンシステムのホープ

 

 第二次世界大戦後に発足したヘッケラー&コックは軍用小火器で一大シェアを築くことを図って、G3をベースに様々な口径・種類の小火器を開発する。それらは3つのグループに分けられ、既存の7.62mm×51NATO弾と9mm×19弾はグループ1、新規の5.56mm×45弾はグループ2、東側の7.62mm×39弾仕様をグループ3とした。このグループ2の中核がHK53のベースとなるHK33であり、5.56mm×45弾を使用する小銃の需要に対し、ライバルのFN製FNCやコルト製M16に対抗するものであった。

 

短くなったバレルからは大きなマズルフラッシュが発生するため、ハイダーは大型で四つ又状のものが採用されている

 

マガジンは25、30、40発があり標準マガジンは装弾数25発のもので、M16の20発より装弾数が多く攻撃力が高い

 

 G3と同じローラーディレードブローバックアクションを使用し実力は折り紙付きであったが、ドイツは次期主力ライフルをケースレス弾を使用したG11としたため、大きな契約はほとんど行なわれなかったが、一部の西ドイツの警察や治安部隊が採用した。またG3を採用した国ではMP5の運用をしている特殊部隊が後継機種としてHK33の短縮型のHK53を採用するなど、ウエポンシステムの恩恵を活かして成功を収めている。

 

 

HK53自動小銃

  • 全長:635mm / 780mm(ストック伸長時)
  • 口径:5.56mm×45
  • 装弾数:25発/ 30発/ 40発
  • 価格:¥990,000
  • 商品番号:【7992】

 

 

現代でも通用する高いポテンシャル

 

 HK33をベースに特殊作戦用に短縮化したのがHK53である。バレルを179mmまで短縮し、全長がMP5と同等となったため、“サブマシンガン”と呼称される場合もあるが、ソ連のAKS-74Uやアメリカのコルト「コマンドー」シリーズと同じ部類に該当するアサルトライフルだ。作動機構はG3と同様のローラーディレードブローバックを採用し、トリガーグループやストック、ハンドガードなど、一部のパーツはMP5との互換性が保たれている。また、HK53をベースに装甲車の銃眼から射撃できるようにしたHK53 FPWや1.5 倍の光学スコープを固定装備したGR2も開発された。ヨーロッパ各国の軍や法執行機関で制式採用されが、もっとも有名なのは世界最強のイギリス陸軍特殊空挺部隊SASがHK53を「L101A1」として制式採用したことだ。SASでの運用によりローラーの損傷と故障の問題が露わになったが、新型のロックピースが開発され、ボルトの跳ね返りを減少させた。この故障にはSASも頭を悩ませたようだが、その後のSASでの使用例が多いことから一定の解決を見たと考えてよいだろう。

 

リトラクタブルストックは最新のFタイプ。分厚いラバーパッドはカービン弾のリコイルを吸収するには充分な装備である

 

リアサイトはヘッケラー&コック特有のドラムタイプ。このサイトの有効性は疑うまでもなくオープンサイトとしては最上級の性能を誇っている

 

 5.56mm×45弾がM193 から新型のSS109 弾がNATO制式弾となるとHK53も対応したモデルであるHK53Eへと発展し、G36が主流となった後も生産され続けた。操作系がMP5 に準じているお陰でMP5の訓練を受けていればすんなりと使用できるため、日本の警察特殊急襲部隊SATでも使用された。ポテンシャルの高さは誰もが認めるところではあったが、本国ドイツではHK33が制式採用を逃し、世界規模ではM4A1カービンには及ばずG3やMP5のような名声を得ることはなかった。そのためHK33やHK53はマイナーモデルと思われがちだが、現在でも特殊任務の状況で確認されていることからも分かるように、本来はカービン銃の成功作であり、もっと脚光を浴びるべき銃なのである。

 

グリップフレームはフィンガーグループ付のSEFグリップだがフルオート表記が専用の25連マガジンに倣って「25」となっている

 

ハンドガードはMP5のものも使用できるが後部に隙間ができるため、後端部が延長された専用ハンドガードも用意されている

 

 

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TEXT:IRON SIGHT

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年1月号に掲載されたものです。

 

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