エアガン

2025/12/01

発火式で楽しめる大迫力のショットガン「タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン」

 

あの傑作映画に登場したモデル1897を再現

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン

 

●ヒーローガン

 

 映画『ワイルドバンチ』(The Wild Bunch:1969)は、かつてバイオレンス映画の巨匠と言われたサム・ペキンパー監督の代表作だ。時代に取り残されつつある西部の無法者達が滅び行く姿を、哀切を込めて描いている。同時に壮絶な銃撃戦を展開される作品としても有名だ。当時既に西部劇は衰退の一途を辿っており、本作品は“最後の西部劇”、あるいは“西部劇に引導を渡した作品”とも呼ばれた。アメリカの国立フィルム保存委員会はこの映画を半永久的に保存すべき作品として、1999年にNational Film Registryに登録するなど、作品としての評価も高い。
 映画の舞台は1913年であり、登場する銃はコルトのM1911やボルトアクションのスプリングフィールドM1903など通常の西部劇とはだいぶ趣が異なる。なんと水冷式マシンガンも登場し(あろうことかM1917A1だ。当時の映画は時代考証がかなり適当だった。マキシム1904やブラウニング1895ならパーフェクトだったのだが)、非常に目立つ形で使われるなど、なかなか興味深い。それらに混じって、ウィンチェスターのモデル1897も多用された。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン

 

 今回タナカは、この映画に登場した仕様のモデル1897を発売する。いわばヒーローガンだ。タイプとしてはライオットモデルだが、撮影に使われたモデルがどの時代の製品かどうかは不明だ。なにしろM1917A1を登場させてしまうぐらいなので、時代考証に合った20世紀初頭のモデルを用意したのではなく、この映画が撮影された1960年代後半に入手できたものを使った可能性が高い。この銃は1957年まで60年間製造が続き、総生産数は100万挺超えだ。いくらでも手に入ったはずだし、モデル1897なら何でもオッケーだっただろう。作品中、モデル1897は何挺も登場し、その仕様は少しずつ異なる。そこでタナカはクライマックスの銃撃戦でウォーレン・オーツ演ずるライルが使用したモデルを再現した。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
チューブマガジン先端部分の形状が以前のライアットガンとは違う

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
アーリーライオットガンとはフォアエンドのセレーションパターンと固定方法が異なる

 

 2019年にタナカが製品化したモデル1897ライオットガンとの違いは、スリングスイベルが付けられたことと、ストック後端のバットプレートの仕様違い、チューブマガジン先端部の形状違いといったところだ。また今回の製品はヘビーウェイト材を用いており、その重量は約500g重く、かつ剛性感が得られるようになっている。さらにその表面に荒目ブラスト処理を施し、質感を一層高めた。加えて、ブナ材を使った木製ストックとフォアエンドは、使い込まれた風合いを再現する特別仕上げとなっており、2019年のモデルよりかなり手が込んでいる。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
ブナ材のストックの色合いも良い感じに仕上げている。バットプレートはトレンチガンと同じデザインだ

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
スリングスイベルの位置は前後に動かせる

 

 

●ポンプアクション

 

 モデル1897のモデルガンとしての最大の魅力は、なんといってもそのダイナミックな装填排莢にある。大きなショットシェルをチューブマガジンに装填、フォアエンドを操作してチェンバーにショットシェルを送り込み、撃発、そして素早くフォアエンドを引けば、大きなショットシェルが宙を舞うのだ。この一連の動きにはメカニカルな作動音も伴う。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
ポンプアクションでショットシェルを飛ばす。これが楽しい!

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
古いタイプのポンプアクションなので、作動させるとボルトとキャリアーが飛び出す

 

 またモデル1897は現在Ver.2となっており、その作動性は一段と向上している。これを操作する瞬間は最高に楽しい。もちろん、キャップ火薬を使わなくても楽しめる。撃発音がないだけで、ダイナミックさにほとんど差はない。

 

●金色アルミシェル

 

 現在のショットシェル(実弾)はボディがプラスチック製でベース部が真鍮、もしくはスチール、あるいはスチールの真鍮メッキとなっている。金属薬莢ができた19世紀半ば頃は、ショットシェル全体が真鍮製だったが、その後にボディを厚紙とし、これに真鍮製のベースを組合わせたものが主流となった。映画『ワイルドバンチ』の舞台となった時代は紙のショットシェルが広く普及していたはずだ。
 この紙製ショットシェルの時代は1960年代まで続き、その後にプラスチックとなって現在に至る。ただし、スペシャルオーダーで真鍮製のショットシェルも手に入れることはできる。またアメリカ軍は第一次大戦と第二次大戦で、真鍮製ショットシェルを一部で採用していた。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
モデル1897モデルガンVer.2金色アルミシェルセット(6発セット¥13,200 2025年12月中旬発売予定 写真左)とスタンダードショットシェル(写真右)。アルミシェルはアルマイト加工だ。どちらも7mmキャップ火薬2個セット可能だ

 

 今回タナカは、モデル1897用に金色のアルミシェルを製作して販売する(別売)。ポンプアクションショットガンで遊ぶ限りにおいては、通常の黒いプラスチック製ショットシェルでなんら問題はない。しかし、アルミシェルを使うと、排莢してそれが床に落ちた時の金属音がなんとも良いのだ(床の材質にもよるが)。また金色の大きなシェルが排莢される様子はなかなかカッコいいし、キレイだ。アルミなので軽くて、よく飛ぶ。もしこれが真鍮製だと重過ぎて、ほとんど飛ばないだろう。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン
金色アルミシェル(別売)の装填。プラスチックシェルとは趣が違って魅力的だ

 

 実際問題として、金色アルミシェルの存在意義はこんなことぐらいしかないが、モデルガンはそういった“イメージを楽しむ道具”なのだ。“キレイ”、“カッコイイ”、“音がイイ”、それだけで、この金色アルミシェルを手に入れる立派な理由となる。
 現在、ポンプアクションのモデルガンはタナカのモデル1897シリーズだけだ。このモデルと金色アルミシェルを併せて手に入れ、思い切りポンプアクションで遊んでいただきたい。

 

タナカ モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン

 


 

タナカ
モデル1897 “ワイルドバンチ・ライオット・ガン” ヘビーウエイトVer.2モデルガン

 

DATA

  • 全長:985mm
  • 全高:190mm
  • 全幅:45mm
  • 重量:2,800g(ショットシェル含まず)
  • 装弾数:6発
  • 価格:¥93,500(モデル1897 Ver.2用ショットシェル型発火カートリッジ2発付属、2025年12月中頃発売予定)
  • お問い合わせ先:タナカ

 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:Satoshi Matsuo/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年1月号に掲載されたものです。

 

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