エアガン

2025/05/03

WESTERN魂!「愛銃 東京マルイ SAA .45」

 

愛銃 東京マルイ SAA .45

 

東京マルイSAA .45の衝撃の新発売から3年が経った。今のところ私は計8挺を購入済だが、今後まだ数挺は増えるだろう。遅ればせながら今年になって改めて東京マルイSAAがその真価を発揮する使い道も分かってきたため、最近は自宅で手放すことができない

 

近めの距離で直径5cmの小さなターゲットを連続で正確に狙い撃つ。写真のようなシチュエーションの射撃には東京マルイSAAが最適だ

 

適材適所

 

 最近、私は東京マルイのSAA.45に再び夢中になっている。そのキッカケは、同じ「エアーリボルバープロ」シリーズの新製品M1851 NAVYが発売されたことや、後述のSAA用のクイックホルスターで遊ぶのが非常に楽しいこと、そしてコロナ禍以降、諸般の事情で参加を見送り続けていた「カウボーイ アクティブシューティング」の定例会に今年3月から再び参加するようになったことなどだ。カウボーイ アクティブ シューティング(J-CAST主催)とは、アメリカの西部開拓時代をテーマにしたスリーガンマッチと言えるCowboy Action Shootingをエアガンで模して行なうスピードシューティングで、有志が毎月開催しているものだ。


 実は東京マルイのSAA.45は「インドアやCQBでのサバゲで使おう!」と決めてはいたものの、他にはどこで活躍させるべきか正直、迷っていたのだ。ちょうど東京マルイのSAA.45と同じ時期にタナカが従来のペガサスSAAを「ペガサス2」として完全リニューアルして新発売。どちらも最高の命中精度が最大のセールスポイントだから、ペガサス2と東京マルイSAA.45の魅力には重複するところがある。

 となると東京マルイのSAA.45は対象年齢10才以上、いわゆる10禁パワーのため、どうしても出番をペガサス2に譲りがちになってしまうのだ。もちろん東京マルイのSAA.45にはリアルサイズのカートによるライブカート式という、もう一つの最大のセールスポイントがあるのだが、実際に使うにあたっては、どうしてもパワー(飛距離)を優先してしまう。


 ところが最近、10禁パワーでの有効射程なら東京マルイのほうが最も当たることを実感してしまった。そこで近い距離で小さめのターゲットを正確に狙い撃つゲームには東京マルイのSAA.45を迷わず積極的に使っていこうと方針がハッキリ決まった。だから以前より東京マルイSAA.45の出番は増えるはず。こう考えたら、毎日自宅で常に手にして慣らす銃は、赤いマズルキャップを付けた東京マルイのSAA.45となったのだ。

 

私は自称“真のライブカート式エアガンファン”なので、買ったカート式エアガンは最低でもスペアカートを50発、写真のようにケースにビッシリ入る数を揃える。東京マルイSAAもすぐにスペアを50発(以上)購入した。カート式エアガンファンなら、こうでなくちゃ!

 

BURST-HEADオリジナル

 

 ここ数年で、私が企画や商品開発で協力したアイテムを一般流通販売で市場に出せるようになってきた。それはまず本誌アームズマガジンプロタクツのSAA用ホルスター「ネオ カウボーイ」シリーズや、ハートフォードとのコラボ商品のモデルガン、そして現在、発売に向けて企画進行中の“SAAバウンティハンターカービン”などだ。


 これらの他にも、私のトイガン業界の戦友でもあるボスゲリラ氏がオーナーのガンショップ「BURST-HEAD」が発売しているオリジナル製品で、私が企画や開発・テストで協力しているSAA用のアイテムが数点あるのだ。そして今、私がイチオシで東京マルイSAA.45と一緒にハマっているのがSAA用の“クイックホルスター”だ。クイックホルスター自体はBURST-HEADが5年ほど前から他のハンドガン用で発売している人気商品だが、SAA用には特別に他のハンドガン用にはない、エアガンならでは新機能「クイックリロード機能」が追加されており、これが東京マルイSAA.45の活躍の幅を広げてくれたのだ。
 このような訳で今回は私が愛用する東京マルイSAA.45と、私が協力しているBURST-HEADオリジナル商品をご紹介したい。

 

 トルネード吉田愛用の東京マルイSAA .45をご紹介 

 

私が愛用する東京マルイSAA.45には、すべて少しだけ手が加えられている。と言っても実射性能に不満はないので、外観を少し変えているくらいだ。それも製品バリエーションごとに異なる銃身長とグリップを、それぞれで交換して好きな組み合わせに付け替えているだけ。写真はSAA.45シリーズの最新モデル「キャバルリーカスタム」でグリップフレームが真鍮風の塗装なのが特徴だ。実銃の真鍮製のグリップフレームは、実はコルト純正モデルには存在せず、イタリア製西部劇“マカロニウエスタン”でプロップとして使われたイタリア製のレプリカSAAの特徴だ。大のマカロニファンでもある私は、よりマカロニプロップ風にするためにウッド調グリップはメダリオンなしの物へ交換し、2挺のうち1挺はマカロニで最も多く出てくる銃身長の5-1/2インチへ交換した。これで気分はジュリアーノ・ジェンマ!(マカロニウエスタンのスター俳優のひとり)

 

銃身長5-1/2インチのSAAと言えば、今年リメイク作品が新発売予定の大人気TVゲーム「メタルギア ソリッド」シリーズのオセロットだ。私はかつてオセロットのガンプレイシーンの一部のモーションキャプチャーなどでゲーム制作に協力した。東京マルイSAA.45もMGS3のオセロットの愛銃の劇中イメージに近づけるべく、グリップをメダリオンなしに交換。8月28日の『METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER』の新発売が楽しみだ

 

私はSAAの二挺拳銃使いを目指しており、見た目が派手に見えるシルバーのSAAの銃身長4-3/4インチモデル2挺を最も愛用している。美しいシルバーのSAAにはホワイトかブラックのグリップを合わせたい。そんな私の好みから写真のとおりブラックのハードラバー調グリップに交換した

 

この1挺は、私が自宅で常に手にしていじり、その感触を体に覚え込ませている銃だ。私は常々皆さんに「SAAはお箸と同じ。毎日使うことで自分の体の一部になる」とアドバイスしている。それを私自身がいま実践するための1挺がコレなのだ。この銃身長4-3/4インチのSAAのみ、部品の組み替えだけではないカスタマイズを施している。手を加えたところは4箇所。まずはウッド調グリップをいかにもSAAの2nd.ジェネレーションらしいメダリオン付きの物へ交換。加えてフロントサイトの高さを低くし、ハンマーをラウンドトップ仕様へ形状変更。さらに東京マルイSAA.45はハーフコックのかかりが少し浅い気がするので、ハンマーのハーフコックノッチをトリガーと深く噛み合うように少し削って調整した。ラウンドトップハンマーへの変更は、この後、所有するすべての東京マルイSAA.45にも施す予定だ

 

これが、私が棒ヤスリで削って形状変更したラウンドトップハンマーだ。私が愛用する2nd.ジェネレーションのSAAトイガンはすべてラウンドトップになっている。ラウンドトップハンマーとは実銃SAAの2nd.ジェネレーションの1959〜1972年の間に限定的に採用された上端が丸みを帯びたファストドロウ向け仕様のハンマーだ。抜き撃ちやファニングなどで使い勝手が大幅に向上する

 

東京マルイのSAA.45が誇るリボルバー式エアガンとして最高の命中精度を完全に活かせるように、すなわちより正確な照準ができるようにフロントサイトの高さを写真のようにフレームの上のラインに合わせてカットした(ヤスリで削った)。これで上下も正確に狙えるようになる

 

SAAでの狙い方の注意点。ふつう銃のオープンサイトは写真のように照準する。リアサイトの溝の高さにフロントサイトの頂点を合わせる。これが常識だ。だがこれだと東京マルイSAA.45の取り扱い説明書にもあるとおり、かなり下に着弾してしまう。リアサイトの溝に対してフロントサイトが高すぎるのだ

 

銃が最も劇的に進化した19世紀アメリカ西部開拓時代の銃に現代銃の常識は通用しない。SAAの場合、写真のように照準するのが正解だ。つまりリアサイトからフロントサイトを少し突出させるのだ。ただし、どれくらい突出させるかは銃によって微妙に異なり、この照準の感覚をつかむのには慣れが必要だ。だから手っ取り早くフロントサイトの高さをリアサイトに合わせて低くカットするカスタムが有効なのだ

 


 

 トルネード吉田協力 BURST-HEADオリジナル 

 東京マルイSAA.45対応のアイテムをご紹介 

 

トルネード吉田イチオシのNewアイテム

 

「クイックホルスター」は写真のとおりハンドガンをトリガーガードでロックする新しいタイプのホルスターだ。トリガーガードがホルスターのロックパーツに適合すれば、極端な話、銃をどんな形にしても携行できるのが特徴だ。だからドットサイトや各種レールマウントのアクセサリーを搭載するなどしてホルスターに入れられなくなった銃も携行できる。そして、その名のとおり素早く簡単に銃を着脱できる。この商品は元々別の銃のために開発され、現在ではデザートイーグルやベレッタ93Rなど、専用ホルスターがあまり売られていない銃のバージョンでも発売されている。これの最新商品がコルトSAA用だ。何とSAA用はBURST-HEADで発売したオリジナル商品で最も反響が大きいそうで、売り出したらファーストロットは即完売で、製造が追いつかないほどの人気なのだとか

 

SAA用ならではの新機能とは、何とショットシェル型マガジン(シェルマグ)を使って、SAAをホルスターにセットしたままBB弾をリロードできる機能だ。この斬新なアイデアには本当に驚いた

 

ホルスターはクリップでベルトにワンタッチで装着。角度も微調整できる。使うベルトの幅に合わせて調整できるスペーサーも付属。またベルトクリップを取り外し、BHIモールアダプターを使用することでMOLLEにも対応する

 

クイックホルスターから銃を抜くには、写真のように中指でロックパーツを銃の下方向へ少しスライドさせてロックを解除する。慣れれば瞬時にドロウできる

 

シェルマグを使ったリロード機能は、写真で分かるとおりクイックホルスターの下部をBB弾がぐるりと回り込んで給弾口から押し出されることで行なわれる

 

SAAのシリンダーはハンマーをハーフコックすることで回転がフリーになるが、シェルマグでのリロード機能は矢印の位置のチャンバーへBB弾を押し込む仕組みだ

 

このクイックホルスターは東京マルイSAA.45だけでなく、写真のようにロック部後方のアダプターを外すことでタナカのペガサスSAAにも対応する。なおマルシンのカート式SAAガスガンは残念ながら銃本体がリアルサイズではないため(ひとまわり小さいため)適合しない

 

 実銃志向の私は(少なくともハンドガンでは)エアガンの装弾数はリアルカウント主義。特別な理由や状況じゃない限りSAAには6発までしか装填しない。弾数の不足には携行する挺数を2挺、3挺と増やすことで対応してきた。たとえ6発以上連射できる機能がSAAにあっても「装弾数を体で憶えることだ」の教えを忠実に実践しているため、それを気安く使う気にはなれない。だがシューティングゲームによっては多くの弾数が必要で、単に携行挺数を増やすだけでは対応できない場合も多く、泣く泣く参加を見送り続けてきた。

 

 そんな私にとっての救世主が、このSAA用クイックホルスターなのだ。シェルマグを使ったリロード機能はトイガンならではのギミックだが、これなら私も積極的に使いたい。実は昨年末にボスゲリラ氏から試作品を渡されて、正月休みはずっとクイックホルスターのテストをしていた。というかメチャクチャ楽しくて、つい夢中になって遊び続けてしまったのだ。こうして身に付けたクイックホルスターでのクイックリロードは、まさにレボリューションだ!!

 

SAAをクイックホルスターへセットすると、こんな感じで携行できる

 

クイックホルスターでのリロードは、ハンマーをハーフコックにして、写真のようにシリンダーをカチカチと1回転させれば自動で行なわれる。ただしシリンダーを速く回しすぎると給弾が追い付かない場合があるので注意だ

 

空になったシェルマグを交換する場合はストッパーを後方へスライドさせる。するとシェルマグのロックが外れ、少し上にせり出す。そのためシェルマグの取り出しもスムーズに行なえる

 

シェルマグの入り口も広げられているので、シェルマグ自体も素早く再セットすることができる。なおシェルマグにはBB弾を30発まで装填可能なので、シェルマグ1個で5回のリロード操作が可能だ

 

 

ここからの連続写真は、銃を抜いてから撃ち終えて、リロード完了するまでだ。まずは待機姿勢

 

ホルスターのロックを外し素早くドロウする。慣れればロックの解除は一瞬で行なえる

 

両手保持にてSAAで狙い撃つ。ハンマー操作はサポートハンド(左手)の親指で行ない、素早く連射する

 

撃ち終えたら銃をホルスターへセット。トリガーガードを合わせてカチッと押し込むだけなので、慣れればリホルスターも一瞬でできる

 

ハンマーをハーフコックにしてシリンダーを回す。これでリロード完了。実際に私がイベントのシューティングでやってみたら、構えた位置からリロード完了して再び構えるまでの所要時間は何とわずか5秒ほどだった!

 

 

こちらは東京マルイSAA.45が発売された際に私が企画・監修した専用のカートホルダーだ。ノンルックで1〜6発の任意のカートを素早く取り外せる。カートは左右どちらからでも装填可能なアンビ仕様。ライブカートで素早くリロードしたい人には、このアイテムが断然オススメ

 

ファストリロードホルダーの装着例。写真のナイロン製ホルスターは私が企画・監修したアームズマガジンプロダクツの「ネオ カウボーイ」だ

 

アメリカ西部開拓時代の伝説の銃であり、究極のロマン銃のコルト“バントラインスペシャル”。この長銃身モデルを再現すべく、私が企画・監修で協力して発売されたのがこの10インチのアウターバレルだ。銃身左横には「COLT BUNTLINE SPECIAL .45」の刻印も再現。ドライバーと六角レンチで簡単に取り付けできる

 

コルト バントラインスペシャルのバレル長は主に12インチで知られているが、BURST-HEADのバントラインバレルを10インチ用に決めたのは傑作西部劇『トゥームストーン』に登場するワイアット・アープの愛銃のプロップを再現したかったからだ。発売後、私の愛銃は早速写真のようになった。そのグリップにはハートフォードが以前出した真鍮製のエンブレム(現在メーカー品切れ)を貼り付けて、より『トゥームストーン』のプロップに近いイメージにカスタムしてある

 

映画『エクスペンダブルズ』シリーズのシルベスター・スタローンの愛銃SAAをイメージしたガスポート付きの3.5インチショートバレルと、ノンフルートのアウターシリンダーのセット。3.5インチバレルは小型のエジェクター付き。私がイベント会場でこれを背中に携帯していると、皆さんから「カッコイイですね!」と言われる、とても楽しい商品だ

 

 

TEXT:トルネード吉田

BURST-HEAD商品のお問い合わせ先:https://www.burst-head.net/

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年6月号に掲載されたものです。

 

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