エアガン

2023/04/28

フィクションの銃を作る「“M36 サイバーディテクティヴカスタム”後編」

 

サイバーパンク探偵の護身用リボルバー

 

 

 こんにちは、結利晴信ゆうりはるのぶです! 本コーナーでは「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までを前後編に分けて詳しく解説していきます。

 

前回はこちら

 

 前回に引き続き「サイバーパンク探偵の護身用リボルバー」を作っていきましょう。

 

フレームとバレルを加工する

 

正面に貼る8mm幅/1mm厚ABS板に7mmの穴を開けます

 

コトブキヤの「マイナスモールド(7mm)」の中心に3mm穴を開けます

 

穴を開けたABS板を前回まで作ったバレルに接着して隙間をプラリペア(もしくはプラパテ)で埋め研磨・整形します

 

下の角を5×5mmで面取り切削

 

側面上部ベースバレルに一部被せるように0.5mm厚ABS板を片面貼ってΦ1.3mm穴開け→もう片面貼ってΦ1.3mm穴開け

 

各部を研磨してひとまずバレル完成!(・∀・)

 

シリンダーとカートを加工する

 

シリンダーにラスト1発を目視できるようにする印を棒ヤスリで彫って#400くらいのヤスリで仕上げます

 

コトブキヤの「マイナスモールド(6mm)」に5mm程カットしたΦ6mmABS棒を接着し、カート先端に差し込めるようにします

 

分解・洗浄・塗装準備

 

まずはベース銃を分解します。分解方法はネットで紹介されている情報を参考にしたり、自分でも工程を記録撮影しつつ行ないました。塗装するパーツ(バレル・フレーム・シリンダー・弾頭パーツ・インナーバレル)を中性洗剤で洗って油分を落とし、タオルで水気を取ってからよく乾かしましょう。完全に乾いたら塗装したくない部分をすべてマスキングして塗装準備完了です!(゚∀゚)

 

塗料一覧

 

  • 染めQテクノロジー「ミッチャクロンマルチ」
  • GUNショップ インディ「ブラックパーカー」
  • タミヤ「TS-100 ブライトガンメタル」
  • タミヤ「TS-47 クロームイエロー」
  • GSIクレオス「Mr.トップコート 水性プレミアムトップコート つや消し」

 

 

 

塗装工程

 

樹脂素材へのプライマー(素​​​​材との密着剤)として染めQテクノロジー「ミッチャクロン マルチ(20分乾燥)」を使用。薄く塗るのがコツです

 

カートの薬莢部分とインナーバレルの先端はバーチウッド「ブラスブラック」で黒染めします。平筆で液をつけ → 黒く変色してからティッシュで拭き取り、好みの濃さになるまで繰り返しましょう

 

バレル・フレーム・シリンダーをGUNショップインディ「ブラックパーカー(30分乾燥)」、弾頭先端パーツはタミヤ「TS-100ブライトガンメタル(1時間乾燥)」。黒染めしたカートは薬莢の黄ライン以外をすべてマスキングしてタミヤ「TS-47 クロームイエロー(1時間乾燥)」で塗装

 

シリンダーの残弾インジケーター部分をポスカ白で塗った後にGSIクレオス「ガンダムマーカー ガンダムレッド」 で着色します

 

塗装パーツが完全に乾いたら、各部にゼノバース2307「A5サイズ・ステッカーシート140枚入り【下地透明・強粘着】グレー」を貼ります。いろんなものを気軽にSF風に仕上げられる便利なステッカーです(´ω`)
ゼノシオンECサイトはこちら:https://zeno.booth.pm/

 

ステッカーを貼った各パーツの仕上げにGSIクレオス「Mr.トップコート 水性プレミアムトップコート つや消し(1時間乾燥)」でパーツ全体をコーティングし、質感を統一させます。乾燥後、バレル正面にダミーレーザーのレンズ(Φ3mmネイルストーン/クリアレッド)を接着し、先月号の分解と同じくネットと記録撮影写真を参考に銃全体を組み立てれば完成です

 

完成!!

 

 

シリンダーから覗く弾頭を見て楽しめるのもリボルバーの醍醐味といえるものだ。特殊弾の位置はシリンダーに備わったインジケーターによって確認できるが、S&Wは反時計回りにシリンダーが回転するといった知識を持ち合わせているとより確実に切り札を扱えることだろう

 

マズル側から見るとエッジの効いたバレルデザインに思わず見とれてしまう。インナーバレルを黒染めしていることでリアリティが増しており、小振りながら迫力のある仕上がりとなっている

 

リボルバーのシリンダーには特殊弾薬の位置を示す赤色のインジケーターが備わっている。バレルやボディには様々な情報を読み取れるコードステッカーが貼られ存在感を放つ。私立探偵が所持する銃は法的にも認められたものである必要があり、正当防衛による使用であっても責任が伴う。これらのコードは銃の適正使用を警察に証明するためのものでもあるのだ

 

グリップには生体情報によってユーザー認証を行なうセーフティ機能があり、未認証ユーザーが銃を手にしても発砲できないという想定にした。銃の状態を知らせるインジケーターランプが緑色に発光している場合は発砲可能状態、赤色はトリガーロック、黄色はエラー状態を示している。探偵が自分の銃で撃たれるというのは間が抜けている話だ。当然の備えともいえるものだろう

 

 というわけで“M36 サイバーディテクティヴカスタム”完成です。マルシンのXカートM36をベースに「サイバーパンク探偵の護身用リボルバー」にアレンジしてみました。こんな風に明確なイメージと結び付けて製作すると工夫次第でとても存在感のあるオンリーワンなカスタムガンを作ることができます。もしお家に使わずに眠っているエアガンがあれば、ちょっと想像力を広げてあなただけの「空想銃」を作ってみてはいかがでしょう?(*´ω`)

 

 

 本作品はYuriCustom WorksのHPでもストーリー設定付きで詳しく紹介しています。よろしければご覧ください。

 

作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年6月号に掲載されたものです。

 

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