装備

2024/12/21

アメリカ陸軍の退役軍人が創設したフィットネス・アパレルブランド「OVROUT」

 

いま注目のギアをピックアップ!「TACTICAL GEAR PICKUP」

 

 

 このコーナーは国内外で注目されているタクティカルギアや、まだ知られていないかっこいいミリタリーアイテムを紹介する。

 

 


 

挫折の壁を超えることをテーマにした退役軍人アパレルブランド「OVROUT」

 

 

 OVROUTは、2018年8月にアメリカ陸軍の退役軍人が創設したフィットネス・アパレルブランドだ。他の退役軍人ブランドと異なり、退役軍人に限らず国に奉仕する人たちや、人生に挫折し、そこから立ち直った人たちも愛用。これは、過酷な環境下で活動する中で疲弊し、挫折した経験を持つ人たちがOVROUTのブランドテーマに共感していることの表れであろう。このブランドを紹介するにあたっては、オーナーであるアンドリューの協力のもとに記事を書かせていただいた。

 

 

ブランドネーム「OVROUT」とは?

 

 「OVR」=邪魔な障害物を乗り越え、「OUT」=外へ出る(脱出する)という意味です。それはフィットネス・アパレルブランドであり、ライフスタイルであり、それ以上のもの、つまり生き方を表しているのです。ブランドは私の人生の物語そのものです。2018年にOVROUTを設立しましたが、アルコール依存症の克服、軍隊での奉仕、失敗、挫折、それらほぼすべてに終止符を打ったという私の人生経験を活かしました。苦難と絶望がありましたが、私はまだ立っています。そしてあなたにもそれができることを知ってほしいです。あなたの人生も苦難や絶望があると思うからです。

 

 人生は常に私たちに試練を与えます。それに私たちがどのように反応するかであり、それが私たちを壊すかどうかが本当に重要です。私は、一緒に国に奉仕をしていた人の死をきっかけにOVROUTは他の退役軍人アパレルブランド以上のものにしたいと決心しました。それは、諦めたり屈服したりしそうな時にインスピレーションを与え、モチベーションを与え、克服し前進させてくれるブランドを意味します。

 

 

 

アメリカ軍に所属していた時の話を教えてください

 

 2011年に私は、アメリカ海軍の特殊戦コマンドと契約して海軍に入隊するつもりでしたが、担当官から「視力免除が受けられないので、特殊部隊以外で入隊してほしい」と言われた。正直、ふざけるなって思いました。それで陸軍に入隊し、第10山岳師団(10th Mountain Division)で1年ちょっと過ごした後、Special Forces Assessment and Selection(SFAS=特殊部隊評価判定)に参加して合格し、アメリカ陸軍特殊部隊を志願しました。SFASの枠を得るために何カ月もかかり、かろうじて合格したと感じたし、自分がそこにいることが信じられないような感じもありました。長年の努力の集大成がこの結果に繋がったという感じだったのです。

 

第10山岳師団は、ニューヨーク州フォートドラムを拠点とするアメリカ陸軍の精鋭軽歩兵師団である。米軍で唯一、山岳地帯での戦闘に特化した訓練を受けた部隊としてアフガニスタン山岳部に派兵された経験もある、近年では、イラクとシリアで現地軍へ助言と支援を行なっている(PHOTO:DOD)

 

 それから1年間、メディカル・プロファイル(軍務における様々な役割に対する個人の医学的適合性を示すために利用する数値システム)を受けたものの、医療保留状態になってしまいました。そしてほぼ1年後、私は回復し、特殊部隊の資格取得コースに向かいました。空挺学校、いくつかの資格取得、昇進のための下士官コース、そしてコースのフェーズ1が終わりに近づいた時、私は家庭の事情で退役することになってしまいました。原因が自分自身ではありませんでしたが、私は自分を壊しそうになりました。しかし、ありがたいことに、私の素晴らしい友人アーロンが、光を与えてくれました。「ありがとう、アーロン」とここで言わせてください。

 

SFASは陸軍のもっとも過酷な選抜プログラムの一つである。アメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレーに課せられる過酷な任務において、隊員は技能を最大限発揮する必要があるからだ。そのためグリーンベレーの志願者は19日間のSFASコースを無事に修了し、次のステップであるSFQC(特殊部隊資格コース)の要件を満たさなければならない(PHOTO:DOD)

 

 

アメリカ軍を退役後はどうしたのですか?

 

 軍隊を退役した後、私は教育と家族のための生き方を築く次なる人生の旅に乗り出しました。そしてある夜、テーブルで作業している中でOVROUTは誕生しました。時間の経過とともに、ブランドの美しさ、製品ライン、サービスは進化していきました。ただし、変わらないことがひとつあります。それは「OVR」して「OUT」する(壁を乗り越える)道を探すことです。そして、それを全うするために私はストイックに生きなければなりませんでした。実は2023年に私は事業を廃業するところでしたが、踏みとどまりました。今は廃業しなかったことを本当に嬉しく思います。

 

 

何が転機になった?

 

 廃業を考えた時期に私は再びジムを通い始め、それが正気と健康を回復する道へと導いてくれました。以前、軍で国への奉仕に向けて体調を整えていた時も、それが精神的・経済的に暗い場所にいた私を救ってくれました。そうした経験から、2023年初頭にフィットネス事業に軸足を移すことにしたのです。結果的にそれは理にかなってたため、久しぶりに私は本当の自分でいられるようになりました。

 

 

今後の展開は?

 

 現在、OVROUTはトレーニングショーツ、パーカーとシャツ、帽子、サプリメントを提供しているほか、いくつかのジム、葉巻ブランド、執筆家、非営利団体にアパレルも提供しています。今後もそれは継続しつつ、ブランドの理念を広めていけたらと思います。

 

 

読者にメッセージをお願いします

 

 この記事を読んでいる人にとって重要なことは、人生に打ちのめされた時、立ち止まって自分の心に耳を傾けることです。立ち止まって耳を傾け、不安に感じることを、心の奥底で正しいと思っていることに転換しましょう。そしてそれを信じて突き進めばいいのです。信念を持って、信頼し、飛躍してください。私はブランドを通して希望を持ち、目標を突破し、それを現実にするというメッセージを広めてきました。そして、それは多くの共感を呼びました。あなたも自分を信じてOVROUTしていきましょう!

 

 


 

OVROUT PRODUCT

 

 アメリカの退役軍人が創設したブランドというと、その輝かしい戦歴やキャリアから生み出されたアイテムをイメージするだろう。しかし、OVROUTというブランドは人生における挑戦と挫折、そこからの再起をテーマにしているのである。

 

 

 Multicam Training Shorts 

 

 OVROUTは、タクティカルアパレルブランドとしては珍しく、ジムで使えるスポーツショーツに力を入れている。ランニングやトレーニングショーツは男性用と女性用が用意され、豊富なカラーバリエーションの中でも「Multicam Training Shorts」は人気のあるアイテムである。

 

 

UPF50+プロテクションで通気性と速乾性に優れた4ウェイ・ストレッチの吸汗速乾性マイクロ素材を使用し、快適な着用感が得られる。男性用は、股下が2.5インチ(6.35センチ)で、伸縮性のあるウエストバンドは平紐付きでサイズ調整可能。メッシュサイドポケットを装備しており、トレーニング時の小物入れに適している

 

OVROUTの赤い空挺ベレーを被ったスカルがいい感じのアクセントになっている

 

 

 RWB Short sleeve t-shirt 

 

通気性、柔軟性、耐久性に優れたコットン、ナイロン、レーヨンの混紡素材を使用。ソフトな肌触りが特徴。トレーニング時だけでなく、普段着としても最適

 

 チームジャパン 

 

日本にも顧客を持つOVROUTが、日本のファンに対して感謝を込めたアイテムとして発売。シンプルなデザインながら耐久性など同社らしいこだわりを込めた1着だ

 

 

OVROUTのトップスはロングTシャツやスエットもラインアップされており、特にプルオーバーパーカーは人気アイテムだ。コットンとポリエステル混合の耐久性のあるボディを使用しているため、タクティカルトレーニングなどの激しい動きにも対応し、日常の防寒着としても着用可能。写真のダッフルバッグもOVROUTの製品だ

 

 

OVROUTは退役軍人が経営するメーカーとコラボレーション商品も発売している。写真のモデルは元グリーンベレー隊員が経営するタクティカルギアメーカーEx Umbris Designsとのコラボレーションモデルだ。従軍経験を反映した高品質な製品をリーズナブルな価格で現役隊員、法執行機関、および民間の銃愛好家に供給している

 

アパレルだけでなく、バッグ、スマホケースなどのアクセサリー、さらに新製品としてトレーニング効果を高めるサプリメントも開発している。OVROUTは、自分の限界を超えることを目標に、夢を持つ人たちが集い、成功に向かって前進している。ぜひ一度、同社HPをご覧になっていただきたい

 

OVEROUT

www.ovrout.com

 

 

TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)
SPECIAL THANKS:OVROUT

 

この記事は月刊アームズマガジン2025年1月号に掲載されたものです。

 

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