装備

2024/10/20

アメリカ海軍特殊部隊のオペレーターが創設したプロフェッショナル向けタクティカルグループカンパニー「GBRS GROUP」とは

 

アメリカ海軍Tier1オペレーターが創設した

プロフェッショナル向けタクティカルグループカンパニー「GBRS GROUP」

 

 

 GBRS Groupは、アメリカ軍のTier1(階層構造の第1層=最上位階層)であるアメリカ海軍特殊部隊The Naval Special Warfare Development Group (NSWDG)に所属していたオペレーターが経営する、プロフェッショナル向けのトレーニングや各種サービスを提供する企業である。彼らの目標は、絶え間なく優位性を求めることで、人生のあらゆる局面において精神と肉体が最高のパフォーマンスを発揮することにある。

 


 

About GBRS GROUP

 

 

 GBRS GROUPは、2019年9月に退役軍人によって創設されたタクティカルトレーニングおよびサービス会社である。創立メンバーが、SMU(特殊任務部隊)の退役軍人のみで構成され、創立者たちは合わせて34年以上の特殊任務経験がある。さらに所属インストラクターとそれを支えるネットワークは、各軍の特殊任務部隊を退役したオペレーターから選抜されている個性的な組織だ。

 

 

 GBRS GROUPは、軍、連邦、州、地方の特殊作戦部隊オペレーターに高度なスキルと実戦経験を伝授することに尽力している。さらに最高水準の優位性を維持することに執念を燃やしており、GBRS GROUP内における各分野のエキスパートたちがそれを支えている。その内容は、一つ目が現役時代の経験からフィードバックしたタクティカルギアの供給、二つ目はメンタルヘルスの重要性に着目したソフト・グッズ・ラインの展開である。毎日1%の向上を目的とした活動の補助、Tier1オペレーターから障害を持つ退役軍人のトレーニング、専門的に考案されたフィットネスプログラム、そしてプライベートコンテンツ、トレーニングビデオ、質疑応答、毎月のライブストリームを投稿するパトロン購読サービスなどである。ハード面であるタクティカルギアの供給だけでなく、ソフト面であるタクティカルトレーニングやフィットネス、マインドセットにまで及ぶのは、戦場だけでなく、人生のあらゆる局面で最高のパフォーマンスを発揮できるようにするためである。

 

 

GBRS GROUPを創った男達

 

COLE FACKLER

 

 

 バージニア州ハンプトン・ローズ出身のコールは、幼少期からアスリートとしての才能を発揮した。アメリカ同時多発テロの翌年となる2002年に高校を卒業後、アメリカ海軍に入隊し、BUD/S(水中爆破/特殊部隊の基本訓練)を受けて、アメリカ海軍特殊部隊(SEAL TEAM 10とNSW DEVELOPMENT GROUP)に所属。17年間勤務し、度重なる過酷な任務の最中に負傷し、2020年に退役した。その後、コールはGBRSグループを共同設立し、現在は最高経営責任者も務めている。私生活では良き夫であり、4児の父の顔を持つ。

 

DJ SHIPLEY

 

 

 DJはバージニア州バージニアビーチ郊外で育った。アメリカ海軍に勤務していた両親の影響もあってか17歳で高校卒業後アメリカ海軍に入隊。BUD/Sを受けてアメリカ海軍特殊部隊(SEAL TEAM 10とNSW DEVELOPMENT GROUP)に所属。彼もまた17年間の勤務において、戦闘や訓練中の負傷が原因で2019年に退役した。退役後、コールとともにGBRSグループを設立し、現在はチーフ・トレーニング・オフィサーも務める。私生活では、良き夫で2人の娘の自慢の父親である。

 

 

GEAR

 

 

 GBRS GROUPは、スタッフたちの現役時代の経験を生かした光学機器アクセサリーや装備品の開発・販売を行なっている。いずれもが過酷な環境下で任務を遂行するオペレーターたちを満足させる製品である。

 

Hydra Mount Kit

 

 

 特許を取得したユニークなデザインを持つハイドラマウントは、光学機器のセンターまでの高さを2.91インチとすることで、ヘッドセットやガスマスクを着用した際、ストックに干渉することなく迅速なサイティングを実現。光学機器の前方にウェポンライトやレーザーエイミングデバイスなどのアクセサリーが直接装着できるピカティニーレール仕様のマウントベースが設けられている。画像のようなMP7A1のようなトップレールのスペースが限られているモデルでも各種アクセサリーをストレスなく装着できる。エイムポイントT2用とEOTECH用がある。

 

Lerna Mount Kit

 

 

 スタンドアローンタイプのレルナマウントキットは、ハイドラマウントと同様、光学機器のセンターまでの高さが2.91インチのウルトラハイマウントだ。この高さに設定することで、視野を広く保てて素早い状況認識が可能になる、いわゆる「ヘッドアップ」スタイルと呼ばれる射撃姿勢をとりやすくなる。エイムポイントT2用、EOTECH用、トリジコンMRO用がある。

 

GBRS x Spectre CR-1 Valkyrie Cheek Riser

 

 

 バルキリーチークライザーは、CTRやMOEマグプルストックと組み合わせて使用する。高さは3種類あり、好みにあわせて選べる。全長を短く設定することで、バットストックを完全に縮めた状態でもチャージングハンドルが操作できる。

 

 

Second Best Sling

 

 

 プルタブを前後させることで長さが調整できるツーポイントタイプの「SBS」(セカンド・ベスト・スリング)は、ネックパッドにしなやかなTweaveのデュラテック4ウェイストレッチ素材を使用することで首周りのフィット感を向上させた軽量なミニマリストスリングだ。長さ4インチのプルタブは中央部分の縫い目を取ることでキーリングなどを装着してサムループ仕様にすることができる。

 

BELT KIT

 

 GBRS GROUPはファーストラインと呼ばれるベルトキットを構成するベルト、マガジンポーチ、ファーストエイドポーチを独自のコンセプトで開発。いずれもオペレーターの装備の基本であるベルトキットに対する重要性を認識した製品となっている。

 

Assaulter Belt System V3

 


 アサルターベルトはボトムに通して使用する軽量で柔軟性のあるインナーベルトと、一定の強度要件を満たしたDリングと1.75インチのコブラバックルが付属したアウターベルトで構成された2ベルトシステムになっている。最大の特徴は、一般的な2ベルトシステムはアウターベルト内側がオス(フック)、インナーベルト表側がメス(ループ)となっているが、このベルトはアウターベルト側はメス、インナーベルト側がオスとなっている。これは、特に摩耗の多い部分(ベルトライン)では、オス側を体に向けて着用してはならないというコンセプトからだ。

 

IFAS Individual First Aid System Pouch

 


 IFAS個人用ファーストエイドシステムポーチは、スコードロンラミネート素材のフラップには止血帯ホルダーが保持できるエラスティックバンドが付属。ポーチ本体は各種メディカルキットの収納に適した伸縮素材が使用されており、軽量かつ迅速な展開が可能だ。

 

Double Pistol Magazine Pouch/Single Rifle Magazine Pouch

 


 GBRS GROUPのマガジンポーチは、スコードロンラミネートと厚手のエラスティック素材の組み合わせにより優れた保持力とスムーズな抜き差しを両立させている。ハンドガン用はほとんどのダブルスタックマガジンに、ライフル用はARをはじめとした標準口径のマガジンに適合する。脱落防止用のバンジーコードを追加可能なモデルもある。

 

Modular Chest Rig Kit

 

 

 最新のタクティカルエンジニアリングを駆使して設計されたモジュラーチェストリグキット(M.C.R.)は、ユニークな発想から生まれた薄型でミニマル、かつ汎用性の高いベースリグだ。テグリスとスコードロンラミネートで構成されたジョイントパーツ単体では運用できないが、キットに付属するブリッジ、「I」ジョイント、「W」ジョイントをもとにダブルピストルマガジンポーチやシングルライフルマガジンポーチを自由に組み合わせることで運用可能となる、ジョイントパーツのマウントポイントは8レイヤーテグリスで強化されており、スコードロンB52生地と組み合わせることで、軽量化と高い適応性を両立させている。

 


 GBRS GROUPはトレーニング事業のみだけでなく装備、メンタルヘルス分野にも力を入れており、彼らが掲げる目標に向けて躍進している。今後の彼らの活躍が楽しみである。

 

 

TEXT:Ghost(Ghost in the Dark)  

PHOTO:GBRS GROUP  
SPECIAL THANKS:GBRS GROUP / MILITIVE(GBRS GROUP日本総代理店)

 

この記事は月刊アームズマガジン2024年11月号に掲載されたものです。

 

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