2024/05/18
【実銃】HERA ARMSが誇るドイツらしい高品位なAR「SRB16 & 7SIX2」【中編】
HERA ARMS
SRB16 & 7SIX2
ARクローンが市場に溢れている今、それぞれの製品から特徴を見出すことは難しい。そんな中、ドイツのHERAアームズはかなり個性的でエレガントな製品を展開している。外観だけでなく、製品品質や加工精度も極めて高く、注目に値する存在だ。
SRBと7SIX2
ここでご紹介しているHERA ARMSのロアレシーバーをご覧いただきたい。
マガジンハウジング部にファンネルマグウェル加工がなされ、そのままの幅でトリガーガードに繋がるデザインだ。そのマガジンハウジングの前後には独特のチェッカリング加工が施されている。
セレクターの操作角度は45°。ピストルグリップはグラスファイバーで強度のあるオリジナルで、もちろんドイツ製だ。握った感触からシャープな感触が伝わる。
アッパーレシーバーも直線を組み合わせたデザインで、5.56mmモデルのボルトフォワードアシストボタンの周りはケースディフレクターと一体のデザインだ。これらの多くはレシーバー全体の強度を確保するためのデザインでもある。
アクセサリーメーカーから始まっただけあり、レシーバーだけでなくハンドガードもストックも多くのパーツがHERAアームズの自社製品で構成されている。但し、すべてが自社製ではなく、.223口径のボルトなどは社外品だ。
一頃流行ったガスピストン方式ではなく、ダイレクトガスインピンジメント方式を採用している。両方式には一長一短があり、どちらを選ぶかはメーカーの判断だ。過酷な環境で長期間クリーニングなしで使用するなら、汚れに強いガスピストン方式が有利だが、普通の環境で使用するスポーツ用ARであるなら、ダイレクトガスインピンジメント方式の方が高い射撃精度を出せる。
HERAアームズがこちらを選んだ理由は不明だが、そういった部分も考慮しているのではないだろうか。
今回ご紹介するモデルの口径.223Rem仕様は、HERA SRB(Special Rifle Build:スペシャルライフルビルド)。それをヨージ氏が微調整してカスタムを施した特別仕様だ。それに加えて今回は.308Winモデルも撮影させて頂いた。HERA 7SIX2 AR10だ。
口径に併せた一廻り大きいレシーバー。手に取ると明らかに重い。SRBに800gプラスだ。モデル名のSIXを数字にすれば“762”となる。
7SIX2はオリジナルAR-10と同様、フォアードアシストはない。こちらはカスタムではなくHERAアームズ製品のままだ。多くの市販型.308 ARは、アサルトライフルと言うよりセミオートのターゲットライフルという位置付けで、トリガーも最初からマッチトリガーが組み込まれていることも多い。
HERA 7SIX2も同様だ。あとはユーザーが好みの味付けをしていって楽しめるようになっている。
Photo&Text:Tomonari SAKURAI
撮影協力 : Farkas Arms Kft./József Farkas GIS Technologies
この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2022年3月号に掲載されたものです
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