ミリタリー

2023/12/01

個性的な装備が集まるマレーシア軍のパレード「Hari Merdeka マレーシア独立記念ナショナルパレード」取材レポート

 

多彩な装備が集まったマレーシア軍のパレード

 

 ASEAN諸国の中でも、比較的高い軍事力を有するマレーシア。装備については国産もしくは他国との共同開発兵器もあるが、ほとんどは海外からの輸入兵器で占められている。しかも、小火器はドイツやチェコ、戦車はポーランド、戦闘機はロシア……といった具合に、非常に個性的なラインアップで、世界からも注目されている。ここではマレーシアの独立記念日に開催された、ナショナルパレードに参加したマレーシア軍の兵士たちと彼らの装備を撮影してきたので、ご紹介していこう。

 

全身ギリースーツでバレットREC-10セミオート狙撃銃(7.62mm×51)を抱え、物々しい姿にて行進をするのは、マレーシア陸軍特殊部隊GGK(Grup Gerak Khas)。正式な部隊名は、「21st Special Service Group」で、緑と青地の上に描かれた虎と剣が部隊のトレードマーク。緑色のベレー帽をかぶっているのが特徴だ

 

毎年開催される
マレーシア独立記念ナショナルパレード

 

 東南アジアの国、マレーシア――。
 この国は、マレー半島南部およびボルネオ島北部からなる連邦立憲君主制の独立国家だ。毎年8月31日には、マレーシア全土で独立を祝う式典が行なわれる。一番規模が大きいものは、首都クアラルンプールから約25km離れた場所にあるプトラジャヤで行なわれるナショナルパレードだ。このパレードはかつて首都クアラルンプールで行なわれてきたが、国家の発展に伴い交通渋滞や人口過密の影響から開催が難しくなっていた。一時期は、クアラルンプールとプトラジャヤで交互に開催されていたが、現在は、プトラジャヤのみでの開催に落ち着いた。
 独立国家としてのマレーシアは、1957年8月31日にイギリスからマラヤ連邦が独立したことからはじまった。マラヤ連邦は1963年9月16日にマレーシアとなるが、マレーシア政府は植民地支配からの独立を果たしたマラヤ連邦独立の日を独立記念日(Hari Merdeka)と定めている。

 独立記念パレードは陸海空軍、警察、消防、沿岸警備隊、民間企業、ボランティア団体など、実に多くの組織が行進する。メインとなるのは、陸海空軍による軍事パレードであり、これを目当てにマレーシア中の人々が集まる。

 

マレーシア陸軍の各部隊による行進。中央の兵士は一般的な歩兵部隊の隊員と思われるが、ヘルメットに暗視装置を付け、モスバーグM590ショットガンを装備。後方にはSIG SG553アサルトライフルを装備している兵士も見られる

 

第10空挺旅団の後方支援部隊。彼らが乗るのはイギリス空挺部隊も使用しているスパキャットATMP6×6。汎用型の水陸両用車であり、かなり使い勝手のいい車輌であるようだ

 

パラシュート型の部隊章を付けたエンジ色のベレー帽が第10空挺旅団。肩に担いでいるのは84mm無反動砲カールグスタフM3

 

 

精鋭が集うマレーシア軍の実力とは?

 

 マレーシアは、東南アジアにおける屈指の軍隊を組織している。正規軍は陸軍8万、海軍1.8万、空軍1.5万人という陣容だ。完全な志願制で徴兵制度は導入していないが、予備役制度は採り入れている。独立記念日パレードでは、陸軍を中心に、海軍や空軍の兵士、車輌が行進。各種航空機によるフライパスも行なわれる。

 

赤やオレンジ色などをちりばめた独特なカラーリングの迷彩服を着ているのはマレーシア消防。機動力を高めるため、バイクも多数配備している。車種はカワサキVERSYS

 

マレーシア憲兵隊は、小銃を構えた隊員の他、警備犬なども行進。最後には配備する各車輌が続く。写真はホンダ・シビックをベースとした憲兵用パトカー

 

マレーシア陸軍近代化の証ともなっているAV-8 Gempita。装甲車のファミリー化を果たしており、様々な派生型がある。写真は南アフリカのデネルが開発製造しているLCT30(30mm機関砲)を搭載したバージョンで、AFV30と呼ばれる

 

マレーシア空軍の主力戦闘機Su-30MKM。ロシアのスホーイが製造しているSu-30のマレーシアバージョンで、18機を配備。同空軍ではこの他、ボーイングF/A-18Dホーネットを8機とBAEホークMk.208を13機配備している

 

 月刊アームズマガジン2024年1月号ではこのパレードに参加した部隊を数多くご紹介している。マレーシア陸軍特殊部隊、GGK(Grup Gerak Khas)をはじめとした注目の部隊の姿も捉えているので、興味がある方はぜひ誌面をご一読いただければ幸いだ。

 

▼もっと写真を見たい方は月刊誌をチェック!!

 

Text & Photos : 菊池雅之

 


 

 Arms MAGAZINE WEBでは気になるエアガン&サバゲー情報を毎日発信中!! 気になる方は公式X(Twitter)を要チェック♪

 

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×