2023/11/22
アメリカの航空機が大集結!!「ミラマーエアショー」取材レポート
“アメリカのエアショー、ここにあり”
『トップガン』の舞台で行なわれた至高のエアショー
9月22日から24日まで、カリフォルニア州のサンディエゴからほど近い位置にある米海兵隊の航空基地ミラマーにおいてエアショーが開催された。初日こそ曇り空と小雨に見舞われたミラマーだったが、土曜日と日曜日は快晴に恵まれたこともあり非常に多くの来場者で賑わった。まだ公式発表はないものの、入場者数は3日間で30万人を超えるのではないかとも言われている。
今回のコンセプトは「Home of America’s Airshow」つまり、“このショーこそがアメリカのエアショーだ”と自信満々に自負しているのである。このあたりは流石アメリカといった感じか。その一方で、これだけ豪語するのに相応しい内容であったこともまた確かだ。
飛ばずとも魅了してくれる航空機たち
まず地上展示機だが、陸・海・空・海兵隊が現役で運用している航空機をはじめとして、普段はあまり公開されないNASAのF-18や、イギリス空軍のA-400輸送機など、外来ゲストも多かった。また、第二次大戦時に飛んでいた航空機や、地元警察のヘリコプターなど、会場を埋め尽くす程の展示機が揃った。さらには、米軍や警察が使用する特殊車輌なども航空機の合間を縫うように展示され、その脇には広報と募集のブースが設けられていたのは日本と同じスタイルである。また説明を聞いたり、書類にサインすればオリジナルのグッズがもらえる点も見逃せない。
日本のエアショーでは航空自衛隊などが有料席の販売が行なわれているが、それらは大体が専用スペースと折りたたみ椅子が用意されて1万円ほどの金額だ。一方ミラマーエアショーでは、様々な有料席が準備されていた。最も安いシートが30ドル程度で、こちらはスタンドシートだったり、その前面のボックスシートが用意されている。これらの席は比較的低料金であるため利用しやすい。その一方で、日陰のスペースがないため、暑さ対策は必須である。そして70ドルほどする有料席は、水が飲み放題である一方、食事などは有料であった。普通サイズのホットドッグが10ドル(当時のレートで約1400円)もするため、場合によっては躊躇してしまうだろう。最も高額なシートは300ドルほどだ。ここでは朝食やランチ、午後のティータイム用の軽食まで準備され、なおかつソフトドリンク飲み放題や簡易バーでの無料アルコール提供など、至れり尽くせりである。せっかくのイベントなので、ここは惜しまず高額チケットを買うべきであろう。当日券の販売もあるが、こちらは即売り切れる場合があるため、事前に公式サイトからチケットを確保しておく必要がある。きっと価格に見合う充分なサービスが受けられるだろう。
アメリカなればこそのエアショー
なお、肝心のエアショーの方はというと、どれも素晴らしい演目であった。日本では見られないような低空飛行や、フォーメイションテイクオフ、ハイスピードローパスはまさにその名の通りで、こんなにも低く飛んでくれるのかと感動するほどだ。特に海兵隊が主役となるMAGTFデモは非常に見応えがある。戦闘機が矢継ぎ早にハイスピードローパスを行ない、それに合わせてミラマーのEODがディーゼル燃料をTNTで爆破させるのだ。これぞアメリカといった雰囲気を存分に味わえる。また、MAGTFデモが終わると、海兵たちが観客席の前まで訪れ、観客とハイタッチするサービス付きである。海兵好きにはたまらない瞬間である。
カリフォルニアの空にブルーエンジェルスの勇姿を見た!
とはいえ、今回はエアショーがメインである。つまり、ショーの大トリは海軍のブルーエンジェルスとなる。空軍のサンダーバーズと技を競い合っているブルーエンジェルスだが、その圧倒的なパフォーマンスは観るものを釘付けにする。実は土曜日の午後に、基地の近くで野火が発生したため、いくつかのパフォーマーのフライトがキャンセルされた。しかし皆が楽しみにしているブルーエンジェルスだけはどうしても外せない。地元消防が懸命に消火にあたり、管制塔からGOサインが出ると会場は一気に盛り上がりを見せた。いくつかの演技を終えた時、ブルーエンジェルスは上空でホールディングを開始。どうやら、今度は別の場所で野火が発生したようである。およそ20分ほど待機したブルーエンジェルスは、押したスケジュールを取り戻すかのように演技を再開。フォーメーションの間隔と同じくらいタイトなタイムスケジュールで次々と演技をこなしていったのである。これには来場者も大盛り上がりで、演技終了時には会場は大きな拍手に包まれた。
祭りの後に……
かくも盛大に行なわれたミラマーエアショーだったが、我々日本人からすると円安の影響で、渡米するだけでもハードルは高い。一方で、行けばそんな不安は吹っ飛んでしまうくらい満足度の高いエアショーであった。ただひとつ恐ろしいのは、帰国後のクレジットカードの請求である。
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Text & Photos:武若雅哉
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