装備

2023/05/09

アメリカ警察&法執行機関の装備が大集結!!「#SWATDAY」装備解説

 

#SWATDAY

 

 先日開催されたイベント「S.W.A.T シーズン1」ではこだわりの装備を持つ強者たちが集結した。今回は参加者の方にご協力いただき、SWATをはじめとしたLE装備の魅力を解説しよう。

 

イベントレポートはこちら

 

 

LAPD SWAT

 

 1960年代、アメリカの犯罪件数は急速に上昇し、暴動、銃撃、乱射などの凶悪事件が相次いだ。当時、警察には危機的状況に対応できる組織が存在せず、ジョン・ネルソン刑事とダリル・F・ゲイツ警視による発案によって、1967年、ロサンゼルス市警内にSWATが組織された。1983年にはドイツのGSG-9、フランスのGIGN、イギリスのSASといった欧州の特殊部隊でノウハウを吸収し、多くの人質事件、危険度の高い逮捕任務を遂行し続けている。LAPD SWATを題材とした海外ドラマ『S.W.A.T.』は日本でも人気であり、今回のイベントではその装備を参考にしたサバゲーマーが多く見られた。

 

 

 メインとなるプレートキャリアはFirst Spear製のSiege-R Optimizedで、ヘルメットはOPS-CORE製のFAST バリスティックタイプ、アイウェアはWiley X製といったようにドラマの装備を参照したサバゲーマーが多く、そこにボディカメラ、PTTスイッチを着装することで再現度を高めている。銃器はHK416を使用。各々が使いやすいようにセットアップしているが、市街地戦を意識しているため、誰もが近中距離仕様なのが興味深い。今回参加した人の装備はどれも本格的であり、装備の参考になること間違いなしだ。

 

 

SWATの任務は凶悪犯の対応が主であり、戦闘はいずれも極めて短期間になることが多い。そのため迅速に行動できるようにマガジンの携行は少なく、すぐに装備が着脱できるクイックリリース機構を備えたプレートキャリアを使用しているのが特徴的だ。ちなみに背面には凶悪犯を拘束するためのハンドカフを携行している。ホルスターは法執行機関で使用しているSLSホルスターなどセキュリティレベルの高いモデルを使用している

 

ヘルメットにはPrince Tec製のCharge-MPLS HELMET LIGHTらしきライト。建物に立て篭もる犯人を制圧するSWATには欠かせない装備の1つだ

 

SWATは間近で犯人との戦闘も想定されており、マガジンチェンジは一分一秒を争う。それに対応するため、マガジンポーチはオープントップであることが多い。g-code scorpion系のマガジンポーチはバンジーコードでマガジンを保持するテンションを調整できる

 

ドラマの『S.W.A.T.』で使用されているBLUE LINE INNOVATIONS製のWARRIOR 360°BODY CAMERA。それを使用した装備も見事に再現している。皆装備にこだわっているため、統一感があり、迫力満点だ

 

USSS

 

 USSS(United States Secret Service)は1865年、偽造通貨の広がりに対処するために財務省の一局として誕生した組織だ。1901年、マッキンリー大統領が暗殺されたことを機にSS(シークレットサービス)は米国大統領を守る任務を帯び、法令や大統領令によって次第にこの保護任務は拡大されてきた。1970年以降はワシントンD.C.周辺にある外国の大使館や領事館の保護もSSの役目となり、現在は大統領就任式や国際会議など国家特別警備イベントNational Special Security Eventsの警備計画の策定、及び実施を担当するようになった。今や世界中で約7,000人が所属する警備のプロフェッショナルである。

 

 

 撮影に協力してくださったこの2人はSSの装備を再現。男性の方は近距離で要人警護できるようにドットサイトをマウントしたSR-16を装備。ヘルメットにはナイトビジョンを装着し、不意の停電などで暗闇に陥ったとしても対応できる装備になっている。一方で女性はショートスコープをマウントし、URX 3.1ハンドガードを装着したSR-26を装備。首に提げた双眼鏡で遠距離からの狙撃に警戒する。役割を考えて装備を組み上げているので、とても完成度が高く仕上がっている。

 

男性はCAT(Counter Assault Team)、女性はCS(Counter Sniper Team)の装備を再現。USSSは要人警護が任務であるため、通常部隊よりも大きめのメディックポーチを携行しているのも特徴的だ。ポーチの選択から無線機の装着方法など細かいところまで再現されている

 

こちらは2020年8月24日、ノースカロライナ州シャーロットで開催された、大統領も参加するイベントで警護を務めるCSの公式写真。Crye Precision製のプレートキャリアの背面にはメディックポーチが配されている。腰のベルトキットは非常にシンプルだ(U.S. Secret Service photo by Carlos Guerra)

 

DEA

 

 DEA(麻薬取締局)は米国で規制されている薬物に関する法律を執行し、違法薬物の入手性を減らすことを目的としている。DEAは議会から麻薬捜査の権限を与えられており、FBIと同じく州に囚われず、連邦規模、状況によっては国外まで捜査を行なう。捜査は各州や地方の法執行機関と連携して行ない、容疑者、あるいは組織の逮捕を行なっている。そのため、公式写真、報道写真ではATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)やICE(移民・関税執行局)など他の法執行機関などと共に写っていることもある。こちらの参加者はそのDEAを再現し、イベントを盛り上げていた。

 

 

2016年、HSIやICEと合同でDEAがヘロイン、マリファナ、各種銃器を流通・販売していた疑いのある組織を検挙した際の公式写真。このようにDEAは他の法執行機関と共同で任務にあたることも少なくない(U.S. Immigration and Customs Enforcement Photo by Charles Reed)

 

U.S. Marshal

 

 U.S. Marshalはアメリカで最も古い法執行機関の1つだ。1789年9月24日、ワシントン大統領が13人の保安官を初めて任命し、令状の執行や治安維持を任務としてきた。現在ではアメリカ合衆国司法省の一部署として連邦法の執行を行なっている。主な任務は連邦裁判所の警護、犯罪者の逮捕及び護送、令状の執行などであり、裁判所が法の番人なら、彼らはその警備員というべき存在だ。

 

 

 こちらの参加者はデニムやパーカといった私服の上にレンジャーグリーンのプレートキャリアという定番スタイルを再現。左の方はTACOマガジンポーチを連結させて、右の方はTactical Assault Gear製のマガジンポーチを用いることでライフル&ピストルマガジンを効率よく収納し、空いたスペースにはホルスターに挿入したLE御用達のX26テーザーガンを装着している。ベルト周りもよく見ると車のキーやカラビナなどを提げており、細かい部分まで気を配ることで装備の再現度を上げている。ホルスターを脚に固定するバンドにバッジを装着しているのもポイントの1つだろう。実際のマーシャルの写真をよく研究して再現しているのが分かる。

 

主催:Rio オキサバ(@RioOkisaba)
PHOTO:ぐるぐる☆すっくん(@0122Sug)

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年6月号に掲載されたものです。

 

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