2023/02/27
アメリカ軍特殊部隊のプレートキャリア4選【2023年版】
米軍特殊部隊の装備
アメリカ軍の中でも特殊部隊は精鋭であり、常に戦術や装備に最新のものを取り入れて柔軟に任務に対応する。ではそんな彼らが身に着けている装備はどんなものなのだろうか? 今回はプレートキャリアを4つピックアップしよう。
Crye Precision
JPC 2.0
特殊部隊の定番アイテム
世界中の軍や法執行機関に採用されているJPCは、特殊部隊の定番アイテムの1つだ。Crye Precisionが開発したプレートキャリアJPCは試作型をアメリカ軍特殊部隊でテスト納入し、現場の意見を確認。その意見を反映した改良版が2010年のアメリカの銃器装備最大のショーであるショットショーで公開され、翌年には製品版が展示された。
その改良版である JPC2.0の特徴は、JPCの良さを残しつつ、使用者のフィードバックを元に改良されたJPCの発展型である。前面のマガジンポーチ部のパネル化、肩と腹部にクイックリリース機構を追加、背面に各種バックパネルの装着可能なギミックが加わるなど、JPCと比べてよりカスタムの幅が広がったことが分かる。
Ferro Concepts
FCPC V5 Base
アメリカ陸軍特殊部隊も使用するプレートキャリア
創業者の趣味であるミシンから始まったタクティカルギアメーカーの「Ferro Concepts」。2010年にカナダのカルガリーで設立され、既存のデザインに不満を覚える顧客と装備の開発を行なっていった。創設当初はカナダやアメリカの特殊部隊兵士だけでなく、世界中のエアソフトガンのユーザーや装備マニアと情報交換を行ない、装備を開発。現在は米軍や法執行機関だけにとどまらず、退役軍人組織「Forward Observations Group(FOG)」など民間組織のフィードバックも参考にさらなる製品の開発を行なっている。
そのフラッグシップモデルであるFCPC V5 Baseは、従来の素材とデザインを変えた新しいプレートキャリアシステムの核を担うパーツだ。軽量化と耐久性の向上を実現するために500Dコーデュラナイロンとラミネートを素材に使用。身体の動きと素材の伸縮を考えたデザインを緻密に型紙へ再現することで、着用者と防弾プレートとの一体感を高めた最適なプレートキャリアベースとなっている。
他にも各パーツごとに各種機能があり、フロントプレートバッグの胸部のアドミンポーチは最新のモバイルデバイス・プラットフォーム(ATAKなど)や関連アクセサリーが装着できる。また、リアプレートバッグはジップオンバックパネルシステムにより、ADAPTバックパネルと簡単に交換可能。背面にあるレーザーカットされたスリットには、MOLLE/PALS対応製品を装着できる。
London Bridge Trading
LBT Modular Plate Carrier 6094
アメリカ海軍特殊部隊愛用の装備
London Bridge Trading(以下、LBT)は、バージニア州バージニアビーチに本社を置く老舗タクティカルギアメーカーだ。メイドインアメリカにこだわり続け、品質の高い製品をリリースしている。社名の由来は最初期、LBT社の事務所があったストリートの名前が「ロンドン・ブリッジ」であったからだと言われている。1985年の創業以来、アメリカはもちろん、イギリス、カナダ、ヨルダン、メキシコ、サウジアラビア、スウェーデンと幅広い国の軍や法執行機関に製品を提供している、まさに世界的な装備メーカーだ。
LBTの製品の中でもLBT-6094は、世界中のボディアーマー/プレートキャリアのデザインに影響を与えたモデルと言っても過言ではない。この製品は500デニール軽量ナイロンをベースに、レベル4のプレートを収納可能。また左右にサイドプレートも収納することができる。前後のプレートポケットにはクイックタブが付属し、緊急時に引っ張ることでプレートを排出できる。LBTのボディアーマーの4ケタの数字の後のABCは、収納できるプレートのサイズを表し、A=Medium(Mサイズ)、B=Large(Lサイズ)、C=EX-Large(XLサイズ)となっている(写真はLBT-6094A)。
ORDNANCE TACTICAL OKINAWA
PLATE CARRIER COBRA TYPE
アメリカ海兵隊が使う日本製装備
ORDNANCE TACTICAL OKINAWA(以下、オードナンス)は、1986年にアメリカ軍放出品店として開業、1999年にタクティカルギア修理・製造、販売業としてリニューアルした創業36年の老舗ミリタリーカンパニーだ。沖縄という立地条件も相まって、顧客のほとんどはアメリカ軍海兵隊なので、実戦にも耐えられる強度や利便性を追求して日々製造している。オードナンスのこだわりとしてタクティカルギア(ナイロンギア)はすべて、自社工場で製作されているため、アメリカ軍や自衛隊隊員からの意見を取り入れて製品化していることだ。そのため、実戦で役立つ機能性や利便性を持ったギアばかりだ。アメリカ海兵隊装備に興味がある方はぜひチェックしていただきたいメーカーである。ここでは資料を参考に、スタンダードなギアをセットアップしている。
ベースとなるのはPLATE CARRIER COBRA TYPE。これは、アメリカ海兵隊RECONやMARSOCに多数使用されているオードナンスがデザインしたオリジナルのプレートキャリアだ。カマーバンドはクイックリリース機能がついており、別売のオプションでは異なるタイプのクリックリリースが用意されている。自分好みに換装できる自由度の高い装備だ。また各種に備えられた機能もかゆいところに手が届くような気配りを感じさせる。カラーバリエーションはコヨーテ、マルチカム、OD、ブラック、陸自迷彩の5種類と豊富。これに各種アクセサリーを装着している。
装備が気になる方はこちらがお薦め!!
専門MOOK
米軍特殊部隊 ―装備と銃器―
米軍特殊部隊は任務、担当地域によって部隊が分かれ、アメリカ軍特殊部隊軍に所属する人員は70,000人を超える。彼らは己の任務に適した装備や銃器を使用し、仲間や同盟国と連携して作戦を遂行する。では、その装備や銃器は一体どのようなものを選び、どのように着用しているのだろうか?
本書では装備と銃器から米軍特殊部隊の魅力を紐解いていく。グリーンベレー、デルタフォース、シールズといった名だたる特殊部隊の装備を再現し、特徴や機能などを解説。また数多く存在する特殊部隊作戦コマンドの構成を公式文書を元に徹底解説。それぞれの特殊部隊についても詳しく知ることができる。特殊部隊に興味がある方はぜひご覧いただきたい。
TEXT:珈琲
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