装備

2022/09/06

特殊部隊スタイリングのエアガンにつけたい光学機器

 

Special Force Modern Optics

 

 特殊部隊を始めとした軍の装備を再現するのに欠かせないものの1つが光学機器だろう。公式写真を見ると、隊員は様々な光学機器を自身のライフルにセットアップしている。今回は特殊部隊で使用されている光学機器をピックアップして解説する。

 


 

DOT SIGHT AIMPOINT

 

 AIMPOINTは1975年にスウェーデンで設立された光学機器メーカーであり、創業から現在まで経験豊富なハンターや射撃手、そして世界中のプロフェッショナルユーザーと密接に協力し、各種の光学サイトを供給し続けている。アメリカ陸軍と1997年に最初の契約を結び、Aimpoint Comp Mを10万台納入。その後も改良を続けながらドットサイトは納入され続け、M68 CCO(Close Combat Optic)として知られるドットサイトは100万台以上がアメリカ陸軍と空軍の手に渡り、兵士たちの射撃に貢献している。

 

AIMPOINT COMP M2 & MOUNT

 

 

 アメリカ軍にM68 CCOとして採用されたAimpoint CompM2はComp M(コンプ ミリタリーモデル)の改良型だ。バッテリー稼働時間を飛躍的に延長させ、ナイトビジョン越しでも確認できる不可視ドットを発光するNVモードが追加されたことで、より夜間で使用しやすくなった。また高い防水機能を有しているため、水上からの上陸作戦にも適している。M2/ML2の説明書には、構成図に左利き用が描かれており、左利き用のモデルがあったようだ。Comp M2は後継の光学機器が登場するまで特殊部隊の光学機器の1つとして長く愛用された。

 

Photo by DOD
アメリカ軍特殊部隊や一般部隊で使用されている光学機器の一部として、AIMPOINT T2やComp M4sが挙げられる

 

 M68 CCO/Close Combat Opticは、アメリカ軍向けということで民間仕様には想定していないアクセサリーが装着されていた。支給された当時の軍用モデルを確認すると、パーツの一部に脱落防止用のカバーとキャップホルダーが付属していると分かる。調整ダイヤルカバーを外して調整する際も、脱落しないように本体に離れない構造になっているので、戦闘や移動など激しい動きでもカバーによって徹底的に脱落を防ぐ構造になっている。

 Comp M2に装着されたAimpoint純正のQRP MountはM4アッパーやレールハンドガード上部に装着可能なアイテムだ。着脱に使用するダイヤルは回し過ぎると空転することで負荷をかけず、適度な締めつけでレールに固定することができる。マウントリング内のスペーサーはM4のフラットトップレシーバーに装着した際にトライアングルフロントサイトに合う高さにするためのものだ。

 

徹底した脱落防止用のカバー。一部を外しても他の部分が本体に装着されているので脱落しにくい構造になっている

 

MAGNIFIER MOUNT

 

 MAGNIFIERはドットサイトに倍率を追加するためのツールであり、ドットサイトの後部に装着する。AIMPOINTのMAGNIFIERは、Micro T-2/H-2やCompM4シリーズ、CompM5シリーズと併用が推奨されており、単体でも3倍率の単眼鏡として使用が可能だ。MAGNIFIERに装着するマウントはUnity Tactical FAST FTC Aimpoint Magnifier Mount。Unity Tacticalは光学機器アクセサリーを主に製造するメーカーで、多くの製品がアメリカ軍特殊部隊で採用されている。FAST FTCはMAGNIFIERの未使用時と使用時の切り替えにおいてもプロファイルを最小化(レシーバー側面に露出しない)しているのが特徴。

 

 


 

Holographic Weapon Sights (HWS)
EOTECH

 

 2001年にUSSOCOM(アメリカ特殊作戦軍)や海兵隊が採用しているHWSはホログラフィックウェポンサイトの略称である。ヘッドアップディスプレイのホログラムに独特なレティクルパターンを照射することで、射手がレティクルを見る角度に関係なく、素早く正確な照準を可能にする。そのHWSの設計、開発、製造を行なっている大手メーカーの1つがEOTECHだ。彼らは1972年創業した光学機器メーカーであり、そのノウハウを生かして1996年からHWSの開発を行なっている。

 

EOTECH 551

 

 EOTECH 551はナイトビジョンモードを搭載したHWSだ。単5電池2本をバッテリーホルダーに収納して稼働する。接眼レンズ(後方レンズ)側に操作ボタンは上下で光量を操作、中央のNVボタンでナイトビジョンモードに切り替えられる。

 

 

EOTECH XPS3

 

 XPS3はUSSOCOMが使用する現行型HWSで、コンパクト化したNV対応モデルだ。ボディ下部には1インチウィーバーまたはMIL-STD-1913レールに対応するクイックデタッチャブルレーバーマウントが配され、特殊部隊の銃器へ簡単に着脱可能となっている。

 

MAGNIFIER G33

 

 EOTECH G33はUSSOCOMがXPS3と併せて使用しているMAGNIFIERだ。コンパクトで軽量であり、マウントを横に倒すだけでMAGNIFIERをずらし、ドットサイト単体で運用することができる。この際、ロック機構がないため、速やかに横へ倒すことができる。戦闘中、近距離から中距離まで彼我の距離はランダムに変動する。それに迅速に対応し、兵士たちの射撃をサポートしてくれる。

 

 


 

 特殊部隊は様々な光学機器の力を借りて任務を遂行している。月刊アームズマガジン2022年10月号ではさらに詳しく特殊部隊の光学機器について掲載している。そちらも併せてご覧いただければ幸いだ。

 

TEXT&PHOTO:Ghost(Ghost in the Dark)
SPECIAL THANKS: morizo(新東京装備BAKA)

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年10月号 P.94~99をもとに再編集したものです。

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