2023/08/20
【実銃】.380口径のベイビーグロック「Glock 42」の魅力を確かめる【グロック42 Part4】
パンデミックで人気沸騰! .380口径のベイビーグロック
GLOCK 42
.380ACPのサブコンパクトであるG42、そしてちょっと大きいだけで9mmパラが撃てるG43。それならG42に存在意義はほとんどないと思うかもしれない。しかしG42にはG43とは違う良さがある。だから大人気で品薄だ。コルトのサブコンパクトである.380マスタングXSPと比べながら、その魅力の一端をお伝えしたい。
グロック42実射編
では撃とう。
弾は備蓄の中からAGUILAのFMJ弾(95gr)と、ずっと昔のDAVIS製リロード弾(鉛むき出し。グレイン不明)を用意。.380弾はある程度の在庫をキープしているが、年代物はコレクション用で撃ちたくない。弾不足が続いたら、それらも食いつぶすことになるのかと思うとまたまたつらい。
先ずはリロード弾で行く。白線が仰々しいリアサイトに目をちらつかせながら、発射!
すると、あれ、ジャムだ。排莢不良のストーブパイプだ。続けて二発目も三発目も、結局ワンマグが同じ症状。感触として、弾が弱くて排莢し切れないといった具合だ。完全ド新品でブレークインが済んでないとはいえ、少々ひど過ぎる。
そこで、弾をAGUILA に替えてみたら、今度はちゃんと動くではないか。でだ。一緒に射場へ持ち込んだXSPで不調のリロード弾を試したら、問題無いのである。
実際この弾は、過去に様々な銃、ボディガードとかカーヴとかPPKとかイングラムでも撃ってきたが、皆しっかりと作動した。G42は弾にセンシティブというウワサは本当だったか。
撃ち心地はとことんマイルドだ。XSPも結構撃ちやすいが、明らかにG42のほうが快適。サイズと重量の違いに加えてリコイルスプリングの柔軟性もポイントかと思われる。XSPのスプリングは少々雑っぽいからだ。
バランスも上々だし速射のリカバリーもあっさり早い。.380口径の小型オートは色々撃ってきたが、もしかして最高かも。撃ちやすさと携帯性のトータルバランスの妙味、参ったなコレは。
実射時、わざと親指に力を入れるなどしたが、マガジンが抜け落ちる問題は無かった。どうやら取り越し苦労だった模様。しかし念のため、無理してでも親指をスライドキャッチに載せて撃ちたい。この点、XSPはサムセイフティおよびスライドキャッチへ親指を載せやすいから元々の心配がないけどね。
終了間際に再度リロード弾を試した。すると、辛うじて排莢までは出来るようになったが、今度は次弾の装填がつっかえる症状が出た。ブレークインが進んだのは明らかながら、この弾との相性はダメみたい。
実はXSPのほうは、これまで撃ったどの弾でもジャムった試しがない。う~ん、ちょっぴり見直したかも、コルトくん。
実射終了後、ネットのレビュー等を観たら、やはりG42は弾にピッキーらしい。特にアンダーパワーの弾はダメとのことだ。
グロックのテックの話では、Blazer Brass、American EagleそしてHornadyのCritical Dutyとの相性が良いとのこと。逆に、PPUのHP弾とかRugerのARXは絶対にやめたほうが無難らしい。またBuffalo Bore+Pのような強過ぎる弾でもスライドがオープン状態でスタックしてダメだという。
あーでも、今回調子が良かったAGUILAなんて最安レベルのメキシコ製だけどね。高級だから合うってわけでもなさそう。もうちょい色々撃ち込みたいけど、超弾不足の今では無理。とりあえずしばらくはAGUILAに頑張ってもらうか。
Photo&Text:Gun Professionals サウスカロライナ支局
この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2021年7月号に掲載されたものです
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