2023/08/21
米空軍で使用されるカメラとは? ミリフォトで使われるカメラを解説!【アメリカ空軍】
大規模な組織を有する米軍は広報やリクルートに力を入れており、内外に対して訓練や日常など様々な活動を公表している。それらの写真や動画はほとんどが米軍に所属する隊員が撮影している。今回は彼らが扱うカメラに注目。空を制する空軍ではどのようなカメラを使用しているかを解説する。是非、カメラの購入を検討している方は参考にしていただければ幸いだ。
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米空軍で使用されているカメラとは
海兵隊がCanonを多く使用していたのに対して空軍はNikonを多く使用している。稀にSonyが見受けられるのは共通なようだ。
そしてメーカーの違いだけではなく、ミラーレス一眼と一眼レフの比率も真逆になっている。ミラーレス一眼はZ7 Z6といったNikonのフルサイズが多く、時々Sonyのα7SⅡなどが混ざってくる。そして一眼レフはNikon D6といったフラグシップモデルにD850 D780となっている。
Nikonの信頼性
では、海兵隊と違って空軍はなぜNikonの割合が高くなるのか、これにはフィルム時代から続く理由がある。Nikonは1933年「Aero-Nikkor」という航空撮影専用のレンズを発売しており、93年も前から航空写真に携わってきた。また、旧海軍では艦船で使用される光学機器の多くにNikon製品が採用されるなど、多くの過酷な環境で絶大な信頼を得てきた。
フィルム時代では空母上において他社のカメラは自動的にフィルムが巻き上がってしまうなどのトラブルが発生したが、Nikonは通常通り撮影を行なえた。デジタルカメラになってからも、無線やレーダーの影響を受けて撮影写真にノイズが入ったり、カメラの出す電波により無線に影響を及ぼすこともない。こういった特殊な基準もクリアしている事情から、軍用機の撮影においてNikonは絶大な信頼を得ている。過去の信頼と伝統だけで採用しているわけではないのだ。
使用カメラ
ミラーレス一眼
- Nikon Z9
- Nikon Z7、Z7 II
- Nikon Z6、Z6 II
- Sony α7 III、α7 IV
- Sony α7SⅡ、α7S III
- Sony α7R II、α7R III、α7R IV
一眼レフカメラ
- Nikon D6、D5、D4
- Nikon D850、D810
- Nikon D780、D750
- Nikon D610
- Canon EOS-1D X Mark II
- Canon EOS 5D Mark IV
スマートフォン
- iPhone 11 Pro Max
使用頻度の高い機材は太字になります
※この情報は2023年7月現在の情報となり、また全ての部隊がこの機材を使用しているわけではありません
Sonyが使用されている理由
ではそうなるとレフ機として実績のあるCanonはともかく、Sonyがなぜ使用されているのだろうか。筆者の推測にはなるのだが、Sonyからは初のフルサイズミラーレス一眼として軽量コンパクトなカメラやレンズが発売されている。その積載性を考慮し、採用された可能性がある。
また、今まで動画を撮る際は大型なビデオカメラを使用しなければならなかったが、Sonyのミラーレス一眼では動画を充分に撮影することができる。これも大きな理由の1つだと考えられる。
レンズについて
写真の映りに一番影響を与えてくるレンズだ。アメリカ空軍において多くの場面ではミラーレス一眼・一眼レフ問わず大三元レンズと呼ばれるレンズのNikkor 24.0-70.0 mm f/2.8が標準域でよく使用されている。
ごくまれに24-120や28-300といった焦点距離の便利ズームが使用されることもあれど、基本はやはりトップクラスのレンズだ。
意外と思われる方もいるかもしれないが、望遠レンズではNikonのミラーレス・レフどちらでも70-200/2.8がやはり多い。大三元と呼ばれるだけあるだろう。空軍は航空機に搭乗した撮影やエプロン、格納庫といった場所での撮影が多いため、航空祭行ってる方々などが所有する超望遠レンズはあまり使われていないのだ。
とはいえ使われないわけではなく、データを見ると100-400や200-600と言った望遠ズームから超望遠単焦点まで幅広く使用されている。もしかすると陸海空海兵隊4つの組織の中で最も使用機材の幅が広い可能性もある。
そして標準・望遠ズームから超望遠単焦点だけでは終わらない。
超広角レンズや幅広いレンジを取りそろえた単焦点の使用例と、必要に応じて様々なレンズを臨機応変に使用している。航空機から撮る写真ですら単焦点を使っているのには驚きだ。こういったところからも4軍の中で最も機材使用の多さが窺える。
使用レンズ
Zマウント
- NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
- NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
- NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR
- NIKKOR Z 24.0-120.0 mm f/3.5-5.6
- NIKKOR Z VR 28-300mm f/3.5-5.6G
- NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
- NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
- NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 50mm f/1.8G
- NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
Fマウント
- Nikon AF-S NIKKOR 14.0-24.0 mm f/2.8
- Nikon AF-S NIKKOR 17-55mm f/2.8G
- Nikon AF-S NIKKOR 24.0-70.0 mm f/2.8
- Nikon AF-S NIKKOR 24.0-120.0 mm f/4.0
- Nikon AF-S NIKKOR 70.0-200.0 mm f/2.8
- Nikon AF-S NIKKOR 28.0-300.0 mm f/3.5-5.6
- Nikon AF-S NIKKOR VR 200-400mm f/4G
- Nikon AF-S 200.0-500.0 mm f/5.6
- Nikon AF-S NIKKOR 10.5 mm f/2.8
- Nikon AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G
- Nikon AF-S NIKKOR 300.0 mm f/2.8
- Nikon AF-S NIKKOR 500.0 mm f/5.6
- Nikon AF-S NIKKOR 600.0 mm f/4.0
EFマウント
- Canon EF24-105mm f/4L IS USM
Eマウント
- Sony FE 24-70mm F2.8 GM
- TamronE 70-180mm F2.8 A056
- FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS
- FE 50mm F1.4 ZA
- 85mm F1.4 DG DN | Art 020
使用頻度の高い機材は太字になります
※この情報は2023年7月現在の情報となり、また全ての部隊がこの機材を使用しているわけではありません
とにかく使っているレンズが多い、とても多い。ざっと最近の写真を見返してもこれだけ多くのレンズが見受けられ、探せば探すほど様々なレンズが使用されているのが分かる。恐らく多々見逃しているレンズもあるだろうがその点はご了承願いたい。
Nikonを中心としたカメラ構成になっているのは予想していたが、とにかく使用しているカメラやレンズのラインナップが豊富な所は驚きだ。
今後カメラを買うと思ってる人は米空軍で多く使用されているこれらのレンズやカメラ、是非購入してみてはいかがだろうか?
米軍は広報にもかなり力を入れている。故に陸海空海兵隊において多くの写真を公開しているので、また次は陸海どちらかの軍で同じく撮影機材研究をしていく。是非ともまた見てもらえたら幸いだ。
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TEXT:出雲
Photo : U.S. Air Force
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