2023/04/04
【戦場の英雄コラム】アメリカ空軍戦闘管制官、ジョン・A・チャップマン【特殊部隊】
仲間を助けるために奮戦した戦闘管制官
歴史上、様々な戦場で戦い続けたアメリカ軍特殊部隊。その中には目覚ましい活躍をしたとして名誉勲章を受けた軍人がいる。今回は2002年、アフガニスタンで仲間を見捨てずに戦った戦闘管制官、ジョン・A・チャップマンについて解説する。
※参考:NATIONAL MUSEUM OF THE UNITED STATES AIR FORCE
戦闘管制官
アメリカ空軍の戦闘管制官(CCT)はアメリカ連邦航空局に航空管制官の資格を認定され、戦場における航空管制、航空支援の調整、通信を行なう隊員だ。グリーンベレー、シールズ、デルタフォースといった特殊部隊と共に行動することもあり、必要に応じて航空支援の調整を行なうなど、特殊作戦を陰ながら支える存在となっている。そのためスキューバ、パラシュート、スノーモービルなど特殊部隊員に匹敵する幅広いスキルを持っており、アフガニスタンで行なわれた作戦でも多くのCCTが参加、作戦をサポートした。ジョン・チャップマンもその1人である。
John A. Chapman
ジョン・チャップマンは戦闘管制官としてアフガニスタンにてアナコンダ作戦(2002年3月)に参加。統合特殊作戦偵察隊と共にMH-47でタクル・ガル山頂で作戦行動中に攻撃を受け、仲間のニール・ロバーツ1等兵曹がヘリから転落してしまう。彼が転落したのは雪が積もる敵地の真ん中だったが、チャップマンたちはロバーツを見捨てず、救出を実施した。チャップマンは多方向からの激しい銃撃の中、深い雪の急勾配を駆け登った。敵の陣地壕に到達すると、そこにいた全ての敵兵を撃ち倒して確保。彼は果敢に遮蔽物から身体を出し、2つ目のバンカーを攻撃して味方を援護した。その捨て身の行動の最中致命傷を受けることになるが、最後まで徹底的に戦い続けた。
身を賭した奮戦の末、戦死した彼を讃え、2018年に名誉勲章が授与された。チャップマンは1947年に空軍が創設されて以来、名誉勲章を受章した19人目の空軍兵士となった。
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