実銃

2023/08/13

【実銃】銃として圧倒的完成度を持つ「GLOCK GEN5 MOS FS」その優秀な実射性能【後編】

 

GLOCK Gen5
MOS FS
 

 

GLOCK G17 Gen5 MOS FS FERFRANS Fabrication Model(left)、GLOCK G19 Gen5 MOS FS(right)

 

 グロック社は2019年4月、USカスタム&ボーダープロテクション(CBP:アメリカ合衆国税関・国境警備局)が、サービスハンドガンとしてグロックの採用を決めたことを発表した。口径は9×19mmで、各部がモディファイされたG26、G19MOS、そしてニューモデルとなるG47の3機種だ。
 また、2019年8月にはUSシークレットサービスも、これまで20年以上使用してきたSIG P229 .357SIG口径から、CBPと同じG26、G19MOS、G47に変更することを発表した。現在、アメリカ法執行機関では新型グロックの採用が続いているのだ。

 

中編はこちら

 

 


 

実射

 

 

精度テストに使ったMATRIX社のレストとテストガン


 今回の実射には、ファーフランス社のファブリケーテッドG17と最近手に入れたG19 Gen5 MOS FSを持参することにした。G19のほうはほとんど前出の採用されたモデルと同じだ。


 使用したアモは、PRIME社124gr. FMJと、FEDERAL社147gr. HSTである。どちらもその精度には定評があり、Fed社の147gr.といえばポリスのデューティアモとして広く使われている。

 

左はFEDERAL 147gr. HST、右はPRIME 124gr. FMJ


 まずは10ヤードから5秒6発のスピードでウォームアップする。G17のほうはドットサイト付きなので、12発撃ってもほぼ1ホールに着弾する。G19のほうもGNS(グロック ナイト サイト)付きなので狙いやすく、2インチ以下に集弾している。アキュラシーにも期待が持てそうなので、レストを使って15ヤード(約13.5m)から5発ずつ撃ってみた。

 

 

 という結果となった。これはファクトリーガンとしてはかなりの精度だといえる。

 

PRIME 124gr.のリコイル。バレルが1/2インチ長い分、ストックのG17よりリコイルは強めだ

 

 G17のほうは社外品のバレルだが、ドロップイン(削り合わせしなくても、そのまま装着できる)なので、これほどの精度は期待していなかったのだ。

 

一番外れた1発をフライヤーとしてカウントせず、残りの4発のセンター間を測った。これはG17のPRIME 124gr.で約24mm

 

FEDERAL 147gr. 15mm

 

 サプレッサーでの射撃は、快適そのものだ。イアプロテクションなしでも全く問題なく撃つことができる。ただし着弾点が変わるのと、精度が落ちるというのがわかった。

 何せ借りものなので、厳密なテストはできなかったが、これは万難を排してライセンスを取得したい!と思ってしまう一瞬であった。

 

PRIME 124gr.のリコイル

 

 リコイル的にはやはり9mm口径なので、慣れ親しんだコントローラブルなものだ。147gr.のほうはさすがに少しスナッピー(跳ねる)だが、これも使い続ければ慣れてしまう類のものでしかない。

 

G19のリコイル。慣れ親しんだものだ

 

G19 PRIME 124gr. 35mm

 

FEDERAL 147gr. 38mm


 私はこれまで長い間「グロックファンではない」と言い切ってきたが、このG19 Gen5を撃ち込むうちに少々風向きが変わってきたことをここに告白しておく。1911もP210もハイパワーもS&W リヴォルヴァーも皆々好きだが、アウト オブ ボックス(箱だし)で600ドルのG19 Gen5 MOSは、かなり完成度の高い“ワンダー9”だと感じている。

 

Photo&Text:Hiro Soga

 

この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2019年10月号に掲載されたものです

 

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