ミリタリー

2023/06/22

アメリカの軍用機を目撃せよ!!「横田基地日米友好祭2023」取材レポート【航空機編】

 

 2023年5月20日(土)・21日(日)にかけて東京都福生市にあるアメリカ空軍横田基地にて「横田基地日米友好祭2023」が開催された。毎年5月頃に開催されているこのイベントでは基地の滑走路を一般公開し、アメリカ軍および自衛隊、同盟国が保有する航空機の展示を行なっている。一部の機体には実際に搭乗して内部を見学することができることから、航空ファンのみならず地元の人々も多数訪れており、普段間近に見ることのできない軍用機を見学していた。今回は航空機をメインにイベントの雰囲気をお伝えしよう。
 

まず目を惹いたのは第374空輸航空団所属のC-130Jスーパーハーキュリーズだ。物資や人員の運搬などに使われることが多い輸送機であり、横田基地では最もポピュラーな存在だといえる。半月状の6枚羽のプロペラが特徴的で、エンジン出力が強化されたモデルだ

 

米軍が保有する輸送機の中でも最大級の大きさを誇るC-5Mスーパーギャラクシーが展示されていた。M1A1エイブラムス戦車など重量級のMBTまで運搬できる巨大な貨物室と最大離陸重量を備えたとんでもない輸送機だ。その大きさには圧倒される

 

C-5輸送機は機首が上に持ち上がり、機体前方からも貨物室に搬入できる。カーゴランプを展開して貨物室へ車輌などを自走させて搬入可能だ

 

C-5Mスーパーギャラクシーの後方カーゴ扉はこのように開き、前後の入り口があることから貨物室がトンネルのように見える。M型では旧型のTF39からCF6-80C2-L1Fターボファンエンジンに換装され、大幅に性能・信頼性が向上している

 

C-5Mスーパーギャラクシーのお隣にはKC-10エクステンダーが。DC-10旅客機がベースの空中給油機で、ターボファンエンジンを3基、左右主翼と垂直尾翼の位置に備えているのが特徴的な機体だ

 

KC-10は貨物輸送能力も高く、機体側面にカーゴ扉を備えている。内部公開されていることから多数の来場者が見学するために列を作っていた

 

第5世代戦闘機の米空軍F-35AライトニングⅡは2機展示されていた。自衛隊での運用も始まった最先端ステルス戦闘機だ

 

ステルス性能を高めるためにミサイルなどの兵装は基本的にウェポンベイに格納するが、翼下にパイロンを増設して兵装を搭載することもできる。エアインテークなど秘匿性の高い部分にはカバーが付けられていた

 

コンパクトな機体の米空軍F-16Cファインティング・ファルコン。韓国・烏山空軍基地の第36戦闘飛行隊所属機で、部隊創設100周年のマーキングとなっている​​​​

 

両翼のパイロンには増槽と空対空ミサイルを装備していた(翼端がAIM-120AMRAAM、内側がAIM-9サイドワインダーで、いずれも訓練弾)。こういった展示はマニアとして嬉しい限りだ

 

こちらは航空自衛隊の主力戦闘機F-15Jイーグル

 

尾翼に描かれたヒグマは、千歳基地の第201飛行隊所属機を示す

 

航空自衛隊のF-2Aも展示されていた。対艦戦闘を考慮し海上で絶大な効果を発揮するブルー基調の洋上迷彩がコンクリート舗装では映えるようで、家族連れの来場者なども写真を撮っていた

 

青と赤、航空自衛隊の2機のT-4練習機が並ぶ

 

青の方は言わずと知れた、大人気のブルーインパルス(第11飛行隊)仕様

 

赤の方はレッド・ドルフィン(第13飛行教育団)仕様。操縦教育で使用され、視認性向上のために赤があしらわれている

 

アメリカ海兵隊の展示ではCH-53Eスーパースタリオンが。兵員や火砲などの空輸に用いられる大型のヘリコプターだ

 

機首前方には悪天候時の視界確保を行なうための前方監視赤外線装置(FLIR)のポッドが装着されている

 

米海兵隊の攻撃ヘリ、AH-1Zヴァイパーも展示されていた。AH-1コブラシリーズの究極の発展型で、AH-64に匹敵する能力を持つ

 

機首に備えたボールのようなTSS(目標照準システム)と、3銃身の20mmガトリング砲M197(使用弾薬は20mm×102)が特徴的だ

 

AH-1Zヴァイパー攻撃ヘリのパイロットが実際に着用している装備品も展示されていた。リグの首周りには緊急用のフロートが備えられ、その下には展張用の炭酸ガスボンベが配置されていた。水面にベイルアウト(緊急脱出)した際、パイロットが水没しないための装備だ

 

AH-1Zのパイロットのヘルメット。モノクルタイプのディスプレイ照準システムを備えている

 

米空軍のCV-22オスプレイ。特殊作戦や戦闘捜索救難などに用いられる機体であり、機首に地形追随レーダーを備えるなど海兵隊仕様のMV-22とは若干ディテールが異なる

 

 

CV-22オスプレイは実際に搭乗し、内部を見学できた。コクピットのコンソールパネルには無数のボタンがあり、計器類はすべてモニターに表示されるようだ

 

オスプレイの荷室は配線が剥き出しの状態だった。天井が高く、身長178cmほどの筆者も不安なく移動できる

 

 

ティルトローターシステムを構成するターボシャフトエンジンとプロップローター。エンジンナセルが可動し、ヘリコプターと同様垂直離着陸(ローターは上向き)が可能ながら、水平飛行時(ローターは前向き)に高速を出せるのが特徴だ

 

横田基地は空軍の補給基地ということもあり、多数の航空機が訪れる。所属は不明だがV-22オスプレイも滑走路上に多数並んでいた

 

航空自衛隊のC-130H輸送機。グリーン基調の3色迷彩塗装が施された機体は、展示機の中でも一風変わった存在感を放っており、子供たちに人気があった

 

米空軍のRQ-4グローバルホーク。航空自衛隊でも運用が始まった大型の無人偵察機でステルス性能が高く、高高度からの偵察などに用いられている

 

 横田基地日米友好祭はアメリカ軍と自衛隊が保有する様々な機体をじっくりと鑑賞できる貴重なイベントだ。機体を運用する各部隊の隊員やパイロットが展示ブースにいることもあり、来場者の中には英語で話しかけて乗り心地などを聞く人も見かけた。横田基地日米友好祭は毎年4月頃に横田基地公式WEBサイトにて告知が行なわれている。航空機やアメリカの文化に興味がある方は要チェックのイベントだ。
 

TEXT&PHOTO:津軽太郎

 


 

 Arms MAGAZINE WEBでは気になるエアガン&サバゲー情報を毎日発信中!! 気になる方は公式Twitterを要チェック♪

 

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×