エアガン

2023/05/30

ガスブロ徹底比較!! VFC XM177E2 vs. モデル733コマンド

M16ファミリーを代表するショートバージョンを徹底再現!

 

 VFCはコルトとの正式契約によりM16のショートバージョンであるXM177E2とモデル733コマンド(以下M733)をガスブローバックガンで忠実に再現している。ここではVFCのXM177E2とM733との比較を通して新旧M16ショートバージョンの違いと特徴を解説する。

 

 


 

VFC

コルトXM177E2

 

 

DATA

  • 全長:760mm/830mm(ストック伸長時)
  • 重量:2,850g
  • 装弾数:20発
  • 価格:¥70,180
  • お問い合わせ先:VFC

 

 ベトナム戦争中、米軍の要請により開発されたコンパクトカービンの完成型がXM177E2である。米軍のあらゆる部隊での採用を目指したが射程と精度の低下、銃声やマズルフラッシュが大きいなどといった問題があったため、限定的な採用に留まった。VFCのXM177E2はXMシリーズの後期型がモチーフとなっている。随所に刻まれた刻印等もリアルで、新規製作のレシーバー、バヨネットラグがオミットされたフロントサイト、A1ピストルグリップ、アルミストックといった特徴も忠実に再現されている。

 

 


 

VFC

モデル733コマンド

 

 

DATA

  • 全長:685mm/770mm(ストック伸長時)
  • 重量:2,270g
  • 装弾数:30発
  • 価格:¥62,480
  • お問い合わせ先:VFC


 M733はM855弾およびM16A2の採用に伴い開発されたカービンで、XM177E2の後継ともいえるモデルだ。M16A2シリーズの最短モデルとなるM733はこれまでの長大なXMハイダーをやめ通常タイプのハイダーを採用。誕生から数多のマイナーチェンジを繰り返しさまざまな派生型が存在するが、VFCのM733はモガディシュの戦闘におけるデルタフォースが使用したと思われる初期型を再現している。

 

 


 

  • フラッシュハイダー/バレル

 

 XM177にはマズルフラッシュの軽減と発砲音を抑える効果を持つ大型のハイダーを装備。対してM733は状況に合わせてサイレンサーを使用することのほうが効率的なため一般的なM16A1タイプのものがチョイスされている。アウターバレルの太さの違いも再現され、M733にはバレル上部にCOLT製を示す刻印が施されている。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • ハンドガード

 

 円筒形のハンドガードはどちらも放熱孔が6つ開けられたスリムタイプのハンドガードで同じものが使用されているようだ。後期生産型のXM177E2と前期型のM733では仕様変更などが行なわれていないパーツも多く存在していたため、このようなことはよくあることだ。どちらのハンドガードの内側にも金属製の遮熱板が組み込まれているリアルタイプで色合いもマットブラックになっている。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • 刻印(マガジンハウジング)

 

 マガジンハウジングの刻印はXM177E2がアメリカ政府の所有物であると明記されているのに対してM733は民間用と変わらないものが刻印され、コルトの跳ね馬のマークやロゴの違いが細かく再現されている。XM177E2は正規に発注されたもののためモデルナンバーが刻印されているが、M733のほうはM16A2の刻印だけで正確なモデルナンバーは刻印されていない。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • レシーバー左側のコルトアドレス

 

 コルトアドレスの違いはコルトの歴史に関わる部分である。XM177E2がコルト設立当初のColt Patent Firearmsを使い、M733はCOLT FIREARMSを使っているがM733を製造していたころのコルトは銃火器部門が分かれていたためである。刻印自体の入れ方もフルオートシアピンを跨いでまで長く3行に収めたXM177E2と短い4行のM733で変わっていた。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • エジェクションポート周辺

 

 M733にはA2モデルから採用された、排出された薬莢をはじくためのケースディフレクターが設けられているのが特徴だ。エジェクションポートカバーを閉めるためのロックピンもM733の方が強化されているので大きくなっている。XM177E2のハウジング部には出荷時に施されるUS DOD(アメリカ国防総省)認可のスタンプがつけられている。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • レシーバー前部

 

 XM177E2のレシーバーは見慣れたフラットな状態であるがM733のレシーバーには段差が残されている。この段差については用途は不明であるがM16A1のフレームと間違えないように目視や触って確認することに使われたのかもしれない。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • レシーバー右側(セレクターポジションマーク)

 

 XM177E2は無刻印のプレーンな状態であるが、M733にはセレクターエンドに刻みが入れられセレクターポジションを目視で確認できる。これによりM733では常に外部からセレクターの位置が確認できるので事故の可能性を低くできる。セレクター自体はアンビではないがセレクターポジションマークもレシーバーに刻印されているのでXM177E2より華やかだ。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

  • フォワードアシストノブ

 

 ゴルフクラブのパターのような楕円形をしたXM177E2のフォワードアシストノブは操作性に優れたもので、敢えてM4に付けて使用する猛者もいるほどだ。M733のフォワードアシストノブは円形になり装備品への引っ掛かりを防いでくれる。セレーションも両モデルではストライプとサークルに分かれている。

 

モデル733コマンド

 

XM177E2

 


 

レシーバー基部、リアサイト周辺、キャリングハンドル、グリップ、ストック、マガジンについてはこちら

 

TEXT:毛野ブースカ

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年6月号に掲載されたものです。

 

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