エアガン

2023/01/28

ナム戦の特殊部隊採用カービン&ランチャーがVFCから登場「VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン&コルトXM148グレネードランチャー」

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン

 

M4A1の先祖といえるM16のカービン試作モデルを再現

 

 コルトやヘッケラー&コック、ナイツアーマメントなどの主要銃器メーカーのオフィシャルライセンスドモデルを精力的にリリースしているVFCから、同社初となるコルトM16A1系統のガスブローバックガン「XM177E2」が登場した。

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン

※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。

 

 XM177E2といえばコルトM4A1カービンのご先祖様にあたるモデルであり、ベトナム戦争時代にMACV-SOG(ミリタリー・アシスタンス・コマンド・ベトナム-スタディーズ・アンド・オブザベーションズ・グループ=南ベトナム軍事援助司令部付研究・観察グループ)などによって使われたM16A1のショートバージョンである。
 いちばん最初に開発されたM16A1のショートバージョンであるCAR-15 SMG(コルトM607)の改良版として登場したXM177E2(コルトM629)は、11.5インチバレル、消炎性と減音性を兼ね備えた大型フラッシュハイダー、円筒形ハンドガード、フォワードアシストノブ付きA1タイプレシーバー、2ポジションリトラクタブルストックが採用されている。X=エクスペリメンタル(試験的、ちなみにE2のEもエクスペリメンタル)という名称のとおりアメリカ陸軍に制式採用されなかった。MACV-SOGなどで使われたり、試験採用的・非正規的な採用背景から特殊部隊の銃としてのイメージが強い。

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
長さ11.5インチバレルにはXM177E2のアイコンである大型フラッシュハイダーが装着されている

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
XM177E2を象徴するM4A1カービンのハンドガードに比べてひと回りほど細いCAR-15スキニーラウンドハンドガード

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
オールドスタイルなM16A1タイプのキャリングハンドル

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
ケースディフレクターはなく、M16A1と同じティアドロップタイプのフォワードアシストノブが付属

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
チャージングハンドルはアーリータイプを再現

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
前面にフィンガーチャンネルがないM16A1タイプのグリップ

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
実銃同様にカートリッジの弾頭部分を使って調整可能なフロントサイトポスト

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
左右の調整のみできるM16A1タイプウインデージダイヤル。ブレード(アパーチャー)はL字型

 

歴史的カービンライフルがガスブロでリアルに蘇る

 

 XM177E2は実銃の人気の高さに比例してトイガンでも各社から製品化されてきたが、決定版といえる製品は少なかった。今回VFCからリリースされたXM177E2は決定版といっても過言ではない出来映えを誇っている。フラッシュハイダーやハンドガード、レシーバーの形状、各部の刻印はもちろん、特にオミットされがちなリトラクタブルストックは形状・素材、伸縮ポジションに至るまで忠実に再現されている。これだけでも涙モノだ。

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
ハンドガード上面の放熱孔からはダミーガスチューブが見える

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
ハンドガード内側にはアルミ製のヒートシールド(放熱板)が内蔵されている

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
形状、素材ともにリアルに再現されたアルミ製のCAR-15アーリーモデル2ポジションリトラクタブルストック

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
レシーバー左側のコルトのアドレスも実銃同様。セレクターポジションはセーフ、セミ、フルオート

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
マガジンハウジング右側には出荷時に施されるUS DOD(アメリカ国防総省)認可のスタンプを再現

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
バレル下面にはコルト製のバレルであることを示す「C MP C」(Colt Metal ParticulateTested chrome-lined)の刻印が施されている

 

 表面はパーカライズド風仕上げ。マガジンは20連タイプを初実装。手にしてみるとスリムなハンドガードやストックのせいかM4A1カービンに比べてちょっと華奢な感じがする。M16A1に比べて軽量で取り回しやすく、特殊部隊で好まれたのがわかる。

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
最新のV3システムが搭載されたリアルな形状のボルトキャリアグループ

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
ロアレシーバー内のイグニッションパーツ類は確実な作動と高い耐久性を誇るスチール製。バッファーユニットはヘビータイプが採用されている

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
BB弾の装弾数も実銃と同じ20発の新開発ガスブローバックガン用20連マガジン。マガジンボトムにはリアルな刻印が施されている

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン
アウターバレル基部下側にホップアップ調整用のダイヤルが設けられている。調整にはハンドガードを外す必要がある

 

 ブローバックエンジンは同社が誇る最新のV3システムが搭載されており、撃ち応えは申し分ない。2022年末に開催された「2022 TAIWAN MOA EXHIBITION」ではM16A1も発表されており、今後のバリエーション展開が非常に楽しみだ。

 

VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン

 


 

VFC
コルトXM177E2ガスブローバックガン

 

DATA

  • 全長:760mm/830mm(ストック伸長時)
  • 重量:2,850g
  • 装弾数:20発
  • 価格:¥70,180
  • お問い合わせ先:VFC

 

 


 

VFC コルトXM148グレネードランチャー

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー

 

M203採用前の試験的ランチャーを再現

 

 40mmグレネード弾を発射する中折れ・単発式のM79グレネードランチャーがアメリカ軍に制式採用され、同じカートリッジが発射できるM16A1にアドオンできるグレネードランチャーとして開発されたのがコルトXM148グレネードランチャー(以下XM148)である。

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー

 

 1965年に陸軍でテストが開始され、改良が加えられた後、約1万挺以上のXM148が納入・配備された。しかし、複雑な撃発メカニズムから問題が発生したため1967年の段階で生産は中止。1968年にM203グレネードランチャー(以下M203)が制式採用された。XM148はM203と同じくバレルを前方にスライドさせてカートリッジの装填・排莢を行なうのだが、別途ファイアリングピンをコッキングしなくてはならず(M203はバレルを閉じるとコッキングが自動で完了する)、さらにプレス式のトリガーも操作しにくかった。XMという名称のとおり試作的・過渡的なモデルであった。

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
バレル下側にはバレルのリリースレバーを兼ねたフォアグリップが備わっている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
フォアグリップを前方にひねりながら押すとバレルが開放する。40mmグレネードカートリッジは下側から装填する

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
レシーバー後部中央にある逆L字型のパーツがファイアリングピン(ダミー)。実銃は引っ張ってコッキングする

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
ファイアリングピンの右側にプレス式のトリガー(矢印)が備わっており、銃本体に向けてトリガーバーが延長されている。トリガーを直接押す、もしくはトリガーバーを引くとトリガーが押されて発射される

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
レシーバー後部左側に備わっているスライド式のマニュアルセーフティ。Fの文字が見えるとオフ、Sの文字が見えるとオンとなる

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
本体左側に装着される着脱式のクワドラントサイトは角度はもちろんフロントサイトやリアサイトも実銃同様に調整可能

 

ナム戦マニア垂涎の過渡期モデル。コレクションに最適!

 

 VFCはXM148を40mmグレネードカートが使えるトイガンで初めて製品化。コルトとの正式契約により独特な形状、刻印はもちろん、複雑なメカニズムもリアルに再現。ボディ左側に装着されるクワドラントサイトもかなり凝った作り。

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
マズルは段付きとなっており、バレル内側にはライフリングがリアルに再現されている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
レシーバー前方上側にはバレルに装着するためのバレルマウントが設けられている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
コルトXM177E2と同様、US DOD(アメリカ国防総省)認可のスタンプを再現

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
レシーバー左側にはオフィシャルライセンスドモデルらしくコルトの刻印が忠実に施されている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
レシーバー右側に設けられたスリングスイベル後方には銃名とシリアルナンバーが打刻されている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
M16A1に装着する時に用いるスチールプレス製のアッパーハンドガードが同梱されている

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
40mmグレネードカートを発射。操作にややコツがいるもののベトナム戦アイテムとして重宝することは間違いない

 

 もちろん同社のコルトXM177E2や次期新製品のコルトM16A1に無加工で装着できるので実銃同様の運用も再現可能だ。これだけ再現度が高ければ資料的価値も非常に高い。歴史的にはきわめて短命だったモデルだが、だからこそコレクションアイテムとして手に入れておきたい逸品だ。

 

VFC コルトXM148グレネードランチャー
▲VFC コルトXM177E2ガスブローバックガン&コルトXM148グレネードランチャー

 


 

VFC
コルトXM148グレネードランチャー

 

DATA

  • 全長:430mm
  • 重量:1,250g
  • 装弾数:1発
  • 価格:¥56,980
  • お問い合わせ先:VFC

 

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
撮影協力:ユニオンベース

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年3月号 P.68~73をもとに再編集したものです。

 

 

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