実銃

2023/04/07

天才“ブローニング”の血を継ぐFN傑作の機関銃「FN MAG 汎用機関銃」【無可動実銃】

 

この1挺は戦うために作られてきた本物の銃だ。
数奇な運命に導かれ、今はこの日本という平和な地で静かに眠っている。
発射機構を排除され魂を抜かれても、その銃の魅力が廃れることはない。
時代と共に歩んだ歴史を、培われた技術体系を銃はその身を持って示してくれる。
その姿は銃に魅了された我々に新たなる知見をもたらすことだろう。
さあ、今回も無可動実銃のことを語ろう……。

 

 


 

天才ブローニングの教えを受けたメーカー

 

 

 

FN MAG 汎用機関銃(#3025)

  • 全長:1,260mm
  • 口径:7.62mm×51
  • 装弾数:20/36/40/50/71発
  • 価格:¥187,000

 

ボルトもメカニズムはBARとほぼ同じだ。BARが下方給弾だったのに対しMAGは上方給弾のため逆さになっている

 

バイポットはスプリングテンションで瞬時に展開が可能だ。同時期の機関銃の中でも最大級の大きさが頼もしい

 

 現在の軍隊において機関銃の果たす役割は非常に大きい。歩兵が用いるだけではなく車輌、航空機、船舶などにも搭載されており小銃よりも遥かに使用頻度が高いからだ。そんな機関銃というジャンルの頂点に立っているのがFN MAGなのである。

 

トリガーユニットはMG42のものを採用。かつての敵と味方両方の長所を柔軟に取り入れたことで最良の機関銃となっている

 

 開発に直接関わってはいないが、FN MAGには天才銃器デザイナーであるブローニングの影響を強く感じられる。これは晩年のブローニングがFNと親密な関係を結び同社のデザイナーたちを教育したことと、第二次世界大戦後にFNが連合国軍の銃器メンテナンス業務に携わったことで、BARやM2キャリバーなどのブローニング機関銃の構造を熟知できたからだ。また連合軍が慣れ親しんだシステムを流用することで、戦後の更新に有利に働くといった、したたかな戦略も窺える。

 

見るからに堅牢なレシーバー側面の丸い突起はすべて左右分割式のレシーバーを繋ぐリベットだ。戦車や艦艇に使われる強固な組み立て方式が用いられ機関砲のようなルックスとなっている

 

強力な機関銃を支えるストックは21世紀になるまで木製のものが主流であった。サイドスリットは滑り止めだ

 

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TEXT:IRON SIGHT

撮影協力:フォリッジグリーンときがわ

    (埼玉県比企郡ときがわ町大字玉川)

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年5月号に掲載したものです

 

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