実銃

2023/02/22

【実銃】個人防衛火器の傑作「FN P90」とは

 

個人防衛火器Personal Defense Weapon

 

 PDW(個人防衛火器Personal Defense Weapon)として登場したP90は、その特性からカテゴリー名とは裏腹に、特殊部隊などの攻撃的任務にも用いられてきた。性能は高く、本来の用途である車輌乗員や後方部隊員の自衛用としての役目も含め、登場から約30年経った今でも現役で活躍している。今回はその実銃レポートを公開しよう。

 


 

 

FN HERSTALとP90

 

 FN HERSTALは時折突飛な銃を開発する。「半国営企業」という肩書きだけを聞くとお堅い製品ばかり作っていそうな印象があるものの、実際にはF2000やP90といった、SF映画に登場しそうなデザインの銃も作れるだけの柔軟性を持っているのだ。1996年から1997年にかけて発生した在ペルー日本大使公邸人質事件の際、突入する特殊部隊員がP90を所持している映像が流れ、かの銃は広く知れ渡るようになった。

 特殊部隊に採用されて以降、あまり話題に上らなくなったP90だが、登場から30余年経った今でもカタログから消えることなく現役のラインアップとして君臨している。これは車輌乗員やパイロット、補給部隊などの後方部隊員の自衛用火器としていまだ高い需要があるからだ。紆余曲折を経て、PDWとして本来の役目に落ち着いたともいえる。

 

 

FN P90 Standard

  • 使用弾:5.7mm×28 NATO
  • 全長:505mm(サプレッサー含まず)
  • バレル長:264.15mm
  • 重量:2,800g
  • 装弾数:50発

 

 P90はスタンダードモデル、タクティカルモデルともに緊急用のアイアンサイトを備えているのが面白い。左右対称でブルパップながら利き手を選ばない作りとなっていて、それに合わせてサイトも左右に用意しているあたり生真面目である。

 

P90スタンダードに付くサイトは英国のRING SIGHTS製のMC-10-80。ドットではなくアイアンサイトのように黒いサークルが表示される。P90の高さにフィットしていて視認性もよい

 

マガジンキャッチは両サイドをつまみながら後退させる。これも最小限の出っ張りだが充分に操作しやすい。マガジンを上から掴むように手を持っていき親指と人差し指で操作する

 

シースルーの専用マガジン。マガジン内では弾は横向きに収まっている。マガジンの給弾口付近で螺旋階段のように90度回転して弾頭が前方を向くようになる

 

マガジンの装填部分。この円形の溝の上からマガジンを押し込んで固定させる独特の装填方法を採用している。そのおかげで無駄に出っ張るところはなく、そのうえ50発という装弾数を誇る。その円の前方にはレシーバーを分離するためのバレルサポートロックがある

 

P90タクティカルはピカティニーレールが装備され、ハンドガードにはレーザーも標準装備されているのが大きな特徴だ。これにより自分に合った光学器機を取り付けることが可能となった

 

 より詳しいレポートは月刊アームズマガジン2023年2月号に掲載されているので、気になる方はチェックしていただきたい。次回は実射のレポートを公開しよう。

 

続きはこちら

 

Special Thanks to FN HERSTAL : https://fnherstal.com
Photo&Text:櫻井朋成(Tomonari Sakurai)

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年2月号 P.226-233をもとに再編集したものです。

 

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