実銃

2023/01/12

【実銃】FN最新軽量機関銃「FN EVOLYS」を実射してみた

 

最新機関銃・EVOLYSの実力

 

 FN本社に潜入し、最新機関銃・EVOLYSを射撃した。今もっとも注目されるマシンガンはMINIMIからどう進化したのか!? 今回はその最新機関銃の魅力に迫った実射レポートを公開しよう。

 

FN EVOLYSとは?

 

 

EVOLYSを実射!

 

 撃ち慣れた口径であっても、新しいカテゴリーの銃を撃つのは新鮮な気持ちである。ボックスマガジンは銃と接続される上面は樹脂製だが、下部は布である。底面の縁に沿ってファスナーが走っており、そこを開いてベルトリンク付きの弾薬を入れていく。まずは給弾口から数発分飛び出した状態にして、そこからベルトを箱の長さに合わせて折り畳むように収めていく。ファスナーを閉め、縁をホックとベルクロで固定したら準備完了だ。ボックスマガジンは新品のためややきつめ。初弾を装填するにはまずコッキングレバーを引いてボルトを後退させる。フィーディングカバーを開き、マガジンから飛び出している初弾を引っ張り出し、弾頭から潜らせるように装填位置に置く。この時ベルトの位置がいい加減になっていても、カバーを閉じると正確な位置に収まってくれる。MINIMIでは正確に初弾を置き、ベルトも正しい位置に収めないといけなかったが、EVOLYSではそうした動作が省かれるので素早いリロードが可能になっているのだ。

 

装填の際はコッキングハンドルを引いてボルトを後退させる。装填は必ずボルトを開いた状態で行なう。ボックスマガジンを取り付けたら必要な長さにベルトを引き出す

 

初弾の弾頭を潜らせるように所定の位置に置く。この作業は正確に行なわなくてはいけない

 

カバーを閉じて射撃準備完了。それと同時にベルトの位置が自動で正しい位置に補正される

 

 射撃準備が整い、EVOLYSを構える。マガジンにはMINIMI同様大量の弾薬が詰まっているのでずっしりと重いが、それでも銃自体が軽いおかげでアサルトライフルのように構えることができる。
 まずはセミオートで試射。リコイルが激しいということもなく、しっかりと抑えられているのがわかる。数発射撃してフルオートに切り替える。フルオートにしてもそのリコイルの感覚は変わらず、射撃中ドットサイトから見えるターゲットは常に視界の中に収まっている。つまりリコイルを完全にコントロールできているということだ。MINIMIだとその重さから構えるのがやっとで、立射だと正確な射撃をするには相当な筋力が必要である。一方でEVOLYSでは全弾ターゲットに収められるという自信がある。これは7.62mm×51弾でも同様だ。ただし、さすがに筆者の筋力では最後までトリガーを引きっぱなしというわけにはいかなさそうだが。

 

ベルトをマガジンに入れず垂らした状態での射撃。7.62mm×51の重量のあるベルトを難なく飲み込んでいき、100発を撃ちきった

 

射撃後に中を覗いても、ベルトリンクが残ることなくきれいに排出されていた

 

 EVOLYSはMINIMIの後継というわけではないが、そのMINIMIも登場してすでに40年。そろそろ置き換えの時期に来ている。実際、フランス軍がEVOLYSを次期機関銃候補に挙げているという。実際に置き換えられるようであれば、その運用も大きく変わっていくことだろう。さらに、各国特殊部隊が大いに興味を示しており、採用されれば戦術が新たになっていくのは想像にたやすい。大きな可能性を秘めた新カテゴリーとして登場したEVOLYS。実際に射撃して、FN HERSTALの謳い文句に嘘がないことがはっきりと分かった。これからも注目して見守っていきたい。最後に、世界で初めてレポートするチャンスをくれたFN HERSTALの担当者には大いなる感謝を送りたい。

 この実銃のより詳しいレポートは月刊アームズマガジン2023年1月号、月刊ガンプロフェッショナルズ2023年1月号に掲載されているので、気になった方はそちらもご覧いただければ幸いだ。

 

Special Thanks to FN HERSTAL : https://fnherstal.com
Photo&Text:櫻井朋成(Tomonari Sakurai)

 

この記事は月刊アームズマガジン2023年1月号 P.30~39をもとに再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×