実銃

2022/05/22

【実銃】M249の置き換えを目指した軽機関銃「FIGHTLITE MCR」を実射

 

画期的なデザイン。その実力とは?

 

 FIGHTLITE MCRはAR15/M4のアッパーレシーバーを載せ換えるだけで、200連のベルト給弾軽機関銃に変身させることができるなど、画期的なデザインを採用している。では、その実力はどうなのだろうか? 今回はその実射を検証したレポートを公開する。

 

【実銃】FIGHTLITE MCRのレポートはこちら

 


 

 

実射で見えてくる実力

 

 今回の実射は、フルオート射撃でなおかつその弾幕の威力も見てもらいたかったので、筆者の住むロサンゼルス近郊から1時間ちょっと離れたレンジを貸し切って行なった。用意したアモ(弾薬)は、基本のウィンチェスターのFMJ(初速3,240fps)から各種LE用デューティ/トレーニングアモ、そして参考用のリロードとミリタリーアモ達である。

 

過熱したバレルを交換して撃つ。やはりグリップポッドで固定して撃つとその安定感は格段に向上。プローンからの射撃が一番集弾性が高くなる。エンプティケースはやや前方横に飛ぶ。リンクが飛んでいるのもわかる。発射サイクルはアモによって変わるが、このミリタリーサープラスだと毎分800発を超えているようだ

 

 はじめはリロード弾から撃ち始めたが、2〜30発に1回、マルファンクションが出てしまう。どうも弾速が控えめのようで、ボルトが後退不良を起こしているようだ。ウィンチェスターのファクトリー弾に変えてみると快調にサイクルするようになった。サイクルレートは資料には毎分650〜800発とあるが、実際には毎分800発以上あるかもしれない。意外だったのは、フェルトリコイル(撃ち手が感じるリコイル)が結構きついという点だ。軽量とはいえ100連ベルトを装填すれば10lbs(4.5kg)を超えるライフルから5.56mm弾を撃っているだけなのに、ピストンシステムのせいか肩にビンビンとリコイルがくる。

 

テーブルから、50ヤード先のマンターゲットに3〜4発のバーストで50発を撃ち込んでもらった。ターゲットの後ろの土手、やや左上方向に砂煙が上がっているのがわかる。

 

1発目はへそ周り、2発目は左上方、3発目以降は左上のかなたに飛んでしまったと思われる

 

そこで、より安定すると思われるプローンからの50発も同様に試してみた

 

このサイズのターゲットが1枚しかなかったため重ねて撃ってしまったが、明らかにプローンのほうが集弾しているのがわかる

 

 実射テストでは300発を超えたあたりから、ちょくちょく排莢不良とボルトの後退不良が起こり、リンクがジャムするようになってきた。何とかガロンジャグとコンクリートブロックの破壊力テストはこなしたが、やはり実戦の場で使い倒すには、堅牢さと信頼性に不安が残る結果となった。このあたりが、IARトライアルに漏れた理由なのだろう。それでも、今回は5.56mm×45口径の威力とポテンシャル、そして実戦における効果を想像できる貴重な経験となった。

 

コンクリートブロックの破壊力テスト。1発がブロックの両面を貫通後、後ろに置いた水ボトルを撃ち抜いている

 

粉砕中。ここまでで10発ほどか

 

残り20発ほどでほぼ全滅となった。5.56mm×45とはいえ、破壊力は凄い

 

 使用したのは堅牢なアメリカ製コンクリートブロックだが、一連射で粉々になってしまった。5.56mm×45(55グレイン)の威力侮るなかれの感を強くする一幕であった。月刊アームズマガジン2022年5月号ではこの実銃のレポートをさらに詳細に掲載しているので、ぜひそちらもご覧いただければ幸いだ。

 

Text & Photos:Hiro Soga

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年5月号 P.62~69をもとに再編集したものです。

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