実銃

2022/10/15

【実銃】H&K UMPのクローンモデル「OMEGA ARMORY GIDEON SHADOW .45ACP」の実力

 

H&K UMP Clone

 

 H&K UMPは、1999年にH&K MP5の進化型としてデザインされた軍&法執行機関向けのサブマシンガンである。今回は市場に出回っていないH&K UMPのクローンであるOMEGA ARMORY製 “GIDEON SHADOW .45ACP(ギデオン・シャドウ.45ACP)”をフィーチャーして、.45ACP口径サブマシンガンの魅力に迫ってみたい。

 

 

OMEGA ARMORY
GIDEON SHADOW .45ACP

 

  • 使用弾:.45ACP
  • 全長: 455mm/695mm(ストック伸長時)
  • バレル長:200mm
  • 重量:2,470g
  • 装弾数:25発

 

H&K UMPのクローン

 

 OMEGA ARMORY製“GIDEON SHADOW.45ACP”(ギデオンシャドウ.45ACP:以下GS45)は、H&K UMP(ユニバーサル・マシン・ピストル)のクローン。年代によっていくつかの仕様が存在するものの、本家とのパーツ互換性もあるいわゆるフルコピーモデルである。
 H&K UMPはUSミリタリー/ローエンフォースメント用に開発されたサブマシンガン(以下SMG)なので、一般市場にはリリースされていない。その代わりH&KはUSC(ユニバーサル・セルフローディング・カービン)という16インチバレルにサムホールストックを組み合わせた、一般向けセミオートモデルを販売している。このUSCのパーツを利用してUMPクローンにコンバートするキットとしてリリースされたのが、GSシリーズなのである。

 

刻印のない右側はポリマーの地肌のせいもあり、なんとなくのっぺりとした印象だ

 

ストックを折りたたんだ状態でも発射は可能だ。ストックにはエジェクションポート部分をクリアにする切り欠きがある。ただし、このおかげでSMGとしては全長が長めになってしまっている

 

このトリガーグループは、セーフ、セミオート、フルオートのポジションを備えている。ほかにも2点バーストポジションを備えたモデルもある

 

H&Kオリジナルの7.8インチ銃身。専用サプレッサーやマズルデバイスもある

 

GIDEON SHADOWの刻印。中にはこの刻印を打ち直してHKロゴを入れた製品も存在する。ポリマー製なので、簡単に修正ができてしまうのだ

 

 今回レポートするGS45のオーナーであるエレンは、8インチ銃身、ピストルブレース付きの完成品であるGS45を手に入れたが、あまりの調子の悪さに閉口してしまったのだという。


「閉鎖不良から排莢不良、ファイアリングピンのストライク不良、ダブルフィードやケースの変形まで、ありとあらゆるマルファンクション(機能不全、故障)のオンパレードだった。
 でも私がGS45を手に入れた理由は、.45ACP口径のフルオートSMGとしてのH&K UMPを、クリスベクターやトンプソンSMGと比べてみたかったからなんだ。だからまともに機能させるために、バレル、ボルト、内部パーツ、ストックといった重要パーツをすべてオリジナルのH&K製に換装して、フルオートモデルとして仕上げてみた。
 バレルとボルトを換装した時点で、マルファンクションはほぼゼロになった。やっとHK UMPの実力の片鱗を見ることができるようになった感じだね」

 

 では、OMEGA GIDEON SHADOWから窺えるH&K UMPの実力は一体どのようなものなのだろうか? 次回はその実射レポートを公開しよう。

 

TEXT&PHOTO:Hiro Saga

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年10月号 P.194~201をもとに再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×