東京マルイMP5系電動ガンを撃ち比べ!!

東京マルイの電動ガンシリーズの中でもMP5はスタンダードタイプ、ハイサイクルタイプ、次世代電動ガンのいずれのカテゴリーでも商品化され、3つのカテゴリーを通してレシーバーやストックなど同一の外観(ハイサイクルタイプのみドラムマガジンが付属)を有している唯一のモデルだ。ここでは東京マルイが誇る3つの電動ガンの違いと特徴、実射性能をMP5シリーズを用いて解説する。
東京マルイ
H&K MP5A5
(ハイグレードバージョン)

DATA
- 全長:490mm/660mm(ストック伸長時)
- 重量:1,900g
- 装弾数:50発
- 価格:¥28,380
東京マルイ
H&K MP5A5 HC

DATA
- 全長:490mm/660mm(ストック伸長時)
- 重量:1,800g
- 装弾数:400発
- 価格:¥32,780
- お問い合わせ先:東京マルイ
東京マルイ
次世代電動ガン
MP5A5

DATA
- 全長:500mm/660mm(ストック伸長時)
- 重量:3,100g
- 装弾数:72発
- 価格:¥65,780
- お問い合わせ先:東京マルイ
ディテール比較
以上の3機種について、まずは外観や内部メカの細かい部分を比較していく。よく見るとそれぞれ違いがあるのがよくわかる。
マズル
スタンダードタイプ、ハイサイクルタイプともにマズルカバーを外すとサイレンサーやトレーサーの装着に便利な14mm逆ネジが現れる
次世代電動ガンはリアルさを考慮してネジは設けられておらず。付属の3LUGマズルアダプターを装着してサイレンサーやトレーサーを装着する
ハンドガード
スタンダードタイプ、ハイサイクルタイプともに三角形断面のハンドガードが付属。内部はバッテリーコンパートメントになっている
ハンドガードなどの樹脂パーツは実物ハンドガードを砕いて成分分析を行ない、それに近い樹脂を特別にオーダーして成型しているという
コッキングハンドル
スタンダードタイプとハイサイクルタイプはコッキングハンドルを引いて固定できるもののロックを叩いて戻す「HKスラップ」は少々厳しい
次世代電動ガンはアッパーフレームとコッキングチューブのつなぎ目は精密なCNC加工により境目がほぼわからない。もちろん「HKスラップ」ができる
ホップアップの調整方法
スタンダードタイプとハイサイクルタイプはハンドガード後部左側に露出しているレバーをスライドさせて調整する。分解せずにできるが細かな調整は難しい
次世代電動ガンはコッキングハンドルを引いてダミーボルトをオープンさせると調整用ダイヤルが現れる。調整範囲が広く細かな調整にも対応できる
レシーバー/セレクターポジション
すべて強化樹脂製のスタンダードタイプとハイサイクルタイプのレシーバーとロアフレーム。表面は塗装仕上げ。セレクターのポジションはセーフ/セミ/フル
次世代電動ガンのレシーバーは亜鉛ダイキャスト製、ロアフレームは塗装ではなくシボ加工が施された実銃に近い樹脂素材を使用。セレクターのポジションはセーフ/セミ/3バースト/フル
ストック
スタンダードタイプとハイサイクルタイプは次世代電動ガンに比べるとガタがややあり、もう少し剛性感が欲しいと感じるかもしれない
次世代電動ガンはガタツキはいっさいなく剛性感は申し分ない。滑り止めが施されたバットプレートも実物の素材に近い強化ナイロン樹脂で成型
マガジン
ハイサイクルタイプには装弾数400発のドラムマガジンが標準装備されており、装弾数50発のスタンダードタイプのマガジンと共用できる
スタンダードタイプと互換性のない次世代電動ガンのマガジン。スチールプレス製で実物同様に継ぎ目を全周溶接して作られている。装弾数は72発
内部メカ
ハイサイクルカスタムのメカボックス。バージョン2メカボックスをベースに内部パーツの変更やリセッティングだけではなく、メカボックスの耐久性もアップしている
次世代電動ガンのメカボックス内部の様子。FETとメカボックス上部にリコイルウエイトが搭載され、ギア類の配置も大幅に変更されている
実射性能比較
続いて実射性能を比較する。サバゲーで使用することを意識している方はぜひ性能についてもチェックしていただきたい。
初速
スタンダードタイプの初速は86.2m/s(0.74J)。電動ガンとしては平均的な数値だ
ハイサイクルタイプの初速は80.3m/s(0.64J)。ピストンストロークの変更により初速はスタンダードタイプより低めとなっている
次世代電動ガンの初速は90.5m/s(0.81J)。伸びのある弾道を実現するのに一役買っている
20mでのセミオートでの集弾性
20m先にあるA3判のペーパーターゲットに0.20gバイオBB弾を用いてセミオートで10発撃ち込んでみた
スタンダードタイプでの結果。3発外れたものの7発分は握りこぶしくらいのサイズにまとまっていた。電動ガンとしては平均的だ
ハイサイクルタイプでの結果。バレル周りも再セッティングされているためかスタンダードタイプよりも良好な集弾性となった
次世代電動ガンでの結果。1発外れているもののまとまり具合は良好。弾道の感じもひと味違う感じだった
フルオートの連射速度
フルオートの連射速度を視覚的に再現するために20m先にあるA3判のペーパーターゲットに向けて3秒間撃ち込んでみた
スタンダードタイプでの結果。全弾撃ち切ることはなかったが、およそ35発(秒間12発ほど)着弾していた
ハイサイクルタイプでの結果。スタンダードタイプや次世代電動ガンに比べると圧倒的に多くの弾が発射されているのがわかる
次世代電動ガンでの結果。ハイサイクルには及ばないもののスタンダードタイプよりも速かった。フルオートの集弾性も申し分ない
まとめ
今回初めてスタンダードタイプ、ハイサイクルタイプ、次世代電動ガンを撃ち比べてみた。当たり前だが、最新スペックの次世代電動ガンは外観の出来映え、手にした時のフィーリング、実射性能すべてにおいて高評価を叩き出している、ただしスタンダードタイプが2挺買えるほどのハイプライスだ。一方、登場から20年以上経つスタンダードタイプは軽量で取り回しやすく、ベテランらしい懐の広さを感じ取れた。ハイサイクルはサバイバルゲーム用ウェポンとして見た場合かなり使いやすく、特にフルオートで連射した時の制圧力はハイサイクルならではだ。値段もこなれており入門用としてもお薦めできる。3タイプそれぞれの特徴を踏まえたうえで購入することをお薦めする。

この記事は月刊アームズマガジン2022年11月号 P.30~33をもとに再編集したものです。