ミリタリー

2022/08/21

【陸上自衛隊】第7師団はさまざまな部隊で編成されている

 

陸自随一の機動打撃力

 

 我が国において唯一の機甲師団である第7師団は多数の戦車が集中配備され、さらに随伴する普通科部隊や特科部隊なども機械化。陸自随一の高い機動打撃力を持つのが特徴である。今回は同師団を構成するさまざまな部隊について解説しよう。

 

日本唯一の機甲師団「第7師団」についてはこちら

 

第7師団の編成

 

 

第71戦車連隊

 

部隊マークの「鉄牛」は、緑の北海道石狩平野に踏ん張る牛と、数字の7(第7師団)を図案化

 

従来の90式戦車に加え、新鋭の10式戦車も配備が進みつつあり、2種類の戦車が運用されている。北千歳駐屯地に所在する

 

第72戦車連隊

 

部隊マークは機甲のルーツたる騎兵をイメージした「白馬」

 

90式戦車を装備。北恵庭駐屯地に所在する。昨年冬の北部方面隊戦車射撃競技会では、90式戦車の部門(中隊および小隊の部)で隷下部隊が優勝を果たしている

 

第73戦車連隊

 

部隊マークの「勝兜」は恵庭岳のシルエットを背景に履帯爪と勝利を意味するV字。連隊番号の73を戦車に見立てて図案化している

 

90式戦車を装備。南恵庭駐屯地に所在する。平成26(2014)年にコア部隊から改編しフル充足化

 

第11普通科連隊

 

6個普通科中隊を基幹とし、装軌式の89式装甲戦闘車(写真)や73式装甲車などを装備して機械化。また、隷下の重迫撃砲中隊は日本で唯一、96式自走120mm迫撃砲(120mm迫撃砲RTを装甲車体に搭載)を装備する部隊となっている。東千歳駐屯地に所在

 

第7特科連隊

 

東千歳駐屯地に所在。約30km(ベースブリード弾使用時約40km)の長射程と、装填の自動化による高い発射速度を誇る99式自走155mm榴弾砲を装備する。4個特科大隊を基幹とし、戦車部隊や普通科部隊の火力支援を行なう

 

第7高射特科連隊

 

87式自走高射機関砲(写真)を装備する4個高射中隊(所在地:東千歳駐屯地)と、81式短距離地対空誘導弾を装備する2個高射中隊(所在地:静内駐屯地)が基幹。師団の防空を担任する

 

第7後方支援連隊

 

各部隊が運用する車輌の整備支援を担任する2個の整備大隊と補給隊、輸送隊、衛生隊などで編成。整備大隊には90式戦車回収車(写真)や73式装甲車などが配備されている。主に東千歳駐屯地に所在

 

第7施設大隊

 

障害処理や河川への架橋など、施設作業を担任。主要装備は92式地雷原処理車、施設作業車(写真)、91式戦車橋など。東千歳駐屯地に所在

 

第7通信大隊

 

師団通信システムを中心に、73式装甲車や各種トラックを装備。写真は師団通信システムの構成機材の1つである無線搬送装置2号。東千歳駐屯地に所在

 

第7化学防護隊

 

師団隷下の化学科部隊で、東千歳駐屯地に所在。CBRN(化学・生物・放射性物質・核)対処を担任し、主要装備は化学防護車(写真)、除染車など

 

司令部付隊

 

師団の中枢である師団司令部を支える部隊で隊本部、管理小隊、情報処理システム班、車輌小隊などで編成。写真は82式指揮通信車

 

第7偵察隊

 

3個の戦闘偵察小隊と斥候小隊、電子偵察小隊を基幹とし、東千歳駐屯地に所在。主要装備は90式戦車、偵察用オートバイ(写真)、87式偵察警戒車などで、戦車を装備する偵察隊は陸自で唯一となっている

 

第7飛行隊

 

丘珠駐屯地に所在する師団の航空科部隊。主要装備は写真のUH-1J多用途ヘリコプター

 

第7音楽隊

 

師団の音楽科部隊で士気高揚、式典、広報活動等における演奏を主な任務とする

 

 以上、記念行事で見られた第7師団隷下部隊を解説した。さらに詳しくは月刊アームズマガジン2022年8月号に掲載されているので、そちらも併せてご覧いただければ幸いだ。次回は第7師団の要となる装備、10式戦車と90式戦車について解説する。

 

Planning & Photos : 笹川英夫

取材協力:陸上自衛隊第7師団

 

この記事は月刊アームズマガジン2022年8月号 P.104~107をもとに再編集したものです。

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