2019/01/14
Air Gun Custom Enthusiast Vol.3 .45口径神話に生きるHK45カスタム 【2019年2月号掲載】
心を揺さぶるカスタムガンは人それぞれにあるが、それが必ずしも製品化されているわけではない。例えばたった1枚の写真からその銃の背景を探り同じものを作ってみることもカスタムなのだ。ここでは有名、無名にかかわらず気になった銃を製作、紹介したい。
幻に終わったNEWソーコムピストル
H&KではSOCOMの要求を満たす特殊作戦用拳銃を開発し、1996年にはMk.23 Mod.0ソーコムピストルが採用されたが、現場の特殊部隊員には不評でわずかな期間で姿を消してしまった。H&K自体もMk.23には満足はしていないようで、USPをベースに新たな.45口径の自動拳銃を開発。Mk23の失敗を糧にデルタフォース出身のラリー・ヴィッカーズをはじめとする特殊部隊員の意見が大きく反映され、彼らが求める理想的なデューティピストルを目標として設計された。HK45を開発中、Mk23の後継拳銃を選定するJoint Combat Pistol(JCP)プログラムがスタートしJCPプログラムの要求に沿って完成させたが、2006年秋に計画自体の無期限延期が決定されたため採用には至っていない。
SOCOMには採用されなかったがネイビーシールズにHK45CがMk.24 Mod.0として採用されるなどHK45のポテンシャルは高い。多くのハンドガンがディフェンス用なのに対してHK45はアサルトウェポンとして設計されたハンドガンだ。プロが使用することが前提なため無駄や妥協がないので、一部の特殊部隊オペレーターが使用したほどだ。SOCOMピストルとして競い合ったFNX-45が東京マルイからガスブローバックガンとして発表されたので、いま一度HK45をSOCOMピストルとして再考してみた。ベースガンは東京マルイのHK45だ。
サイレンサーバレルはHK45タクティカル用の純正品。スライド前部にセレーションを追加してスライドの操作性を向上させている
16mm正ネジ仕様のバレルにはソーコムピストルのサイレンサーが装着可能。採用されていればこのような組み合わせが実現していたかもしれない
フロント、リアともにハイプロファイルサイトをチョイス。CRUSADER製のVP9用のHEINIEサイトセットを加工して取り付け
ハイプロファイルサイトのおかげでサイレンサーを装着してもサイティングが可能だ
トリガーストップスクリューはKSCのUSPタクティカルから流用し、ミニSOCOMの面影を残してみた
フィンガーチャンネルを除去してフラット仕上げに変更。ハイグリップが可能になりフィーリングが良好になった
まずはサイレンサーの使用が前提となっているためサイレンサーバレルと交換。JCPプログラムに提出されたプロトタイプはMk.24と同様のグリップだったが、サイレンサーを装着するとフロントヘビーになってしまうため、ハイグリップで対応できるようフィンガーチャンネルだけをオミットした。ハイプロファイルサイトはサイレンサー装着時でもシューターにサイトピクチャーを与えてくれる。様々なアクセサリーを装着するとスライド操作が困難になるためフロントセレーションの追加。HK45のデザインは優秀なのでこの程度のカスタムでSOCOMピストルに生まれ変わる。
TEXT:IRON SIGHT
この記事は2019年2月号 P.86~87より抜粋・再編集したものです。