2018/08/21
東京マルイ「89式5.56mm 小銃固定銃床型」試作品レビュー
東京マルイ
ガスブローバックガン 89式5.56mm 小銃固定銃床型
昨年末に発表されて以来、多くのトイガンファンが発売を楽しみにしている東京マルイのガスブローバックガン89式5.56mm小銃固定銃床型(以下ガスブロ89式)。本誌でも途中経過を何度かお伝えしてきた。今回、待望の実射可能なサンプルが入手できたので、内部メカニズムを含めた実射インプレッションを中心にお伝えしよう。
ライフルタイプのガスブローバックガンの常識を覆したパフォーマンスを持つ東京マルイのM4A1 MWSシリーズは、高い耐久性を実現するためにZシステムやピストンアブソーバー、フリクションレリーフボルトローラー、バレルクランプ機構などが採用されていた。シリーズ最大の特徴であるZシステムは、ロアレシーバー(ハンマーユニット)内に内蔵されていたが、ガスブロ89式ではボルト前部左側に「ボルトストップダンパー」を設置。マガジンフォロアーによって持ち上げられたボルトキャッチが前進してくるボルトの前方を受け止める構造のため、あえてボルト側に設置したのだろう。マガジン内の残弾がなくなると、ボルトは確実にホールドオープンされる。ボルトリリースはボルトキャッチを押し下げて行なう。
一方、ロアレシーバー内は、フルオートシアやハンマー、トリガー、ノッカーなどが組み込まれた「ハンマーユニット」と、発射弾数を制御する「送り腕」や「カウント板」などを組み込んだ「バーストメカ」に分割されている。3発制限点射(3バースト)は機械式で制御されており、コンスタントな作動を実現。パーツ構成のリアルさを保ちつつ、エアガンとしての実用性・堅牢性が徹底的に追求されている。
アッパーレシーバーとロアレシーバーの分割(テイクダウン)方法は限りなく実銃に近いプロセスを再現している一方、テイクダウンパーツ(リコイルスプリングガイドやテイクダウンラッチがセットになったパーツ)下部にロックピンを追加することで、分割時にテイクダウンパーツが飛び出ることを防いでいる。細かい箇所にも「エアガンとしての実用性」が配慮されている。ボルトアッセンブリーは先ほど述べたZシステム搭載以外にも専用ブローバックエンジン、ロングストロークタイプのボルトキャリアやロッキングラグの形状も再現されている。ガスシリンダーには穴が開いており、ボルトシャフトが前後動する様子が伺える。
実際に手にしてみると、電動ガン89式の3,700gに比べてガスブロ89式は実銃と同じ4,000gと重くなっており、ずっしりとした手応え。さらにボディ全体の剛性感も向上しており、電動ガン89式とはまったくの別物に仕上がっている。実射してみると、M4A1 MWSとは異なる作動フィーリングとリコイルショックが明確に体感できる。3バーストはメリハリがあって小気味よく発射され、3発発射後の初速の低下も極力抑えられている。M4A1 MWSの特徴でもあった命中精度の高さは、ガスブロ89式でも受け継がれており、吸い込まれるように遠距離のターゲットにヒットする。3バーストでも命中精度は高く、ターゲットに対して効果的に弾を送り込める。期待以上の性能を発揮してくれた。
他の追随を許さない完成度の高さを誇る東京マルイのガスブロ89式。手にした瞬間、きっと満足できるはずだ。発売まで今しばらくお待ちいただきたい。
ディティール
内部メカニズム
実射インプレッション
DATA
- 全長:916mm
- 全高:250mm(30連マガジン装着時)
- 全幅:65mm
- 重量:4,000g
- 装弾数:35発
- 平均値…77.4m/s(0.60J)
- 集弾性:85mm(20m)
- 価格:¥64,800(税別)
- お問い合わせ先:東京マルイ TEL03-3605-3378
初速(m/s) | |
1発目 |
76.8 |
2発目 |
77.0 |
3発目 | 77.3 |
4発目 | 77.1 |
5発目 |
77.2 |
6発目 | 77.3 |
7発目 | 78.1 |
8発目 | 77.3 |
9発目 | 77.6 |
10発目 | 78.1 |
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:サバイバルゲームフィールドHEAD SHOT