2018/08/21
東京マルイ MTR16 製品レビュー 【2018年8月号掲載】
東京マルイ
ガスブローバックガン MTR16

※実射シーンとインプレッションはこちらの動画をご覧ください。
東京マルイからガスブローバックガンの新製品「MTR16」がいよいよ発売される。
MTR16の最大の特徴は、東京マルイが独自にデザインしたオリジナルM4カスタムであることだ。東京マルイはどのカテゴリーにおいても、アメリカ軍制式仕様や特殊部隊仕様のM4カービン(もしくはそのバリエーション)をメインに製品化してきた。東京マルイのオリジナルデザインのM4カスタムとしては、限定モデルとして発売された電動ガンM4-P.M.C.、電動ガンハイサイクルシリーズのM4 CRWやM4パトリオットHCなどが挙げられる。いずれもスタイリッシュさとユーザビリティ、高い実射性能を実現させたモデルとして人気を博している。
今回発売されるMTR16は、MWSシリーズ初のオリジナルカスタムであり、リアルガンの最新トレンドを凝縮しつつ、シューター目線に立ったカスタマイズが施されている。さらに、ガスブローバックガンならではのリアルな操作性や実射フィーリングを体感できるのも、MTR16の魅力だ。
MTR16とは「マルチ・タクティカル・ライフル・16インチ」の略称で、バレル長はアメリカで民間向けモデルとして一般的な16インチをチョイス。バレルには軽量化が施されており、民間向けらしくシルバー仕上げとなっている。マズルにはサイドツインポートタイプのマズルブレーキが付属。ハンドガードには多くの実銃メーカーやアメリカ軍にも採用され始めているアクセサリーマウンティングシステム「M-LOK(エムロック)」が採用されている。M-LOKは同社のSGR-12やスコーピオンmod.Mなどに導入済みで定番化されつつある。アッパー/ロアレシーバーはコルトスタイルをベースに、操作系をすべてアンビ化。実は操作系のフルアンビ化は、東京マルイのM4シリーズでは初となる。そういった意味でも、東京マルイのMTR16に対する意気込みが強く感じられる。
カスタマイズは操作系のブラッシュアップに止まらない。ストレートトリガー、ラージトリガーガード、バーチカルタイプグリップなど、見た目とユーザビリティを追求したカスタムパーツを搭載している。さらにストックは、リアリティとエアガンとしての実用性を追求した「トランスフォーム・ストック」を採用。東京マルイのこだわりを感じる一品だ。マガジンはガスブローバックシリーズ初の20連型を標準装備。従来の35連型も共用できる。アイアンサイトは付属していないので、各自でアイアンサイトや光学機器を装着する必要がある。もちろんシリーズ共通のZシステム、直径19mmの大型ピストンを搭載し、強烈なアクションを生み出すブローバックエンジン、高い命中精度を生み出す可変ホップアップシステムが採用されている。実際に手に取ってみると、まずはその軽さに驚く。
マガジンを含めた重量は約2,700gと、ノーマルのM4A1カービンよりも約300g軽い。各種アクセサリーを装着した時に、その差が大きく影響してくる。前後バランスが適切なのものいい。全長はM4A1カービンより長いものの、全体的にスリムなのでハンドリングしやすい。アンビタイプの操作系はすべて直感的に、かつスムーズに扱える。ストック、グリップともに実戦を想定したアクションをすると真価を発揮する。違和感や疑問を抱くことなくハンドリングできるのが、何よりも素晴らしい。従来モデル同様、命中精度は高く、ストレートに肩へ伝わるリコイルショック、スピーディーなブローバックアクションが味わえる。
東京マルイが提案する最新のM4カスタムであるガスブローバックガンMTR16。完成度の高さに多くのシューターが虜になること間違いない。
実射インプレッション

操作系はフルアンビ化されており、さらにストック、グリップともにシンメトリーなので、ショルダースイッチ(右→左/左→右に持ち手をかえる)しても違和感なく撃てる

サバイバルゲームフィールドQUEENのシューティングレンジを使って実射してみたところ。20m先にある直径15cmのプレートを外すことはない。30m先でも人物大のターゲットを外さない。BB弾が発射されるとシルバー仕上げのボルトキャリアが勢いよくブローバックし、リコイルショックが肩にダイレクトに伝わる。実銃同様、しっかりホールドしないと正確に当てることは難しい

今回、ノーベルアームズのドットサイト「SUREHIT M4s」(¥27,000)を装着して実射した。ハイクオリティな光学性能によりMTR16のポテンシャルを引き出してくれた


チャージングハンドルはラッチを2系統設けることで、左右どちらからでも操作できるようになっている。ローディング時やトラブル発生時に便利だ

エクステンションをコンケイブ型にしてショルダーポジションで構えたところ。安定して肩付けできるだけではなく、ストックの長さも適切なので構えやすい

セレクターレバー左側は下部分がカットされており、左手でハイグリップした際に誤作動しないようになっている

バーチカルタイプのグリップは、片手で構えたりストックを短くした状態でもしっかりホールドできるのが特徴

ボルトキャッチやマガジンキャッチはいずれも大型化されており、スムーズかつスピーディーに操作できる
ディティール

マズルブレーキはトレンディーなサイドツインポートタイプ

M4A1 MWSシリーズ初となるショートタイプの20連型マガジンを標準装備

セレクターレバーもアンビタイプ。セレクターポジションマークはHKタイプを採用

フラットなデザインの樹脂製エジェクションポートカバーを開けると、シルバー仕上げのボルトキャリアが現れる

バレルにはガスブロック&ガスチューブが付属。リアリティーの追求もバッチリ

レシーバー後部にはQDスリングフックアダプターを装備。銃全体では合計5カ所にアタッチメントポイントを設置

MTR16を象徴するカスタムパーツであるトランスフォームストック

ストック下部のエクステンションを前後に反転させることで形状が変更可能。写真はコンベックス型にチェンジしたところ

次にコンケイブ型にチェンジしたところ。コンケイブ型はプレシジョンシュート、コンベックス型はCQBに適している

エクステンションを外すとピカティニーレールが現れて、スナイピングに適したモノポッドなどが装着できる

センシティブなタッチに応えるストレートトリガーと、グローブを付けた状態でも引きやすいワイドトリガーガード

フォワードアシストノブはオミットされてオリジナルデザインのカバーがはめ込まれている

M4カスタムでは定番のビッグラッチ&アンビタイプのチャージングハンドル

「M-LOK」のロゴが誇らしげに入ったロングレングスのM-LOK仕様のハンドガード

シルバー仕上げの16インチアウターバレルには軽量化のためにツイスト状のフルートが施されている
東京マルイ MTR16 セットアップサンプル~MTR16 ver.Yuka Kuramochi~
今月号(ArmsMagazine 8月号)の表紙で倉持由香さんが持っているM4カスタムは、東京マルイMTR16をベースにセットアップしたものだ。セットアップのポイントは、フィクスド(固定)タイプのフロントサイトとドットサイトのコンビネーション。サイティングした時に狙点が見出しやすく、ドットサイトが故障しても即座にリカバリーできるからだ。必要最小限のアクセサリーでスマートにセットアップしてみた。

PTS「Fortisシフトショートアングルグリップ(M-LOK)」と、両側面にレールカバーを装着

ノーベルアームズの新製品「COMBATT1セラコートモデル」を搭載

リアサイトはフリップアップタイプのPIS「EP BUIS」をチョイス

ウェポンライトはインフォース「WML」をチョイス。スイッチ操作は左手親指で行なう

ウェポンライト用マウントベースの前にフィクスドタイプのフロントサイトを装着
DATA
- 全長:837mm/ 919mm(ストック伸張時)
- 全高:184mm
- 全幅:63mm
- 重量:2,677g
- 装弾数:20発
- 平均値…71.5m/s(0.51J)
- 集弾性:85mm(20m)
- 価格:未定(近日新発売)
- お問い合わせ先:東京マルイ

| 初速(m/s) | |
| 1発目 |
72.4 |
|
2発目 |
72.8 |
| 3発目 | 70.1 |
| 4発目 | 72.4 |
|
5発目 |
71.2 |
| 6発目 | 72.7 |
| 7発目 | 70.2 |
| 8発目 | 70.8 |
| 9発目 | 70.0 |
| 10発目 | 72.5 |
TEXT:毛野ブースカ
撮影協力:サバイバルゲームフィールドQUEEN

