エアガン

2022/04/27

不朽の名作。東京マルイ「トンプソンM1A1 電動ガン」

 

 東京マルイの数ある名銃の中から、毎月1挺をキャストさんと一緒にフカボリする企画「東京マルイ 小森とこまきと、ときどきデカ」。

 

 今月は電動ガン「トンプソンM1A1」をご紹介します。動画で分かりやすくまとめていますので、ぜひ動画もご覧ください。

 

 


 

トンプソンとは?

 

 第1次世界大戦から今日までサブマシンガンは数多く作られてきたが、サブマシンガン御三家を挙げるとするなら「MP40」「MP5」そして「トンプソン」ではないだろうか。

 トンプソン(もしくはトミーガン)は通称で、口径は.45ACP、セレクターレバーとセーフティが独立して設けられている構造は共通だが、実際には2種類存在する。

 

 ひとつはブリッシュロックを用いたオープンボルト方式、カッツコンペンセイターと冷却用フィンの付いたバレル、バーチカルフォアグリップ、上下調整可能なリアサイトが装着されたM1921とその改良型のM1928。通称「シカゴタイプライター」と呼ばれているアメリカの禁酒法時代にギャングがドラムマガジンを装着して使ったことで知られているモデルだ。

 

 もう一つが第2次世界大戦中に開発されアメリカ軍に制式採用されたM1A1。M1928をベースにブリッシュロックを廃したシンプルなオープンボルト方式、コンペンセイターや冷却用フィンが廃止されたバレル、レシーバー右側に移設されたボルトハンドル、固定式リアサイトすることで生産省力化されたモデル。アラカン・アラフィフ世代の方ならアメリカのTV番組『コンバット!』に登場するビッグ・モロー演じる主人公サンダース軍曹が使っていたことで知っている方が多いはずだ。

 

東京マルイ「トンプソンM1A1 電動ガン」

 

 日本でも知名度が高いトンプソンだが、特にM1A1のモデルガンは各社から発売されてきたのもののエアガンは意外と少ない。今回取り上げる東京マルイの電動ガンスタンダードタイプのトンプソンM1A1は、電動ガンとして初めてトンプソンを再現しただけではなく、東京マルイの電動ガンシリーズの中で唯一の第2次世界大戦時に活躍した銃を再現した製品でもある。

 

 クラシカルなスタイルを再現するために無可動実銃から採寸と検証を繰り返し、黒染め仕上げのダイキャスト製アッパーレシーバーとアウターバレルを導入。それまでの同社の電動ガンとは一線を画すリアルな質感・重量感に加えて高い剛性が確保されている。

 

東京マルイの電動ガンシリーズの中で唯一の黒染め仕上げのダイキャスト製レシーバー。実銃の無骨な雰囲気が巧みに醸し出されている

 

 ハンドガードやストック、グリップは木目仕上げが施されており、質感を高めるのに一役買っている。

 

M1928のバーチカルフォアグリップに対してM1A1はストレートなフォアグリップが採用されている。表面にはリアルな木目仕上げが施されている

 

トンプソンのアイコンである木目仕上げが施されたグリップ。一見すると握りにくそうだが意外としっかりと握れる。モーターはグリップ内に設けられている

 

 

フォアグリップ、グリップと同じ木目仕上げが施されたストック。銃本体そのものが大きいせいもあるが、小柄な日本人にはちょっと構えにくく、禁酒法時代のギャングのように腰だめで構えるとちょうどいい感じだ

 

 トンプソン特有のセレクターレバーとセーフティはライブで作動。装弾数60発のマガジンはリアルなスチールプレス製のアウターケースが採用されている。

 

トンプソン特有の独立して設けられているセレクターレバー(銃口側)とセーフティ(ストック側)。レバーをそれぞれ180度回転させて切り替える。最初は戸惑うかもしれないが、慣れれば誤操作してしまうことはないはずだ。同じく左側にあるレバー式のマガジンキャッチも独特だ

 

シンプルなストレートタイプのマガジン。装弾数は60発。アウターケースは実銃と同じスチールプレス製。別売の連射マガジンの装弾数は420発となっている

 

 また、銃本体に加えてパッケージにもこだわっており、手にした時の所有感が高められている。

 

 

トンプソンにあわせてクラシカルな雰囲気が漂うパッケージと内部に油紙を使うなど、銃本体以外にもこだわっている

 

 内部に目を移すと、メカボックスはP-90に採用されたバージョン6メカボックスを採用。このバージョン6メカボックスはそれまでに登場したバージョン1、バージョン2、バージョン3メカボックスの進化型と呼べるもので、全体的にスリムになり、モーターの搭載位置(角度)が変えられることで幅広い機種に対応できるようになった。

 

ロアレシーバーから取り出したバージョン6メカボックス。スリムになっただけではなくモーターの搭載位置(角度)が変えられるのが特徴

 

 トンプソンはグリップ内にモーターが搭載されているのに対して、P-90はモーターが水平に搭載されていることからも、その汎用性の高さが伺える。バッテリーはストック内に収納。発売当時はラージバッテリー仕様だったが、現在は同梱されている変換コネクターによりミニSバッテリーに対応している。可変ホップアップ調整用ダイヤルはエジェクションポートもしくはマガジンを外した内側からアクセスできる。

 

エジェクションポートにはダミーボルトと可変ホップアップ調整用ダイヤルが露出している。マガジンを外して下面からもホップアップは調整できる

 

トラップドアを開いて摘まみながら引っ張るとバットプレートが持ち上がり、水平方向に回転させるとバッテリーコンパートメントにアクセスできる。外観を崩さすかつ合理的な開閉方法だ

 

 東京マルイの電動ガンの中でも異色の存在であるトンプソンM1A1。現在のリアリティ溢れる同社の製品の先駆け的な製品と言っても過言ではない。
 

M1928の特徴であるカッツコンペンセイターが廃されたM1A1のマズルフェイス。ダイキャスト製アウターバレルにはライフリングが再現されている。フロントサイトもダイキャスト製だ

 

ボルトハンドルはM1928はレシーバー上方なのに対してM1A1はレシーバー右側に設けられている。レシーバー右側のピボットプレートもリアルに再現されている

 

M1928に比べてシンプルなデザインのリアサイト。ブレード部分は上下調節可能

 

DATA

  • 全長:800m
  • 重量:3,410g(空マガジン、バッテリー含む)
  • 装弾数:60発
  • 価格:¥39,380
  • お問い合わせ先:東京マルイ

 

TEXT:毛野ブースカ

 

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