エアガン

2021/11/20

過去の遺物とは言わせない!? ブルパップVSコンベンショナル5番勝負!!

 

 そもそもの始まりは、ポスカが編集会議で発した「特集はブルパップライフルですかね?」のひと言だった。「ブルパップライフルはもう終わった」と語るベテラン陣に対して、それを頑なに否定する若手編集部員。ならば、どっちが優れているか勝負だ! コンベンショナルタイプとブルパップライフル、対決の幕は切って落とされた。

 


 

コンベンショナルタイプ VS ブルパップライフル 頂上決戦!!

 

コンベンショナルタイプ代表
毛野ブースカ

 

ブルパップライフルは過去のものと思っているM4カービン大好きな本誌ベテラン編集ライター。若手編集部員にブルパップライフルの現実を見せつけるべくコンベンショナルタイプのアサルトライフルで勝負する

 

ブルパップライフル代表
ポスカ

 

「ブルパップなんてダセーよなー!」という声に我を忘れて駆け付けたブルパップを愛する新入り編集員。いくらブルパップの欠点を説かれても「でもロマンがあるから…」と言って聞かないぞ

 

津軽太郎

 

ステアーのワッフルマガジンを見るとお腹が空いてくる新人2号、津軽太郎。タンカラーのF2000はどことなくたい焼きに見えるのでお気に入り。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの精神で参加した

 

使用する銃

 

  • コンベンショナルタイプ
    • M4A1カービン(BCM AIR)
    • FN SCAR-L(CYMA)
    • H&K G36C(S&T)
    • AK74(クラウンモデル)
    • 89式5.56mm小銃(東京マルイ)

 

  • ブルパップライフル
    • FA-MAS
    • ステアーAUG(+ドットサイト)
    • P-90
    • TAVOR-21 EXPLORER VER OD
    • RDB(+ドットサイト)
    • SOC AR
    • F2000
    • L85A2

※いずれもスタンダード電動ガン
※コンベンショナル、ブルパップともにAR系マガジンはPTSのEPMを使用

 

対決その1

セミ・フル切り替え対決

 

 セーフティとセレクターレバーの操作系を競い合うこの対決。本来の性能を見極めるためにあえてシンプルな内容にした。

 

ルール

  • 銃を構えた状態でスタンバイ
  • 合図の後、フルからセミに切り替える
  • セミでストップターゲットを撃つまでの時間を計測する

 

結果

  • コンベンショナルタイプ
     

 

  • ブルパップライフル
     

 

1位 G36C 0.75秒
2位 ステアーAUG 0.84秒
3位 M4 0.93秒

 

 結果はやはりセーフティとセレクターレバーが別々に設けられているFA-MASやL85A2は時間がかかっている。それに対してタボールやRDB、P-90はセーフティとセレクターレバーが一緒なので速い。回転式のセーフティとセレクターレバーを持つ89式小銃も時間がかかっている。ブルパップライフルはトリガーの引き具合で切り替え可能なステアーAUGが断トツでトップ。総合結果ではG36CがステアーAUGをわずかに上回った。

 

対決その1からその3までは、できるだけ銃の実射性能や射手の力量で差が付かないようにターゲットまでの距離は近くに設定した

 

ポスカにとっては手慣れているFA-MASでもストック下面にセレクターレバーがあるので時間がかかってしまった

 

L85もFA-MAS同様、セレクターレバーが独立して設けられているため切り替えに時間がかかってしまった

 

89式小銃のセレクターレバーは時間がかかるが正確に操作できる

 

対決その2

マガジンチェンジ対決


 ブルパップライフルはマガジンチェンジが苦手だ。そこでマガジンチェンジのしやすさをコンベンショナルタイプと比べてみた。

 

ルール

  • テーブルの上に銃とマガジン2本を置いてスタート
  • 合図の後、銃にマガジンを装填してセーフティを解除して右側のターゲットを撃つ
  • 右側のターゲットに当てたらマガジンチェンジ
  • ストップターゲットを撃って終了

 

 

結果

  • コンベンショナルタイプ

 

 

  • ブルパップライフル
     

 

1位 M4 5.46秒
2位 G36C 6.42秒
3位 TAVOR-21 7.09秒


 結果は全体的にコンベンショナルタイプに比べて遅いものの、タボールやRDB、F2000は良好な結果を叩き出している。途中でセーフティのオン/オフが加わるので89式小銃にとってはかなり不利なためか、全銃を通して最も遅い結果だった。トップはM4A1だったが、トータルで見るとブルパップライフルも意外と速いことがわかった。

 

L85
左側面にマガジンキャッチがあるL85は予想どおり時間がかかった

 

意外と操作しにくかったのがSOC AR。M4A1タイプのマガジンキャッチが採用されており、素早い操作には向かない

 

G36Cのセンターレバー式は慣れが必要だが左右どちらでも使えるのが特徴


対決その3

ショルダースイッチ対決

 

 ブルパップライフルは本来ショルダースイッチができない(もしくはしにくい)のだが、あくまでもエアガンなので、実際にコンベンショナルタイプとセーフティとセレクターレバーの操作性、構えやすさなど、どのくらい違いがあるのかをチェックしてみた。

 

ルール

  • テーブルの上に銃(マガジン装填済み)を置いてスタート
  • 合図の後、セーフティを解除して右側のターゲットを撃つ
  • 右側のターゲットに当てたらセーフティをかけてショルダースイッチ
  • ショルダースイッチ後、セーフティを解除してストップターゲットを撃って終了

 

結果

  • コンベンショナルタイプ
     

 

  • ブルパップライフル
     

 

1位 M4 3.88秒
2位 TAVOR-21 4.05秒
3位 SCAR 4.16秒

 

 結果はコンベンショナルタイプに比べて全般的に時間がかかっているものの、それほど大きな違いはない数値となった。コンパクトなモデルが多く、前後バランスに優れていることも良好な結果の後押しをしているのかもしれない。

 

実銃のブルパップライフルはショルダースイッチは難しいのだが薬莢が排出されないエアガンだからこそショルダースイッチができる

 

意外と好結果を出したL85A2。左肩で構える場合、コッキングハンドルが邪魔に感じるかもしれない

 

手慣れていることもあるがM4A1が総合でトップだった。トータルで使いやすい

 

対決その4

バリケード対決

 

 この対決からは場所をバトルシティに移して行なった。ブルパップライフルには助っ人として津軽太郎が加わった。ブルパップライフルは同じバレル長のコンベンショナルタイプに比べてコンパクトだ。ここではそのコンパクトを生かしてバリケード越しにスイッチしてターゲットを撃ってみた。

 

ルール

  • バリケードを背にしてスタンバイ
  • 合図の後、振り返って右側(左側)から1枚のターゲットを撃つ
  • 撃ち終えたらスイッチして左側(右側)にある1枚のターゲットを撃つ
  • 2枚撃ち終えたら左側(右側)からストップターゲットを撃って終了

 

 

結果

  • コンベンショナルタイプ

 

 

  • ブルパップライフル
     

 

1位 P-90 3.52
2位 F2000 3.67
3位 TAVOR-21 3.75

 

 結果はブルパップライフル、コンベンショナルタイプともに全長が短いほうが有利だったが、ブルパップライフルのほうが全般的に良好なタイムを出している。AK74や89式小銃のように全長が長い銃の場合、取り回しやすさに加えて射手の力量も大きく左右する。射手を選ばないという点ではコンパクトなブルパップライフルに軍配が上がる。

 

バリケードの後ろにドラム缶を設置することで狭い場所を想定したこの対決。バリケードから必然的に銃が出るが、その突き出し具合でその銃のコンパクトさがわかる

 

助っ人の津軽太郎がステアーAUGを撃つ。バレルがやや突き出ているだけなのがわかる

 

フルサイズ・アサルトライフルのAK74は狭い場所での取り回しに苦労する

 

総合でトップだったP-90。このコンパクトさはブルパップ式ならではだ


最終対決

アサルトコース

 

 いよいよラストバトルに突入だ。この対決では総合力を試すためにアサルトコースで競い合った。コンベンショナルタイプ、ブルパップライフルともに2挺選抜し、途中でマガジンチェンジ1回、フルオートへの切り替えが義務付けられている。

 

ルール

  • 各タイプから2挺ずつ選ぶ(4挺選抜で競う)
  • 自分でストップウォッチを押してキルハウス内に入る
  • キルハウス内に置かれたターゲットをすべて当てる
  • すべて当てたらスタート地点まで戻ってストップウォッチを押して終了
  • 1回はマガジンチェンジをする(置き場所は自由)
  • 1回はフルオートに切り替える

 

 

結果

  • コンベンショナルタイプ

 

 

  • ブルパップライフル
     

 

1位 M4 21.25秒
2位 TAVOR-21 22.67秒
3位 SCAR 22.71秒

 

 結果はM4A1を使った毛野ブースカがトップだったが、タボールを使ったポスカとの差は約1秒だったので、両銃の差はほとんどないに等しい。エアガンの場合、ブルパップライフルのデメリットはあまり影響を及ぼさないのかもしれない。

 

ポスカはタボール、津軽太郎はステアーAUGをチョイスした。毛野ブースカはM4A1とSCAR-Lを選んで挑戦だ

 

狭いキルハウス内にあるメタルターゲットを探して撃っていく。取り回しやすさが勝負になる

 

撃ち終えたら次の場所に向かってダッシュ!

 

2枚目のメタルターゲットを撃つ。焦っていると当たらないので落ち着いて撃つべし

 

2枚目のメタルターゲットを撃ち終えたらマガジンチェンジポイントでマガジンチェンジする。速さよりもスムーズさを優先する

 

ステアーAUG特有のマガジンキャッチに戸惑う津軽太郎。ここでタイムロスしてしまった

 

最後のメタルターゲットは左バリケードから撃つ。近づいて撃ってもいいがタイムロスを避けたいところ

 

ポイントに入る前にマガジンを外す作戦に出た毛野ブースカ。その甲斐あってトップタイムを叩き出した

 

善戦虚しく毛野ブースカに負けたポスカと津軽太郎。でもブルパップライフルのポテンシャルを十二分に披露した

 

負けられないと挑んだ毛野ブースカ。細かいところでミスが発生したものの、何とか勝利することができた

 


激戦終わって……。

 今回はコンベンショナルタイプに軍配が上がったが、ブルパップライフルどちらにもメリット・デメリットがある。様々な銃を使って遊べるのもサバゲーやシューティングの醍醐味だ。結局のところ、自分の好きな銃こそが「最強の銃」なのかもしれない。

 

好きな銃を使って遊ぼうね!

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部

撮影協力:バトルシティ

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年11月号 P.48~53より加筆・再編集したものです。

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