エアガン

2021/10/04

G&Gアーマメント「CMF-16K」をラッピング!?【Armsカスタムガレージ】

 

 前回のカスタムガレージではG&Gアーマメント「CMF16-K」の外装カスタムを行なった。今回は編集スタッフが以前から興味を持っていた「エアガンへのドレスアップ」に挑戦する。

 

G&Gアーマメント「CMF-16K」使いやすさ向上カスタム編はこちら

 

 


 

ベースガン

 

いわゆるオリジナルデザインのG&Gアーマメント「CMF-16K」

 

G&Gアーマメント
CMF16-K

  • 全 長:673mm(ストック収縮時)
  • 重量:2,530g
  • 装弾数:450発
  • 購入先:AIRSOFT97

 


 前回は主に使いやすさ向上の外装カスタムを行なった。次は外装カスタムの中でも、見た目を変えることが目的の「ドレスアップ」に挑戦してみたい。

 

カスタム前に調査

 

 最初は「塗装」をしてドレスアップしようと思い立った。プラスチックも色々種類があるので、まずはCMF-16Kが何の樹脂素材を使用しているのか調べてみた…が、特に明記されていないため不明。試しに塗装ができるのかハイダーを使って実験してみた。塗料は、エナメル塗料の性質を持つマニュキュアを使用し、塗装を落とす際はアセトン系のネイルリムーバーを使って剥離させた。
 結果は、脱脂などの下地処理さえしっかり行なえば塗装は問題なさそうである。しかし、長期的なダメージが不明なうえ、充分な換気や塗装ブースなどの設備や乾燥させるための待機場所も揃えたいと考えると、狭い集合住宅の環境にいる身としては、塗装のハードルはなかなか高い…。また、自身の塗装技術力(と時間確保)が不安だったため、塗装は取りやめることにした。
 そこで何か塗装以外の方法はないか、と探し出したのが「エアガンにラッピングフィルムを貼る」という手法だ。他の分野だと「カーラッピング」が有名だろうか。

 

前回のカスタムでは、上の画像のような主に使いやすさ向上の外装カスタムを行なった。実は、上記のカスタム前画像とこの画像をよく見ると、ハイダーの溝部分に薄っすらと色が付いているのだが、これは塗装実験を行なっていたためである

 


 

ラッピングフィルムを使用したドレスアップ

 

  • 使用するアイテム


GunSkins
「Gear Skin(Kryptek Mandrake)」

「ウィリーピート」にて入手したGunSkins(ガンスキンズ)の「Gear Skin(ギアスキン)」。ラージサイズのこちらは、20cm×127cmサイズのシートが1枚入っている。ハンティング向けを中心とした迷彩柄からモダンな柄まで幅広い模様の中から、今回はクリプテックのマンドレイク迷彩柄をチョイス。本記事では、ガンスキンズの貼り付けをメインに紹介する

 

3M
「ラップフィルム シリーズ1080(カーボンファイバーブラック)」

ガンスキンズとほぼ同じ素材のラッピングフィルム。今回は、20cm×30cmサイズのカーボンファイバーブラック柄を某ホームセンターにて購入した。ガンスキンズに使用されている粘着剤もこの製品と同タイプのため、厚みなど細部は異なるものの同じような使用感。カラーバリエーションは単色系が多いので、迷彩系以外を探している方にオススメ

 

 

 ラッピングフィルム貼り付け作業にあたり最小限必要になるのが、

  • ヘアドライヤー
  • ヘラまたはスキージー(プラスチック製がオススメ)
  • カッター(あればデザインナイフの方が可)

 あとは脱脂のための「パーツクリーナー」「クリーニングクロス」。熱を加えるのはヒートガンの方が高温で作業性が高まるのだが、エアガンの樹脂素材や基盤類への損傷を抑えるため、今回はヘアドライヤーを使用する。

 

3M「ラップフィルム シリーズ1080」の裏面に記載されている注意点として、下地素材がポリカーボネートや真鍮、ゴムなどには施工不可となっている。CMF-16Kは高い剛性と耐薬品性から恐らくナイロン(ポリアミド)系樹脂かと思われるので大丈夫だろう

 

ガンスキンズのパッケージ前面の左側に貼付されている商品名が記載されたスキンは、実際のシートと同じ素材なので本番前に貼り付けの練習ができる

 


 

ラッピング手順

 

 では早速、貼り付けの手順に移る。実際には複数のパーツにラッピングフィルムの貼り付けを行なったが、工程の違いはないため、ここでは一例として「ワイヤーストック」に貼り付けていく様子を紹介していく。

 

まずは、ラッピングフィルムを貼り付けるパーツの脱脂を行なう。ここは塗装と同じく仕上がりに影響するため、手抜きせずしっかりと行ないたい。ゴミ・ブツが残らないよう、ティッシュではなくクリーニングクロスやペーパータオルを使用し、パーツクリーナーは樹脂素材を侵食しないものを。水洗いできるパーツであれば、台所用中性洗剤を使って脱脂作業の方が手早くできるだろう

 

柄が印刷されているテクスチャ面の材質は、伸縮性のあるポリ塩化ビニール。粘着剤は3Mの「コントロールタック」が使用されている。熱を加える前の粘着力は、マスキングテープと同じくらいだろうか

 

 

シート状のラッピングフィルムから必要なサイズを大まかに算出する。曲面や凹凸で伸ばして貼ることを考慮し、気持ち余裕をもって切り出す

 

手の温度でも粘着力が増すので、少しだけテープ面を露出させ、位置決めをしてから徐々に貼り付けていくとキレイに仕上げやすいかと思う

 

ヘラを使用して空気を抜きながら貼り付けていく。ラップフィルムの特性上、あまり伸ばしすぎると収縮が発生するので、伸ばさずに貼り付けられるところは、なるべく伸ばさずに貼ると作業しやすい

 

余分なフィルムをカッターで切り落とす。この写真だとパーツ面ギリギリでカットしているが、この部分はカスタムパーツを装着するため、干渉しないように考えてのことである。ラッピングフィルムはステッカーのように「貼る」というよりも、食品用ラップのように「包む、覆う」という使い方なので、保護性能を重視するのであれば内側まで折り返して貼り付けるとよい

 

残ってしまった空気は、安全ピンなどの細い針で刺してエア抜きをしておく。空気が暖まると膨張するので、熱を加えている最中にエア抜きをするのも有効だ

 

当初は1枚のフィルムで覆うことを想定していたのだが、キレイに貼り付けられる自信がなかったので潔く諦め、分割して貼ることにした

 

また本来であれば、凹凸部分はフィルムに熱を加えて伸ばしながら貼り付けると細かい模様などが浮き出るが、今回は貼り付け後に熱を当てる工程で作業する

 

フィルムを密着させるためにヘアドライヤーでパーツ全体に熱を加える。熱源からおよそ3cmの位置であれば100℃ほどの温度になるため、火傷に注意しつつ可能な限り密接させ、だいたい20秒くらい連続して熱風を当てると、湯葉のようにフィルムがフニャっとしてきて自然と形に追随してくる
*写真は素手で作業していますが、持っている部分がかなり熱くなったため、軍手やグローブ着用の方が筆者のようにあたふたせずにすみます

 

2つ前の写真(熱を加える前)と見比べると、バットプレートの凹凸がはっきりしているのがわかるだろうか

 

 これでワイヤーストックのラッピングフィルムの貼り付けは完了。あとは、他のパーツも同じように、ここまでの一連の作業をひたすら繰り返していく。

 


 

完成!

 

 

 

 

 

 紆余曲折ありながらも、何とかラッピングフィルムを使用してのドレスアップが完成した。

 GunSkins「Gear Skin(Kryptek Mandrake)」は、ワイヤーストックとストックパッドを延長するカスタムパーツをはじめ、ハンドガードやハイダー、短いレールパーツ、端材をフォアグリップの片側面に貼り付けている。

 3M「ラップフィルム シリーズ1080(カーボンファイバーブラック)」は、バッテリー収納部のパーツやマガジン、長いレールパーツに適用した。

 遠目で見る分には迷彩が際立っていい感じではなかろうか。これなら少しは迷彩効果が期待できそうである。近くで見るとシートが足りなかった箇所や粗雑な処理部分が気になるので、もう少し完成度を高めたいところ…。

 

今回ラッピングフィルムを貼り付けたパーツたち。簡単にはがせるので、気軽に貼り替えを楽しめる。作業時間は、カッターが刃こぼれしていて細部を整えるのに手間取ってしまい、他の作業の合間合間に進めて2日ほどかかった。要領のいい方なら、この程度は恐らく1日もかからず貼り付けできるだろう

 

 ラッピングフィルムを貼る際の手順やポイントを以下にまとめてみたので、もし挑戦する際は参考にしてみてほしい。

 

大まかな手順

  1. シートの切り出し
  2. 貼り付け+熱を加える+エア抜き
  3. 切り抜き、細部調整

 

ポイント

  • シート切り出し時は、ジャストサイズに切り出さず余裕を持たせる
  • 貼り付けは、平坦な面はあまりシートを伸ばさずにそのままヘラで貼り付ける
  • 伸ばして貼る時は、収縮する分を考える。また、限界まで伸ばしすぎない
  • ネジ部分や可動部分に注意して貼り付けや切り抜きを行なう。
  • 手の温度でも粘着力が増すので、長時間持ちすぎない
  • 難しい時は、一度に貼り付けようとせず、分割すると楽。その際は、なるべく柄を合わせるよう意識するとよりキレイに仕上がる。

 

 次回は新たな筆者に交代! ぜひお楽しみに。

 

TEXT:彩瀬かおり

 

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年11月号 P.114~115より加筆・再編集したものです。

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