今回のカスタムガレージでは、前回分解まで行なった「WE SCAR-L ガスブローバック」にカスタムパーツを組み込んでいく。いったいどれほどの性能アップが見込めるのか?
WE「SCAR-L」分解編はこちら
切り替えバルブの交換
まずはガスルートの切り替えバルブをWA-TECHの「WE/マルイ NPASキット オープンボルト」(¥2,343)に交換していく。組み込みにはボルトキャリアの分解が必要になるので、その工程から見ていこう。
今回の目玉であるNPASキット。専用ツールを使うことで発射/ブローバックへのガス使用量のバランスを調整・安定させられる切り替えバルブだ
ボルトキャリア上面の六角ボルトを2ヵ所外し、ボルトキャリアからボルトを分離させる


ボルトの上部と左側面にあるネジを外し、シリンダーガイドを取り外す。ボルトの内側からドライバーなどで押し出すと外しやすい
ボルト左後方にあるピンを取り外す。ピン後端にローレット加工が施されているので、必ず左側から押し出すようにしよう
ピンが外れるとシリンダーが取り出せる。写真を撮るなどして、組み立て時に向きを間違えないようにしよう
シリンダーを横に貫く形でピンが刺さっている。かなり細いので、破損しないよう慎重に押し出そう
そうするとシリンダーが前後に分離でき、切り替えバルブが取り出せる。あとはNPASキットと交換し、分解と逆順で組み立てていく
リコイルスプリングの交換
続いてリコイルスプリングを交換していく。使用するのはストライクアームズの「SCAR-L/H/L85オープンチャンバーシステムGBB用 リコイルスプリング Ver.3」(¥660)。こちらもリコイルスプリングユニットの分解から始めていく。
「SCAR-L/H/L85オープンチャンバーシステム GBB用 リコイルスプリング Ver.3」。SCAR/L85専用設計で、ハードなリコイルを抑えて動作も安定させられると評判のパーツだ

リコイルスプリングユニット後部のゴム板を取り外すと、スプリングガイドを固定している六角ボルトが出てくる。そのままでは共回りしてしまうため、ガイド先端に六角レンチを挿し込んで固定してボルトを緩めよう
ストライクアームズのリコイルスプリング(上)と純正リコイルスプリング(下)の比較。低圧ガスに適した強さにするため、純正品よりも細く、ピッチ(間隔)も広くなっているのがわかる
チャンバーパッキンと押しゴムの交換
最後に、前回分解したチャンバー部にチャンバーパッキンと押しゴムを装着する。交換するのは、PDIの「VSR-10/GBB用 Wホールド チャンバーパッキン」(¥620)と東京マルイ純正の押しゴムだ。押しゴムはパーツショップでバラ売りしているものを購入した(購入価格¥500)。
「VSR-10/GBB用 Wホールド チャンバーパッキン」。今回は汎用性の高い硬度50のものを使用する。なお、インナーバレルはWE独自の形状だが、チャンバーパッキンはVSR用のものが使用できる
東京マルイ純正品の押しゴム。東京マルイ製品の優れた性能を支えているだけあって、これだけでもかなりの性能アップが見込める
前回分解したインナーバレルからチャンバーパッキンを取り外し、Wホールドチャンバーパッキンを取り付ける。パッキン内部の突起がバレルの切り欠きに合わさるようにしよう
チャンバーにインナーバレル、ホップアーム、押しゴムを取り付ける。写真のような向きで取り付けるとパーツが途中で外れにくい。その後は分解と逆順にチャンバーを組み上げる
完成
こうしてすべてのパーツが組み込めたら、各パーツを元通りに組み上げていけば完成だ。
スコープにはVECTOR OPTICSのForester 1-5×24 GenⅡ、フォアグリップにはDMTのバイポッドフォアグリップを装着した
この状態で計測した射撃データが次のとおり。


切り替えバルブを交換したおかげで、不安定だった初速は実用的なレベルで安定した。シューター側の腕前の問題で集弾性はカスタム前より散っているように見えるが、、銃口が向いた先、つまりは狙った通りの場所へ一直線に弾が飛んでくれているように感じた。きちんと狙えばしっかりとヒットが取れる、素晴らしい銃に仕上がってくれたようだ。
今回のカスタムについての詳細は月刊アームズマガジン2021年9月号に掲載されているので、気になった方はぜひそちらもチェックしていただきたい。
この記事は月刊アームズマガジン2021年9月号 P.106~107より抜粋・再編集したものです。