実銃

2021/08/25

【実銃】ベレッタ92シリーズの激レアモデル「ベレッタ96 STEEL 1」

 

 ベレッタ92の.40S&Wバージョン、ベレッタ96。この96シリーズの中でも2004年に約1年間だけ製造されたベレッタ96 STEEL 1は、レア中のレアモデルだ。今回はこちらのレポートを公開しよう。

 


 

 

ベレッタ96 STEEL 1とは

 

 今から15年以上も前の2004年に、スチールフレームやフレームマウントのアンビセーフティを備えたベレッタ92のバリアント(変異種)が存在したのをご存じだろうか。
 厳密に言うと、1999年に21世紀に向けた記念モデルとして“BILLENNIUM(ビレニアム)”という2,000挺限定(USマーケットには1,000挺のみ)の同様なSAO(Single Action Only)モデルは存在したが、その絶対数が少ないために、めったにお目にかかることはない。
 このベレッタ96 STEEL 1モデルは、ベレッタ92の.40 S&W口径バージョン(DA/SA)で、2004年から翌年にかけて少量生産されたが、2006年にはカタログ落ちしてしまい、希少なモデルとなっている。

 

 

Beretta 96 STEEL 1

  • 口径:.40S&W  
  • 全長:211mm 
  • バレル長:115mm  
  • 重量:1,330g(47oz)
  • アクション:ダブルアクション/シングルアクション 
  • 装弾数:10発

 

 このSTEEL 1を手に入れたのは、まずストレートなバックストラップと極薄のグリップパネルが生み出す、ベレッタらしからぬ握りやすさに驚いたためだ。92FSと比べてみると、グリップ中央部の厚みで約3mm、下部スクリュー部分の前後長では、なんと6mmもSTEEL 1の方が細くなっていることが判明。さらには、コック&ロックが可能となるフレームマウントサムセーフティの存在、そしてスライドとバレルのフィット&フィニッシュが丁寧なためガタがなく作動の滑らかさが際立っており、かなりの精度感があったのも大きな理由だ。

 

ノバックの前後サイト、前後セレーション、フレームマウントセーフティ、スケルトンハンマー、エクステンデッドマガジンリリース。各部の流れるようなカーブと美しいフィニッシュはSTEEL 1ならではだ

 

バーテックグリップと呼ばれる、ストレートバックストラップを持つグリップ。グリップパネルは極薄で、ストックの92FSよりもかなり握りやすい

 

96 STEEL 1のフレームマウントのセーフティは操作性もいい。スケルトンハンマーがカスタムモデルを主張している

 

 ベレッタ92プラットフォームといえば、そのバトルプルーフされた信頼性やイタリアンテイストのデザインの美しさはお墨付きだが、操作性や精度、そしてロッキングブロックの耐久性となると、やや二の足を踏んでしまう。

 ただ、ベレッタファンの読者にも光明がある。ベレッタが2019年にリリースした“92X Performance”モデルだ。これはSTEEL 1にアクセサリーレールや大型化したレバー類などを付加した現代版で、そのストリートプライス(市場価格)は1,300ドルほどでしかない。RDS(レッドドットサイト)を搭載する場合、リアサイトのドーブテール(切り欠き)にマウントを載せるしかないというのはネックだが、アイアンサイト派のベレッタファンには朗報といえるだろう。

 

Beretta 92X Performanceの実銃レポートはこちら

 

ベレッタ92一族。92SB(左)、M9A1(中)、92F(上)、96 STEEL 1(下)

 

 詳しいレポートは月刊アームズマガジン2021年8月号に掲載されているので、そちらもぜひご覧になっていただきたい。次回はこのベレッタ96 STEEL 1をベレッタ92Fと共に実射、その撃ち応えを比較したレポートを公開する。

 

ベレッタ92F VS ベレッタ96 STEEL1!! ベレッタ実射比較レポートはこちら

 

Text & Photos : Hiro Soga

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年8月号 P.194~201より抜粋・再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×