エアガン

2021/04/25

【実射】G19 VS G48!! コンパクトグロック頂上決戦!!

 

 いまやハンドガンを代表する存在といえるグロックシリーズ。その中でも民間・公的機関問わず愛用者の多いコンパクトモデルがG19であるが、ここに来て新たなコンパクトモデルがシリーズに加わった。それがG48、G43Xである。今回は両モデルを実射し、性能を比較していこうと思う。コンパクトハンドガンのトップスターとニューフェイスの”一騎撃ち”をぜひご覧いただきたい。

 

G48についてはこちら

 


 

テストガンの仕様

 

 今回のテストでは、各種アモ(弾薬)による15ヤードからの精度テストと、15ヤード以下の近距離における撃ち心地を比べることにした。ちなみに、テストガンの仕様は以下の通りだ。どちらもマイナーなパーツ交換といった程度である。

 

G48

 

  • 前後サイトを“Vickers Elite Battle sight”に換装。フロントはゴールドビーズ入り
  • トリガーを“Vickers Tactical Carry Trigger”に換装
  • スライドストップを“Vickers Tactical Slide Stop”に換装

 

G19 Gen5 MOS

 

  • 前後サイトをサプレッサーハイトの金属製に換装
  • Holosun HE508Tドットサイトを装着
  • 自分でファイアコントロールをポリッシュ

 


 

実射テスト

 

 では早速この2挺を撃ち比べてみよう。いくつかのテストアモで実験してみたところ、一番まとまったグルーピングを出したのはフェデラル147グレインだった。結果は下記のとおりである。G19の方は5発中4発が0.5インチ(約13mm)という驚異的な精度を発揮し、G48も4発が1.25インチ(約28mm)と、どちらもGen5(第5世代)ならではの精度を見せつけた。

 

G48のフェデラル147グレインHSTによる15ヤードグループ。下の1発を除いた4発が、1.25インチに集弾している。ファクトリーガンとしてはすばらしい精度だ

 

G19 Gen5のフェデラル147グレインHSTによる15ヤードグループ。右下の1発を除いた4発が0.5インチに集弾している。こちらもすばらしい

 

 G19における命中率の高さは、マイクロドットサイトによる恩恵も大きい。特に現在装着しているHolosunの509Tは、単なる赤ドットではなく32MOAの赤サークルの中央に2MOAの赤ドットを配したもので(EOTechのサイトと同様)、今回のような近距離からかなりの距離まで高精度の射撃ができる。それゆえコンパクトガンにして50ヤードはもちろん、100ヤードでシルエットターゲットにヒットさせることも可能となる。

 

マイクロドットサイトを載せたG19。このMOSモデルではドットサイトを載せるモジュラープレートに問題が多く、他社製のものに換装している

 

 次に撃ち心地を見てみよう。G48の方がスライドや全体の重量が軽い分、より鋭いスナップ(リコイル)に襲われるのは確かである。しかし、だからといってリカバリーショットが遅くなるかといえば、所詮9mmのリコイルなので、それほどでもないのだ。10ヤードの距離からチェストに2発、ヘッドショット1発というドリルをタイマーで測って両方で繰り返してみたが、その差はせいぜい0.5秒。トリガープルがスムーズで、2連射後のヘッドショットがドットサイトのおかげでピックアップしやすいG19の方にかろうじて軍配が上がる、という程度だった。

 

G48発射の瞬間。リコイルはそこそこあるが、充分にハンドルできる範囲だ

 

筆者所有のG19 Gen5を撃つ。しっかり握ってもこのくらいのリコイルはある

 


 

まとめ

 

 今回は射撃性能ではごくわずかにG19の勝利、といったところではあるが、結果以上にG48の持つポテンシャルに期待が膨らむ結果となった。事実、コンシールドキャリーにおける秘匿性においてはG48の方が優れていると感じられたし、たとえばアンダーカバー(潜入捜査)といった用途においてはG48のほうがより信頼できる銃といえるのではないだろうか。
 もちろんG19も優れた銃であることに依然変わりはない。どちらがより優れている、というより、どちらも優れた銃である、と言いたいのが正直なところである。

 

Text & Photos:Hiro Soga

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年5月号 P.132~139より抜粋・再編集したものです。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×