実銃

2020/09/16

【実射】ジョン・ウィックの銃「TTI 2011 COMBAT MASTER」の実力を検証!

 

 前回のレポートでは、ジョン・ウィックが使用した“TTI 2011 コンバットマスター”を紹介した。映画に使われるのが納得するほどの美しさであり、まさに真のカスタムガンというべき魅力がそこにあった。今回は入手困難なコレクターズアイテムの銃を実射し、その魅力をお伝えしよう。

 

前編のレポートはこちら

 


 

TTI 2011 COMBAT MASTER

 

 何はともあれコレクターズアイテムである。万難を排して、慎重かつ繊細に実射をすることになった。
 まずは精度テストだ。用意したアモは、レンジアモ(いわゆる練習用)であるSpeer 124グレインとポリスのデューティアモとして採用されているFederal 147グレインHSTの2種類である。今回の距離は、TTIに敬意を表して25ヤード(約23m)から5発とした。いつものように5発の内一番遠い1発を人的フライヤーとしてカウントせず、残り4発のグルーピングを計測した。結果としては、Speer 124グレインが1.5インチ(約38mm)、Federal 47グレインの方は1.25インチ(約32mm)と健闘した。さすがである。25ヤードヘッドショットが楽勝なのだ。

 

TTI 2011 COMBAT MASTER

精度テストの様子と、Federal 147グレインのグルーピング。1.25インチにまとまった。もう少し撃ち込んで相性のいいアモを使えば、1インチ以下も行けそうだ。銃口の跳ね上がりも両手撃ちならもう少し小さい

 

 スタンディングから両手保持での射撃は、もうスウィートというしかない。スチールフレームに5.4インチブルバレル、ほとんどフルダストカバーという仕様はシャープな9mmのリコイルをウルトラマイルドにしてくれる。実射テストをしてくれた私の息子は、ストライカー方式のハンドガンしか撃ったことのなかったため、シングルアクションの撃ちやすさに驚いていた。それほどに撃ちやすい銃なのだ。個人的な好みを言わせてもらえれば、バレル長は4.5インチほどにしてもらいたいところではある。ホルスターからドロウして撃つことを考えると、ややフロントヘビー感があるからだ。

 

TTI 2011 COMBAT MASTER

撃ちやすさの一助となるトリガープル。10回の平均トリガープルは、2ポンド4オンス(約1,020g)と絶妙だ。ただしキャリーガンとしては少し軽すぎだろう。あくまでも訓練されたオペレーターが使う競技用ガンなのだ。ちなみに、前回計測したグロックGen.5のトリガープルは新品の頃で4.5ポンド強だった

 

TTI 2011 COMBAT MASTER

実射の様子。リコイルはマイルドで、コントロールしやすい

 

 今回久しぶりにシングルアクション/スチールフレームのハンドガンを撃ったわけだが、この撃ちやすさには目からウロコだった。やはり4.5インチバレルにグリップをもう少し短くして15連マガジンのキャリーガン。思わず夢想してしまったが、2011プラットフォームをカリフォルニアでということになると、やはり最低でも4,000ドルコースとなってしまう。RDS(レッドドットサイト)とスライドの加工で1,000ドルはかかるので、都合5,000ドル。無理だな、こりゃ。

 

TTI 2011 COMBAT MASTER

ちなみに、精度テストの25ヤードの距離感はこんな感じ。ビギナーである助手の息子にとっては「遥か彼方」だそうだ

 

 WEB版ではかいつまんだレポートになったが「月刊アームズマガジン10月号」ではこの実射比較の詳しいレポートが掲載されている。ぜひ、お手に取ってチェックしていただきたい。

 

 

Text & Photos: Hiro Soga

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年10月号 P.112~119より抜粋・再編集したものです。

 

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