実銃

2021/01/07

【実銃】グロックのマガジンを使用する「SCHMEISSER AR15-9 S4F」

 

 今回ご紹介する実銃は「SCHMEISSER AR15-9 S4F」。前回ご紹介した「HAENEL CR223」と同じくドイツ製の最新AR15クローンだ。この銃の特徴は9mm×19仕様であり、グロックのマガジンを使用することにある。今回はその実力を実射して確かめてみた。

 

 


 

銃器メーカー「SCHMEISSER」とは

 

 シュマイザーといえば「SMGの父」と呼ばれ、StG.44の原型となるMKb42( H)を開発したことでも知られる銃器デザイナー、ヒューゴ・シュマイザーがまず思い出されるだろう。その名を冠した銃器メーカー「Schmeisser GmbH」は、トーマス・ホフとアンドレアス・シューマッハにより2009年にドイツで設立された。同社の主力商品は当初からAR15クローンであり、AR15-9S4Fはその一つである。

 


 

SCHMEISSER AR15-9 S4F

 

 

  • 口 径:9mm×19
  • 全 長: 693mm/769mm(ストック伸長時)
  • バレル長:267mm(10.5インチ)
  • 重 量:3,040g
  • 装弾数:10発

 

 SCHMEISSER AR15-9 S4Fはグロックのマガジンを使用する、9mm×19のPCC(Pistol Caliber Carbine)だ。.223の幅を持つマガジンウェルに9mmのマガジンを入れるとチグハグになりがちだが、グロック26の短いマガジンがこのAR15にやたらとマッチしている。ブラックのコーティングも引き締まっていて、見た目も一味違う。その視覚効果のせいか、持ってみるとバランスもよく感じてしまう。発射機構はシンプルブローバックで、45度のセレクターも使いやすい。

 

フラッシュハイダーは3プロングタイプ。9mm×19と10.5インチバレルの組み合わせでは、マズルフラッシュはほとんど見えない

 

トリガーはマッチトリガーで、フィーリングにはキレがある。エジェクターなど内部パーツはシャープに加工されている

 

抜き出したマガジン。グロック26用を使用しており、装弾数は10発

 


 

実射

 

 

 今回、ウィーン近郊の民間射撃トレーニング施設「エーデルワイス・アドベンチャー」のオーナー兼トレーナーのアンドレアスに協力いただき、AR15-9 S4Fを実射してその撃ち味を確かめてみた。

 短いグロック26のマガジンに9mm×19弾を詰め込んで射撃してみると期待を裏切ることのない、なんとも良質な射撃フィーリングだった。何よりもこのトリガーがいい。リコイルも含め、PCCにありがちなおもちゃっぽさがなくメリハリがある。AR15のPCCは以前ANGSTADT ARMSのUDP-9を撃ったことがあり、これが結構気に入ったのだが、こちらの方が.223のAR15を撃っているような手応えが感じられる。拳銃弾仕様のライフルを使うLVR(Low Velocty Rifle)マッチに参加するならこれを使いたい! と思わせる楽しさだった。

 

たいていライフル弾を撃つ方が楽しいが、このシュマイザーは違った。細部まで作り込まれているからだろうか、これほど楽しいPCCは今まで出会ったことがなく、充分に主役級の存在感だった。シュマイザーはもちろん.223仕様のAR15もラインアップしているので、こちらのフィーリングも気になってきた

 


 

 今回ご紹介した「SCHMEISSER AR15-9 S4F」の他にも、ドイツ製の最新ARクローンはある。「HAENEL CR223」もその一つであり、おなじく「エーデルワイス・アドベンチャー」のご協力で実射の模様をレポートしている。そちらもぜひ、ご覧いただければ幸いだ。

 

「HAENEL CR223」のレポートはこちら

 

TEXT & Photos: 櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)

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この記事は月刊アームズマガジン2021年2月号 P.130~137より抜粋・再編集したものです。

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