エアガン

2020/07/05

東京マルイ「グロック17 Gen.4」【毛野ブースカの今月の1挺!】

 

「月刊アームズマガジン」編集部の毛野ブースカがおくる『毛野ブースカの今月の1挺!』 。今月は東京マルイのガスブローバックガン『グロック17 Gen.4』をご紹介!

 

前回の「今月の一挺」はコチラ

 


 

 

 

 サバイバルゲーム用のハンドガンでお薦めのものはありますか?と聞かれたら、私は迷うことなく東京マルイのガスブローバックガン・グロック17ハイキャパ5.1と答える。その理由はエアガンとしての実用性(操作性、実射性能)が高いからだ。サバゲーの道具として考えるならこれは重要な項目である。マガジンの装弾数や実射性能はハイキャパ5.1にやや軍配があがるものの、実銃同様にトリガーを引けば撃てる(逆に言えばトリガーを引かない限り弾は出ない)というイージーな操作性と高い安全性ではグロック17に軍配が上がる。両銃とも耐久性があり、カスタムパーツが豊富なところも魅力だが、最終的には好みで判断することになるだろう。そんなサバゲーお薦めハンドガンが、先にハイキャパ5.1がハイキャパD.O.Rとしてアップデートされ、そしていよいよグロック17がGen.4としてアップデートされた。これで私のお薦め度合いもアップした。

 

全体のフォルム、機能は従来のサードジェネレーションと同じ。それがグロックピストルの特徴であり、人によっては面白みや味を感じない部分でもある

 

 今回発売されたGen.4のもっともお薦めのポイントは、グロック17用の実物ホルスターに収納できるリアルディメンションになったことだろう。今まで発売されていたサードジェネレーションはグロック17用の実物ホルスターに収納することができず、専用に作られたものや.45ACP弾仕様のグロック21用ホルスターで代用していた。かつてはリアルディメンションでなくても許されたが、ジャストサイズに成型されているカイデックス製ホルスターが多く流通するようになってからは、リアルディメンションであることを求められるようになった。今やリアルディメンションであることは当然のスペックとなっている。実際、Gen.4は実物ホルスターに問題なく収納できる。これでホルスターの選択肢と装備の自由度が増した。

 

細かい部分がリサイズされたことでグロック17用実物ホルスターに収納することができる。私のようなハンドガン好き、ホルスター好きにとっては大きな進歩だ

 

 リアルディメンションだけではなく内部メカも進化している。内部メカは先行して発売されたグロック19サードジェネレーションがベースになっており、特にスライドアッセンブルやバレルアッセンブルは従来型から流用できなくなっている。もともとグロック17は発売当初からブローバックは機敏で命中精度も高かったが、Gen.4になったことでレベルアップされた。シャープなリコイルショックに加えて、デュアルリコイルスプリングガイドのおかげかスライドのリカバリースピード(スライドが元に戻る速さ)がアップしたことで連射しやすくなった。命中精度は特に遠距離での安定性が加わり、よりサバゲー向きとなった。パッと見ではサードジェネレーションと同じようだが、撃ち味はまるで異なる。

 

サードジェネレーション以上にGen.4は動きがいい! スライドのリカバリースピードが速い。ガスブローバックガンはリコイルショックの強さだけですべてが評価されるべきではない。それを実感させてくれるのがGen.4である

 

 もちろんGen.4の特徴はこれらだけではない。全体のフォルムはサードジェネレーションと変わらないものの、グリップの滑り止めのチェッカリングとテクスチャー(RTF=ラフ・テクスチャード・フレーム)が変更され、バックストラップが交換式となり、マガジンキャッチが大型化され、サードジェネレーションに比べてより使いやすくなっている。グロック19サードジェネレーションと同様、エキストラクターやスライドカバープレートが別パーツになるなど、リアルさも増している。マガジンは同社のグロック22以降に付属する最新型(口径表示は9㎜)となり、従来型との互換性も維持されている。これは既存にユーザーにとってはありがたい。

 

リコイルスプリングガイドは実銃同様デュアルリコイルスプリングガイドになった。これが動きのよさに貢献していることは間違いない

 

 実を言うと私はグロック17が嫌いだった。10年以上に渡って東京マルイのシグザウエルP226を使い続けてきた。しかし、東京マルイのグロック19サードジェネレーションを入手して以来、ほぼこの銃だけを使い続けている。グリップなどカスタムしているのでまっさらなノーマルではないが、その間、メジャーなシューティングマッチにおいて部門別で3位以内に2回入賞し、今では手放せない存在になっている。今回、ホルスターの選択肢が増えたGen.4が出たことで、シューティングマッチで使ってみようか真剣に考えている。私はよく「最新型は最良」という言葉を使うのだが、まさにGen.4はそれに合致する性能、リアリティを備えている。今、サバゲー用のハンドガンが欲しい方はGen.4をぜひ選択肢の中に加えていただきたい。

 

グリップはテクスチャーが変更され、バックストラップが交換式となった(写真はバックストラップ未装着状態)。またマガジンキャッチが大きくなったことで交換しやすくなった

 

マガジンはアンビマガジンキャッチに対応した最新型を再現。装弾数25発と必要にして充分なキャパシティー。従来型との互換性あり

 

フィールドストリップのプロセスはグロックピストル共通。メンテナンスのしやすさもグロックピストルの特徴だ

 

グロック19サードジェネレーションから導入された新型ホップチャンバー。分解せずともホップアップの調整が可能になった

 

ブローバックエンジンは近年多くのモデルに採用されている直径15mmの大型シリンダーを採用している

 

何度も強調するが実物ホルスターに収納できるようになったのが、私にとってはGen.4の最大のセールスポイントだと思っている。写真はブレードテックのカイデックス製ホルスター

 

東の横綱がハイキャパD.O.Rなら西の横綱はグロック17 Gen.4と言っても過言ではない。アップデートによりサバゲーお薦めハンドガンの地位を不動のものにした

 

TEXT:毛野ブースカ

 

 


[プロフィール]

 

 

 

 

 

 

アームズマガジンの編集ライター。エアガンシューティング歴35年。数多くの国内シューティングマッチ入賞経験に加えて、1999年、2000年に開催されたIDPAナショナルズ参戦、シグアームズアカデミーや元デルタフォース隊員のラリー・ヴィッカーズのタクティカルトレーニングを受講するなど実弾射撃経験も豊富。今まで24年、280冊以上のアームズマガジンと関連MOOKの制作に携わる。

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