2020/06/23
【前編】フィクションの銃を作る~冒険野郎の.45(フォーティーファイブ)~
新連載「空想銃製作指南」スタート!
みなさまはじめまして、カスタム工房「YURI CUSTOM WORKS」の結利晴信と申します。本コーナーでは「ストーリーと世界観を持った空想カスタムを製作してみよう」をコンセプトに、一作品の企画から完成までを解説していきます。読んでみてもし興味を持たれたら、ぜひ記事を参考に製作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか(´ω`)。
結利晴信(ゆうりはるのぶ)です。よろしくお願いします
さて今回は「冒険野郎の.45(フォーティファイブ)」をコンセプトに作品を作っていきたいと思います。イメージは映画『インディ・ジョーンズ』シリーズやゲーム『アンチャーテッド』シリーズといった、財宝や神秘を求めて世界中で冒険を繰り広げる“冒険野郎”の1911系カスタム。高所など危険な場所や激しい運動をしながら銃を扱うシチュエーションもあるため、できればそういった特徴もデザインに生かして盛り込めたら… と想像を膨らませていきます。
コンセプトを完成イメージ図としてまとめる
まず、製作前にその銃の画像を使って「完成イメージ図」を描きます。先にイラスト化しておくと、頭の中のイメージだけで製作を始めるよりもアイデアが視覚化されて具体的な完成像や目標をハッキリ意識でき、結果的に完成品のクオリティが上がります。
「完成イメージ図」がこちら! カスタムするポイントを忘れないように文章でもメモ書きしておくと、後で見返した時にわかりやすくていいですよ(´∀`)
ダメージ加工と刻印
ベース銃は東京マルイのガスブローバックガン「コルト ガバメント シリーズ'70 ニッケルフィニッシュ」をチョイス。これはメッキ仕上げの上にマットブラック塗装すると、剥げさせた時にリアルなユーズド黒染め風に見えるからです。
それから木製グリップパネルとMEUピストルの純正ハウジングをネットオークションで即決購入。さらにキャロムショット「ゴールド3ホールトリガー」も購入し、グリップに巻く包帯は100均で入手。パラコードとキーリングは家にあった私物です。
ダメージ加工の前にスライドの刻印を彫っておきましょう。イメージ図を見本にペンで下書きします。ケガキペンや鋭い針のようなもので何度もなぞるようにして深く彫り込んでいきましょう。やりすぎてプラの下地が出ないように注意!
ダメージ加工する
冒険野郎の設定では、世界中の危険な場所とシチュエーションでハードな使い方をしているため銃は傷だらけのはず。例えばぶつけてへこんだ部分、鋭いもので引っ掻いた跡、擦りきれて薄くなった黒染めなど(染めの剥げは後で塗装と研磨仕上げで表現)。角のシャープな棒ヤスリや金属製の定規を使ってダメージ傷を付けていきます。
そうするとこんな風に角がボコボコしたり表面に擦り傷が付いて、いかにも「荒く使い込んでます!」的な雰囲気が出てきます
【前編】はここまで。【後編】ではこのあと塗装やユーズド処理が続きます。最後にご紹介する完成作品もお楽しみに!
作例製作・文:結利晴信/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年7月号 P.104~111より抜粋・再編集したものです。