2019/12/27
第1回 アームズマガジン ガンスミスコンテスト 結果発表
アームズマガジン読者が作り上げたドレスアップカスタムが集結!
トイガンをドレスアップしてその出来映えを競い合う「アームズマガジン ガンスミス・コンテスト」。今月はその記念すべき第1回の結果発表をお届けしよう。
本コンテストはWeb上にて7月29日(月)から募集を開始。10月26日(日)までの期間に83作品ものご応募をいただいた(参加者の皆様には、たくさんの力作を寄せていただき感謝申し上げます!)。
それでは、本誌編集部とトイガンカスタムを得意とする本誌ライター陣の写真審査により選出された栄えある5挺の受賞作をご紹介しよう!
大賞 受賞作品
Caliber.45EX
山下ヨシタカ(静岡県・45)
ベースガン
東京マルイ コルト ガバメント マークIV シリーズ'70
本コンテスト大賞受賞作となったこの「Caliber.45EX」はハンドガンの王道ともいえるガバメントをチョイスし、丁寧な仕上げやディテールアップへのこだわりなど、まさに本コンテストのテーマ「ドレスアップ」を体現した作品といえる。セミオートピストルの場合、ベースとなるパーツには樹脂製フレーム&スライドを使用しなければならないという制約がある中で、架空の設定ながらいかにも実銃が存在しそうな雰囲気に仕上げているところに、作者のセンスが感じられる。さらに、本コンテストが「写真審査」である点にも配慮され、作品の出来映えを判定しやすい、クオリティの高い写真で応募された点も好印象となった。
(※大賞受賞作品のみ編集部にお送りいただき、掲載写真を改めて撮り起こしています)
東京マルイのガスブローバックガン、コルトガバメントシリーズ'70 にライラクスのノスタルジックカスタムスライドを組み合わせ、キャロムショットのブルースチールスプレーで全体を塗装し、ポリッシュ仕上げしている
刻印は手彫りでレーザー彫刻のような正確さはないが、作者オリジナルの設定で独特な雰囲気を放っている
キャロムショット製カラーシームハンドルを赤系ニスで塗ったグリップがアクセントに
受賞者コメント 山下ヨシタカ
この度は栄誉ある賞を賜り、大変うれしく思います。巷には他の方がもっと出来よく作られた作品がたくさんあるかと思いますが、拙いながら自分が好みとこだわりをこめてカスタムした作品が評価いただけたのはとてもありがたく、感謝しています。
この銃は友人とインドアサバゲで遊ぶ際に自分の愛着ある1挺を、と製作しました。自分が好きなコルト1911とブローニングハイパワーを合体させたようなイメージでパーツをチョイスし、仕上げていきました。
スライドの刻印は拙いながら手彫りですが、左面の表記は「1970~80年代にFNやブローニングが(パテントとかは置いといて).45口径を出していたら…」という妄想です(笑)。右面の表記は、自分の名前の母音を記号風にしたものと、ペットネームとして「Melusine(メリュジーヌ)」という名を彫りました(コルトのリボルバーに倣って蛇にまつわる名前です)。
とにかくソレっぽくなるパーツを掻き集めて好き勝手に合わせた物ですが、やっぱり鋼色の銃身と木製グリップが自分の一番の好みなのだと再確認しました。
ライフル・長物部門 受賞作品
イギリス軍 サブマシンガンL19
サバゲーマニア(茨城県・62)
ベースガン
東京マルイ スコーピオン Vz.61
応募点数がもっとも多く激戦区となったライフル・長物部門の受賞作品がこちら。イギリス軍の現用SMG、という架空設定でL85のようなブルパップデザインとし、外装にはMP5のパーツなども使用。そしてメカは東京マルイの電動コンパクトマシンガン、スコーピオンVz.61のものが搭載されている。とりわけ、リアリティの演出が審査員の高評価を得た作品となった。
受賞者コメント サバゲーマニア
イギリス軍の制式サブマシンガンはスターリング以来新規採用がないので、「もしイギリス軍が制式サブマシンガンを開発したら」と想像で作ってみました。
a:9ミリカート用のシンプルなストレートブローバック。
b:予算をかけず(国が色々と大変なので)L85A1の部品を加工して使って組み上げる(アッパーフレーム、ロアーフレーム、グリップ周り、ストック等々)。
c:HKがイギリスメーカーの傘下にあるのでMP5の部品を使う、マガジン、マグキャッチ等々。
ブルパップ、マガジンとグリップが近いが左右にスイングして構えやすくなっている(ブッシュマスターのマネ)、左利きにも対応したボルトキッャチや頬当ての左右入れ換え(FA-MASのマネ)など開発費を抑えつつもアイデアが込められている、という設定です。
ハンドガン部門 受賞作品
グロックG34カスタム
北のグロック職人(北海道・52)
ベースガン
東京マルイ グロック34
東京マルイのガスブローバックガン、グロック34 をベースにカスタマイズを施した作品。グリップを作者の手に合わせて加工し機能性の向上を図りつつ、アクセントに赤いカラーリングを加えるなどセンスの良さが光り、ハンドガン部門賞を受賞した。
受賞者コメント 北のグロック職人
純正品を加工してオリジナルデザインのフレームを製作しました。ノーマルのグリップは自分の手には合わないので大幅に形状変更。グリップ後部を一度切り取って合わせ目を削り、ABS粉末を半田ゴテで溶かしながら溶接してストレートに加工しています。フレームサイドのアクセレーターカットはダブルで入れることでどちらでも指を乗せやすくして、トリガーガードのアンダーカットとあわせてデザイン上のアクセントになっています。スティップリング加工はファウラーインダストリーズのグロックによく見られるタイプを実銃画像を参考に再現。スライドは前端下部に斜めカットのみ入れています。カスタムパーツはV-TACタイプのハイブリッドサイト、ZEVタイプのマグウェルとマガジンバンパー、 C&C製のカスタムトリガーでドレスアップしました。
SFガン部門 受賞作品
XM516Mod0ほむほむ
じゃなくて高橋(長野県・58)
ベースガン
東京マルイ H&K MP5クルツA4/コルトM16A1
SFアクション映画に登場するような架空のオリジナルガンを創造するSFガン部門では、こちらの「XM516Mod0ほむほむ」が部門賞を受賞した。2つの銃を組み合わせたこの合体銃は、機能性はともかく見た目のインパクトは抜群で、いかにも敵のクリーチャーやメカを倒せそうな凄みを放っている。
受賞者コメント じゃなくて高橋
東京マルイのMP5KA4PDWとM16の連結銃です。まずMP5のフレームを自作のアルミ材で前に延長。フォアグリップの前にM16の発射スイッチを配置し、これで2挺同時もしくは個別で撃つことができます。M16のセレクターはフルに固定し、バレルはMP5Kのバッテリースペースを通しました。バッテリーは銃右側の自作ケースに収納。AKとG3のマガジンはそれぞれMP5とM4のマガジンパーツを使いそれぞれのマグウェルに対応させています。パーツはライラクス製クルツ用トップレール、M4A1RIS用バッテリーケース、ハイマウント、LS製L85のバットプレートとチークピース、MMC製L85のフォアグリップを装備。さらにMP5Kのマズルには逆ネジアダプターを介してスチールハイダーを装着し、ロアレシーバーにアームズマガジン付録のUIDコードを貼り付けました。
U18部門 受賞作品
10禁LMG『ミニミニミ』
ヴァージンイェーガーのマエストロ(京都府・16)
ベースガン
東京マルイ M4 CQB
10歳以上18歳未満の方が応募できるU18部門では、10歳以上用の東京マルイ製電動ガンLIGHT PROシリーズ M4 CQBをベースに、ミニミのような外観にカスタムしたこちらの作品が部門賞を受賞した。高校生のためできるだけ低予算で、とのコンセプトでジャンクパーツやホームセンターで入手した素材を駆使し、ここまでカッコよく仕上げた発想力と技術力のすばらしさで、審査員の高評価を得ている。
受賞者コメント ヴァージンイェーガーのマエストロ
LMGが撃ちたいのに10禁のLMGが存在しない! だったら作ってやろう! と思いLMGのようなM4を考案。まだ高校生なので予算も少なく、フリマアプリを駆使したり、ホームセンターや家にある物を使ったりすることで、本体は5,000円程度でカスタムできました。ベースガンはジャンク品のライトプロM4で、入手したミニミのハンドガードとバイポッド、Mk2ストックをパイプ固定パーツやアルミパイプ、1インチ対応のマウントリング等で組み上げています。ストックの固定には悩まされましたが、アルミプレートで本体左側面とストックをネジ留めして固定。これによりセーフティレバーが使えないため、ストックにセーフティを新設しました。ハンドガードはマウントリングでアンダーレールに1インチアルミパイプを取り付け、そこにバイポッドやフロントサイト等を載せた上からハンドガードを被せ、ボルトとナットで固定しています。
以上、ここでは受賞作品5点をご紹介した。本誌アームズマガジン2020年2月号では、さらにノミネート全作品を一挙に掲載している。第1回に参加された方も次から参加しようと考えている方も、全国のガンスミスによる力作をぜひともごらんいただきたい。
コンテスト審査員
- 月刊アームズマガジン編集部
- Satoshi Matsuo(月刊Gun Professionals副編集長)
- 毛野ブースカ(本誌編集&トイガンライター)
- 結利晴信(Yuri Custom Works)
- IRON SIGHT(本誌ライター)
- 國谷忠伸(本誌ライター)
TEXT:アームズマガジン編集部
この記事は月刊アームズマガジン2020年2月号 P.30~43より抜粋・再編集したものです。