エアガン

2019/12/18

オーストリアが誇る、ブルパップの最高傑作を紹介【前編】

 

AUGはオーストリアのステアーが開発したアサルトライフルだ。グリップより後方に機関部を持つブルパップ方式を採用し、ポリマーフレームを大胆に採り入れた現代的なアサルトライフルの先掛けとして登場。その信頼性の高さから今でもオーストリア軍やオーストラリア軍の制式小銃として君臨し、ブルパップの最高傑作と評価されている。

 

 

大げさに言うと、世界のアサルトライフルはほぼAR15/M4かAKに二分されつつある格好だ。軍需産業では世界の先端を行くフランスでさえ自国開発の小銃をあきらめ、旧来の自国製FA-MASを更新すべくM4系のHK416Fを採用したほどである。

 FA-MASのようなブルパップ式アサルトライフルは一時期欧州各国軍がこぞって採用した。グリップより後方に機関部を持つブルパップには、バレル長を維持しつつ全長を短くできるメリットがあり、何より銃の懐に重量物のほとんどがあるのでバランスもよく、使い勝手が悪いわけがない。

 

横から構えた姿を見れば銃の重心が肩に近い方にあることが理解できるはず。そして、頬付けして前を睨めばそこにはきちんと光学サイトがある。AUGはすべてにおいてバランスが絶妙なのだ。

 

ブルパップ式アサルトライフルの代表例としては上記のFA- MASをはじめSA80(L85)、タボール、F2000などがあるが、とりわけ有名なのはステアーAUGではないだろうか。1977年にオーストリア軍がStG77として制式採用したのを皮切りにGIGNなども含めた各国の特殊部隊でも採用。SMG並みにコンパクトで近接戦闘での取り回しに優れている点も評価されている。

 

彼が持つAUGは経験から選び抜かれたパーツでカスタムされ、もはや身体の一部と言えるほどに馴染んでいる。自国のライフルには、やはり愛着があるのだろう。サプレッサーや光学サイトなど重量のあるアクセサリーが装着されているので持つとズッシリくるが、構えるとバランスは申し分なく、取り回しもよいことから重さを感じさせない。

 

今回はAUGを射撃するため、オーストリアのエーデルワイス・アドベンチャー(EDELWEISS ADVENTURE)という訓練施設を訪れた。首都ウィーンから車で南に向かって40分ほど、オーストリア陸軍の基地がある街・ゾレナウにあるこの施設は、主に軍や法執行機関の関係者などの射撃訓練に利用されている。

 

スタンディングからニーリングへ移行して射撃。動きながらの射撃では、特にAUGの取り回しの良さを実感できる。

 

【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】

国内でも人気のあるブルパップアサルトライフル・AUG。現在では独自の進化を遂げており、M4系やAK系とは異なる魅力を放つ。それだけに、未だにファンの心を掴み続けるのであろう。次回の中編では、AUGのバリアントにスポットを当てる!

 

 

Text&Photo:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)

編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部

 

 


この記事は月刊アームズマガジン2020年1月号 P.128-135より抜粋・再編集したものです。

 

月刊アームズマガジン1月号のご購入はこちら

 

×
×