2025/02/25
SVI Infinity Firearms 史上初トリプル・クラウンのタイトルを獲得したマルチガンの王者、タラン・バトラーと、そのSVIインフィニティ・ハンドガン
史上初トリプル・クラウンのタイトルを獲得したマルチガンの王者、
タラン・バトラーと、そのSVIインフィニティ・ハンドガン
SVI Infinity Firearms
Akira
Gun Professionals 2012年11月号に掲載
史上初のトリプル・クラウン・チャンピオン
今年4月11日から15日までの間、ラスベガス郊外で開催された2012USPSAマルチガン・ナショナルズのオープン部門で優勝を果たし、過去のタクティカル部門(4回優勝)、リミテッド部門との優勝経験と併せUSPSA史上初の3部門優勝(トリプル・クラウン・チャンピオン)の栄冠を勝ち取ったのがプロシューターのタラン・バトラーだ。
マルチガンはハンドガン、ライフル、ショットガンの3種類をステージ内で切り換えながら撃つ競技だ。以前は各銃毎にステージ分けされ、3ガンとは呼び分けられていたが、現在は一緒になっている。
3部門制覇と言ってもナショナルズでは毎回1部門にしかエントリーできないので今大会で同時優勝した訳ではなく、過去の優勝記録を全てカウントした上での結果であるが、ジェリー・ミチェリックやマイク・ヴォイドでも成し遂げられなかった偉業を達成したタラン・バトラーは今年USPSAで活躍したプロ・シューターの中でもひと際、脚光を浴びる存在となっている。
今月はLA郊外に住むタラン・バトラーのもとを訪れ、長年愛用し続けているテキサス州のインフィニティ・ファイアアームズのハンドガン達の魅力に迫ってみたい。

タラン・バトラー
ハリウッド生まれのタランは兄弟揃って西部劇の大ファンで、10歳にも満たない頃からアクションシーンを再現するかのようにシングル・アクション・リボルバーなどで射撃に興じていた。1994年、20代半ばのタランは室内射撃場で行われたボーリングピンの早撃ちマッチに借物のグロック24で出場し、あっさり優勝をかっさらってしまう。銃を貸したのはランボーやバットマンなどの作品で活躍した伝説のスタントマンと呼ばれたブルース・バーバー氏でタランの秘めた射撃の才を見抜き、南カリフォルニアで有名なサウスウエスト・ピストル・リーグに出場する事を勧める。
タランは翌年1月にグロック21で初挑戦し、118人中7位と好結果を残した。以後、ますます射撃にのめり込み、自宅のある20エーカーの広大な私有地でいくらでも自由に練習できる環境を活かして僅か1年あまりでGM(グランドマスター)の称号を獲得。USPSA史上、グロックを使ってGMの殿堂入りした初のシューターとなる。




1996年、自身初のメジャー大会であったエリア2チャンピオンシップに出場し、リミテッド部門で優勝。それ以降もサウスウエスト・ピストル・リーグでは15回優勝、USPSAオープン、リミテッド10、シングル・スタック(2回) 、プロダクション部門、IDPAナショナル・チャンピオン(2回)、スティール・チャレンジのIDPA部門(5回)、IPSCワールド・シュート・スタンダード・ゴールド・メダル・チーム・チャンピオンと優勝記録を増やし、ここでは書ききれないほどのタイトルを獲得してきた。
90年代後半、ハンドガン競技だけに絞らず長物を駆使する3-ガン・マッチに出場して早速頭角を表しプロ選手からも一目置かれるようになった。やがてアクセサリー会社や弾メーカーがスポンサーの話を持ちかけ、活躍する度にシャツのロゴが増えプロとしての実績を上げていった。


タランにはプロ選手以外にも、もう一つの知られた顔がある。エンターテイメント界でのインストラクター、テクニカル・アドバイザーとしても活躍しているのだ。映画「ターミネーター」「エイリアン2 」「アバター」のジェームズ・キャメロン監督や「マイアミ・バイス」のマイケル・マン監督と親交が深く、大作映画の製作時に自宅のレンジをトレーニング・サイトとして俳優に対するトレーニングを実施、数多くのハリウッド俳優達(コリン・ファレル、クリス・ヘムズワース、ジェニファー・ガーナーなど)に射撃を教えてきた。
そしてヒストリー・チャンネルで放送されているTV番組「Top Shot(邦題:射撃王)」にも出演し、その他の銃器/射撃関連の番組にもタレントとして出演しているので、日本でもタランの活躍を動画で見た事のある読者は少なくない筈だ。


