2025/01/28
SHOT SHOW 2025 最速レポート
SHOT SHOW 2025 Short Topics
Satoshi Matsuo

今年のSHOT SHOWについてのGun Pro Webとしてのレポートは、2月27日からスタートする4月号でお届けします。しかし、その前にどのような製品が今年展示されたのか、その一部をここでお伝えしたいと思います。尚、ここで使う写真はすべて、私が取材中にメモ代わりにiPhoneで撮ったものです。4月号で使用する写真はもっとちゃんとしたものを使いますので、ご安心ください。
今回のSHOT SHOWでとても印象的であったことの一つは、SIG SAUERが出展社として復帰したことですね。現在世界最大規模の銃器メーカーとなったSIG SAUERですが、コロナ禍以降SHOT SHOWに参加しなくなりました。そんなSIG SAUERが戻ってきたのです。但し、2020年までの大規模出展と比べて、その規模は感覚的に1/15、もしくはもっと小規模になっていました。また出展社名は“SIG SAUER”ではなく、“SIG SAUER Defense”となっています。
従来はSIG SAUERの主要製品をすべて展示する形でしたが、今回はその出展社名の通り、軍、並びに法執行機関向けの製品のみを展示する形になっています。また出展場所も2020年までは、ベネチアンエキスポのメイン会場である2Fの中心部分に最大スペースのブースを確保しての参加でしたが、今回は2022年より新たに加わった展示スペースであるシーザースフォーラムに控えめなブースを構えていました。
それでも、アメリカ軍での配備が始まっているXM7やXM250の実機を見ることができたことは大きな収穫です。展示物の詳しい内容は4月号のレポートでお伝えします。
続いて今回展示された各社の新製品についてその一部を簡単にお知らせします。

SHOT SHOW開催が近づく2024年の年末ごろから年明けにかけて、複数のメーカーからいくつかの新製品が発表されました。これは例年と同様です。
その中で今回もっとも注目すべき新製品は、ヘッケラー&コックUSA(HK USA)のCC9でしょう。これは2023年のエンフォースタックで公開されたSFP9CCの製品版だと思われます。従来のSFP9(VP9)とは全く別系列の製品でパーツの互換性もありません。サブコンパクトでSIG SAUER P365などに採用されているFCUと同様のトリガーメカニズムを組み込んだユニットを内蔵するものです。この銃は2024年10月16日に発表されたもので、SHOT SHOWで公開されるのを楽しみにしていました。

またHK USAからは今年1月13日にVP9A1が、さらに2024年12月6日にMR556 A4が発表され、これらもSHOT SHOWで展示されました。VP9A1は既存のVP9をアップデートしたもので、MR556A4はHK416のアップデート版です。

グロックの新製品は今年1月7日にリリースされたCOAです。これはAimpointとのコラボレーションによるエンクローズ型ミニダットサイト搭載モデルで、現時点では銃本体とエイムポイントCOAオプティックのセット販売のみとなります。現時点の対象モデルはG43X, G48, G19 Gen5, G45, G47のみで、それぞれのスライド上面はグロックのMOSではなく、新しいA-CUTインターフェイスデザインとなっています。これでCOAを直付けする形になりました。COAオプティックは前部がスライドにかみ合い、リアサイトで後方から押さえ付ける形になります。COA自体は既存のAimpoint ACROをより小型化したデザインですが、銃に装着するにはA-CUTインターフェイスが必須となる専用設計です。このCOAに関しては、4月号を待たずに後日レポートします。
スプリングフィールドアーモリーのEchelon(エシュロン)は、SIG P320などに近いセントラルオペレーティンググループによるモジュラーピストルです。フルサイズモデル登場後、バリエーション展開が待たれていましたが、2024年9月24日にその4.5インチバレルでコンプ組込みのEchelon 4.5F Compが、また12月3日にはコンパクト4.0Cがリリースされました。いよいよエシュロンが動き出すという感じです。
またスプリングフィールドアーモリーでは1911DS プロディジーコンパクトを今年の1月15日にリリースしています。
S&WはメタルフレームのM&Pを2機種発表しました。M&P 9 M2.0 メタルコンパクトは1月16日に発表されたアルミフレームで、パフォーマンスセンター M&P 9スペックシリーズVは1月21日に発表されたスチールフレームモデルです。
チェコのLaugo Armsはエイリアンピストルの新型としてREMUS(リーモス)を昨年12月に発表しました。この銃はアルミフレームを採用したコンパクトバージョンです。
KEL-TECは1月15日、PR57を発表しました。この銃はロータリーバレルロックシステムを採用した5.7×28mmピストルで、装弾数は20発、徹底的に簡素化されていて、非装填時の重量は393gと驚くほど軽量です。最大の特徴は、着脱式マガジンではなくエジェクションポートからクリップで装填する部分で、メーカー希望小売価格は$399と価格面でも際立っています。しかしながら、このクラスの安価なバジェットピストルを求める層に5.7mmが果たして受け入れられるのでしょうか?
スタカートHD P4は、1月14日に発表された新型で、既存の2011とは異なる新しい製品ラインです。マガジンはなんとグロックパターンを採用、市場に溢れる安価なグロック9mmマガジンを使えるようにしたものです。法執行機関での採用が進むスタカートとしては、このHD P4でさらなる攻勢をかけようとしているのでしょう。

ハンドガンの新製品ばかりをご紹介しましたので、最後にロングガンを1挺ご紹介します。オートオードナンスは昨年12月19日にTAO50トンプソンライフルを発表しました。その名の通り、.50BMG口径のボルトアクションライフルです。際立った特徴はないのですが、メーカー希望小売価格$8,699は意外と安いのかもしれません。アメリカではこの種の銃が昔から繰り返し登場しています。
SHOT SHOW 2025は、これらの他にも数多くの新製品が登場しています。それらは2月27日配信開始されるGun Pro Web 4月号で詳しくご紹介させて頂きますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
Satoshi Matsuo
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