2025/01/25
SHOT SHOW 2012 全米最大級のガンショーレポート
SHOT SHOW 2012
2012年Vol.1(4月号)掲載
Photos & Text by Yasunari Akita, Satoshi Matsuo
Gun Professionals Vol.1 (2012年4月号)に掲載
第34回SHOT SHOWは2012年1月17日から20日までの4日間、アメリカネヴァダ州ラスベガスのサンズエキスポ&コンベンションセンターで開催された。この施設は58,530㎡(630,000sq/ft)の広さがある(幕張メッセの1~8ホールの合計面積は54,000㎡)。これはそのすべてのフロアを使って開催される大規模なイベントで、一般市販モデルを主体とした銃器の展示会としては、世界最大のものだ。
ショーが開催された4日間の入場者数は、主催者発表で61,000名を超えている。SHOT SHOWはビジネスの場であり、この分野の関連業者と関連メディアだけが入場でき、一般消費者は原則的に入場できない。もし一般消費者が入場可能としたなら、この倍以上の入場者数になるのではないだろうか。
新雑誌Gun Professionals Vol.1の巻頭記事として、編集部はこのSHOT SHOWを選択した。これは2012年の銃器業界の動向を示す重要なイベントだからだ。アメリカ経済が失速している中でも、銃器弾薬関連産業は、40億ドル($1=¥77換算で3,080億円:2012年2月時点の為替レート)の市場規模を持っている。アメリカの消費者が求める銃器、およびその関連製品の多くは、このコンベンションセンターに出店した約1,600のメーカー及び販売業者のブースで見つけることができるだろう。
残念ながら、2012年のSHOT SHOWには、市場を大きくリードするような、全く新しい新製品は登場しなかった。もちろん、そんな製品は、滅多に登場するものではない。今年も、コンシーラビリティ(秘匿性)の高い、コンパクトオートが数多く展示されていると感じた。それらの多くは、9mmパラなどを使用するパワーのある製品だ。この傾向はここ数年間来、ほとんど変わっていない。
その一方で、.22口径の製品も依然として多く登場している。これは弾代の高騰も関係しているのだろう。.22LRの弾は圧倒的に安価だからだ。
今回、もう一つ感じた事は、これまでほとんど注目されなかったような国の製品の進出だ。トルコ製のセミオートがところどころで顔を出している。そのほとんどはコピー品で、真に魅力のある製品ではないが、かつては同様にコピー品ばかりであったクロアチアのピストルの中から、独自性のあるHS2000が登場し、それがXDとしてアメリカ市場に定着したことを考えると、トルコ製の中から数年後には、大きく化けるものが現れるかもしれない。アラブ首長国連邦(UAE)製のCaracal(カラカル)も、アメリカ市場に登場した。グロックの亜流かもしれないが、実際に撃ってみて、この製品には非常に大きなポテンシャルを感じた。
2025年1月補足:13年が経過した現在、トルコのCanikはワルサーのコピーという位置付けから脱却し、しっかりと市場に定着している。一流メーカーとはいえないが、注目を集めるメーカーのひとつといえるだろう。
一方、ここで言及したCaracalは全く普及していないどころか、2012年と2013年に販売されたCaracal FおよびCがリコールの対象となり、出鼻をくじかれた格好だ。このリコールはかなり深刻で、不具合部分を改修するのではなく、本体、マガジン、ホルスターなどのアクセサリー等を含めて全額返金となっている。この事だけが理由ではないだろうが、Caracalが浮上する兆しは現時点では全くない。
4日間、自分はレポーターのAkitaさんの撮影アシスタントとして、SHOT SHOWのブースを回ったが、とても全部を見ることはできなかった。SHOT SHOWとはそれほどの規模なのだ。そこで今回は3段階での取材をおこなった。
ここでは、SHOT SHOWレポートの第一弾として、ショー前日におこなわれた実射イベント“メディアディ”の様子も含めて、新製品を中心に紹介する。そして、“Turkの観たSHOT SHOW 2012”が第二弾だ。そして3月発売の本誌Vol.2では、床井雅美さん/神保照史さんが別の視点からSHOT SHOWの様子を皆様にお届けする。
2012年に銃器界の方向性を、誌面から感じて頂けたら幸いだ。
2025年1月補足:当時、この実射イベントは“Media Day”と呼ばれ、報道関係者だけを対象としていたように記憶している。しかし、その後、“Industry Day”の呼称が使われ、販売関係業者やメーカー関係者も参加が可能となった。
MEDIA DAY
SHOT SHOW開催前日、ラスベガス郊外Boulder Rifle & Pistol Clubの射撃場で報道陣を集めた新製品の試射イベントメディアディが開催された。まずはその様子も覗いてみよう。
感じるのはここ数年でオンラインのメディアがかなり増えたこと。ネット記事や動画サイトを活用し、現地の様子をいち早く届けている。
ここでは各メーカーが用意した銃がテーブルに並べられており、順番待ちの場合もあるが、好きなように撃てる。

2025年1月補足:俳優のRonald Lee Ermey(ロナルド・リー・アーメイ)さんは、2018年4月15日、肺炎による合併症のため、74歳で亡くなられました。Rest in Peace
右:今回取材に同行した松尾副編集長は、この日だけで数百発は撃っていただろう。

2015年1月補足:Slide Fire SolutionのBump Stockは2017年10月1日にラスベガスで発生し、61名が亡くなった乱射事件で使用されたことから、2018年12月にATFがこれをフルオート火器と見做し、一般の所持を禁止した。しかし、2024年6月に最高裁判所がこれを無効としたため、一部の州を除き、所持可能となっている。
右上:撃ってみてこそ、面白さが判る製品もある。フォーリングブロックライフル
右下:こういう機会でもなければ撃てない(所有者が身近にいない)のが、ハイエンドの銃達だ。この機会に定価約4,000ドルのH&K MR762A1を堪能する。
衝撃を吸収する(Recoil Suppression Technology)を組み込んだBLACKHAWK!(ブラックホーク)のSPECOPSストックを試す。銃はレミントン870で、弾は12GAのスラッグ弾だ。触れ込みではリコイルを最大80%減少させることになっているが、リコイルの大きな12GAスラッグだと、そのキックは優しいとはいえない。銃もここまで跳ね上がる。
ライフルは1,000ヤードまで撃てる。様々なメーカーがロングレンジ対応モデルを持ち込んでおり、これも弾代メーカー持ちで撃てる。

右:朝から夕方まで銃声が鳴り止むことはなく、ダウンレンジは常に着弾の土煙に包まれていた。
