2025年4月号

2025/02/27

タナカ S&W M500ES  2-3/4インチ ステンレスフィニッシュバージョン2 ガスリボルバー

 

タナカのM500ESは世界最強の500 S&Wマグナムリボルバー、その最小バリエーションである“エマージェンシー サバイバル”をガスリボルバーで再現したモデルだ。セイフティオレンジのグリップが、只ならぬ雰囲気を醸し出している。

 

 S&Wは世界最強のハンドガン開発競争に終止符を打つべく、2003年にモデルS&W500を発表した(Smith & Wesson Model S&W500が正式な製品名だ)。この銃があまりにも巨大で、かつ使用する.500 S&W弾が強力過ぎたため、その目論見通り、約30年に及ぶ“最強ハンドガン開発競争”はほぼ終止符が打たれた。これが実行された背景には、S&Wが多国籍エンジニアリングカンパニーであるTomkins plc の傘下にあった1987年から2001年までの14年間に、銃器愛好家からの信頼を失墜していたことがある。S&Wは新しいオーナーの下、2002年にSmith & Wesson Holding Corporationに移行し、アグレッシブな営業活動を開始、劇的な復活を遂げた。モデルS&W500はそんな活力に満ちたS&Wを大きくアピールするための道具でもあったのだ。
 最強のリボルバーを製造するガンメーカーとして、S&Wはそのバリエーション展開を図ったが、そのほとんどはロングバレル仕様だった。ロングバレルなら、その重量で強烈なリコイルも少しは軽減できる。しかし、2006年4月に異例のバリエーションが登場した。バレル長を2-3/4インチまで短縮した最小モデルESだ。
 アメリカには灰色熊(グリズリー)や、アメリカクロクマ(アメリカグマ)が生息している地域がある。そんな地にキャンプや釣りに行く際、我が身を守るためには銃が必要になる。強力なボルトアクションライフルを持っていけば、ある程度は安心できるだろうが、大自然の中に足を踏み入れる目的がハンティングではない場合、もっとコンパクトな銃の方が良い。そんな時は.44マグナムや.454カスールのリボルバーの出番なのだが、実際に巨大なクマに遭遇して襲われた場合は、これらではちょっと力不足だ。それらに比べて.500S&Wマグナムなら安心感が増す。
 しかし、XフレームのモデルS&W500は途轍もなく重く、かつデカい。最小の4インチモデルであっても全長10.25インチ(約260mm)、重量55.4oz(1,570g)だ。そこで可能な限り小型化したモデルとして、このES(Emergency Survival)キットが登場した。4インチモデルはマズル部にマズルブレーキ(S&Wはコンペンセイターと呼んでいる)が組み込まれていたが、ESはこれも外し、2-3/4インチバレルとしている。これにより全長は9インチ(228.6mm)、重量は54.8oz(1,553.6g)となった。だいぶ短くなったが、重量は16.4gしか軽くなっていない。
 短くできたのは、マズルブレーキを取り外したからなのだが、これがないとモデルS&W500は強烈なリコイルがシューターの手を襲う。1発撃っただけでもそのリコイルで手が痺れてしまい、とても連射はできない。まあ、恐ろしい爪を持つクマの手で引っ叩かれたら、顔面が吹っ飛ぶわけで、それに比べれば.500S&Wマグナムのリコイルはカワイイものだ。
 このESは2009年3月まで製造供給が続いたが、その需要は限定的で約3年の間に製造された数は500挺に満たなかったらしい。それゆえこの銃は今ではコレクターズアイテムとなっている。
 タナカはそんなレアなESを、ガスリボルバーで再現した。ESならではのオレンジ色ラバーグリップや、独特な形状の2-3/4インチバレルをしっかりと再現している。内部メカはタナカXフレーム最新のVer.2なので滑らかなS&Wらしいアクションを楽しむことが可能だ。実銃のESを撃つのは、相当の覚悟(手を痛める)が必要だが、ガスガンならその心配はない。ESは以前からタナカのバリエーションにあったが、今回は一部仕様を変更しての再登場だ。

 

2-3/4インチバレルに短縮、マズルブレーキ無しとして携帯性を高めている。実際にこれで.500S&Wマグナムを撃つと手と手首が猛烈に痛くなるはずだ。せめてマグナポート加工でも加えるべきだったと思うのだが、S&Wはそんなことはしなかった。これを撃つときは緊急事態なのだから。日常的に撃つなら、減装弾である.500 S&Wスペシャルを使うことで、だいぶ手と手首にやさしくなるだろう。

 

長い.500S&Wマグナムのケース(薬莢)を確実に排莢するため、エジェクターロッドは最大限長くした。その結果、エジェクターロッドシュラウドの前端部までカットされている。

 

グリップはエマージェンシーカラーのひとつであるオレンジのラバーだ。グリップフレームのサイズは意外にもKフレームのラウンドバットと同じとなっている。

 

トリガーサーファスはスムーズで、ワイドトリガーにもなっていない。ワイドにしなくても初めから幅広いため、これ以上左右幅を広げると引きにくくなる。

 

サムラッチの上にインターナルロックキーホールがあり、タナカのモデルガンにもキーが付いている。ハンマーの位置は低いため、マニュアルコックは大きさの割には容易だ。

 

 

タナカ
S&W M500ES 2-3/4インチ ステンレスフィニッシュ バージョン2


全長:約222mm
重量:約850g
装弾数:11発
材質:ABS+亜鉛ダイキャスト
価格¥40,480-(税込)
ペガサス式ガスリボルバー
発売日:3月中旬頃発売予定
お問い合わせ先:タナカ
 

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