2025/02/07
COLT TROOPER 357 戦うポリスリボルバー
COLT TROOPER 357
戦うポリスリボルバー
Text & Photos by Toshi
Gun Professionals Vol.2 (2012年5月号)に掲載
トルーパー357
昨年暮れのガンショーで、長年欲しかったトルーパー357の上物を遂に入手した。
箱は無く、グリップもパックマイヤーに化けていたが、コンディションは極上。400ドルを375ドルに値切って買った。どうせなら357ドルまで負けてくれたら語呂も良かったのだが、とりあえず満足だ。心から欲しいものがある人生は、つくづく幸せな人生と思う。
自分の正直な気持ちとしては、COLT 357モデルのほうを狙っていた傾向はままある。が、まあ良い。それはそれで引き続き貪欲に狙っていくつもりだし。

エッ? こんな妙なトルーパーは見た事が無い? COLT 357モデルって一体何かって?
日本人にとっては、MGCのプラ製、若しくはコクサイのプラ&金属のMKIIIこそがトルーパーであろう。
自分が日本でモデルガン集めに興じていた頃も、MKⅢ以外にトルーパーが存在したなんて全く知らなかったし、考えてもみなかったし、例え知ったとしても果たして興味を持ったかどうかは疑わしい。トルーパーといえばMGCかコクサイ、それで充分だった。
ところがだ。アメリカで20年以上もガンマニアをやってると、次第に渋めのモデルを嗜好する傾向が強まるというか、ルーツを追求したくなってくるのだ。
今回ご覧のモデルは、MKⅢよりも以前に存在したトルーパーであり、COLT 357モデルというのはその古いトルーパー(以下、MKⅢと区別する場合は旧トルーパーと表記)の姉妹品モデルなのである。

トルーパーとは
さて、渋めのモデルが良いだのルーツを追求したいだのと知ったかぶりで調子よく書いている自分だが、実はこのトルーパーというモデルの歴史に関しては、自分はつい最近まで追及し切れていなかった。とりわけCOLT 357モデルとの関係を掴み切れていなかった。
両者は、ハッキリ言ってほぼ同じ銃である。だからややこしい。混乱する。
一般には「COLT 357モデルは、トルーパー357のルーツ」という認識があるが、果たしてそれは正確なのか?


※ ※ ※
旧トルーパーは、オフィシャル・ポリスからスピンアウトした中型のDAターゲットリボルバーだ。元々はポリスオフィサーのトレーニング用として開発されたものらしい。登場は53年で、69年にMKⅢシリーズへと移行した。
フルアジャスタブルのリアサイト(初期はAccroのフラットタイプ)、ランプ型フロントサイト、フラットトップのフレーム、そしてへヴィーウエイトのリブ無しバレルを備え、口径は.22LR、及び.38spl,バレル長は4インチのみの仕様であった。スリムハンマーとサーヴィスタイプのグリップを標準装備としたが、客の好みでワイドハンマー&ターゲットグリップ付きのモデルも選べた。
一方のCOLT 357モデルは、53年に登場。ベースは旧トルーパーと全く同じ仕様(バレル長も4インチのみ)で、ただ口径のみが.357マグナムという、いわば旧トルーパーのアップグレードモデルの位置付けだった。.357マグナムのパワフルなイメージを前面に押し出すことでセールスアップを図った模様だ。この点、S&Wの.357 MAGNUMモデル(後のモデル27)に通じる手法を感じる。ただしS&Wの場合は、.357 MAGNUM 実包を開発した張本人(1934年)という特別な背景があるが。


そのCOLT 357モデルだが、61年までの9年間に約15,000挺が生産されただけで、あえなくカタログ落ちとなってしまった。理由は、55年にCOLT最高級ターゲットリボルバーであるパイソン357が登場したことで高級ターゲットモデルとしての存在価値が薄れたのと、同仕様の旧トルーパーに組み入れることでモデル展開の統一を図る意味合い(口径が違うだけで別モデルとするのは刻印を違える手間もあるし)があったものと思われる。以上の経緯を経て、ココに晴れてトルーパー357が誕生したのだ。
自分はずっと以前に、.38spl口径の旧トルーパーに出会ったことがある。箱入りのほぼデッド品で、スリムハンマーとサービスタイプのグリップが付いていた。州外のガンショーだったため購入は見送ったが、「トルーパーに.38口径オンリーなんてあったんだー」と、当時は珍しげに眺めたものだ。しかしアレこそが、トルーパーの本来の仕様だったのである。

要するにだ。今でこそ、“トルーパー=.357マグナム”のイメージが強いが、当初はトルーパーと言えば.22と.38口径のみであり、.357マグナムのトルーパーはCOLT 357モデルを経て後から引っ付いたものだったのだ。
「COLT 357モデルは、トルーパー357のルーツ」という一般の認識は正しかった。
しかし、気をつけなければならないのは、「トルーパーは、元々は.357ではなかった」という事実である。

