2025/01/25
Colt Combat Government Model Series80 コルト純正IPSC対応ガバメント
Colt Combat Government Model Series80
コルト純正IPSC対応ガバメント
Text & Photo:E Morohoshi
Gun Professionals Vol.3 (2012年6月号)に掲載
はじめに
戦争やスパイ・アクションを題材にした映画、TVドラマ、マンガなどの強い影響を受け、筆者が銃器に興味を持つようになったのは小学生の頃だった。
当時の拳銃の好みといえば、「ワルサ―P38 」、「ワルサ―PPK」、「ルガーP08」、「モーゼル軍用」といった具合に圧倒的なドイツ贔屓で、ドイツ製拳銃が持つ機能美的な格好良さの虜になっていた。

その他の軍用拳銃では、「ブローニング・ハイパワー」の13連発の威力は凄いなと感じていたし、「南部十四年式」(注)は、スラリとした細身に安全装置の“火”と“安”という野暮な感じのする刻印が如何にも日本軍らしくて好きだったが、どことなく全体のシルエットがルガーP08に被っているような気がしていた。
イギリス軍の「エンフィールド」は、今現在なら是非コレクションに加えたいモデルだが、当時はリボリバーというだけでダメだった。装弾数に限りのあるリボルバーは何となく軍用銃としては不向きだと勝手に思い込んでいたのである。何もリボルバーに偏見があった訳ではなく、その証拠に、「チーフ・スペシャル」のモデルガンはちゃんと持っていた。
友人が持っていた「ガバメント」のモデルガンを初めて手にした時、やけにデカくて重い拳銃だなという印象を受けた。サイズが大きいだけでなく、直線を多用した無骨な輪郭がひどく大味に思え、どこか戦記マンガによく出てくる日本軍の宿敵、「グラマンF6F戦闘機」を連想させるものがあった。両者ともに、数にモノを言わせる物量作戦の申し子のようなイメージが強く、何となく嫌悪感を抱いていた。
そのような訳で当初は嫌いな「ガバメント・モデル」であったが、人間の好き嫌いは分からないもので、筆者自身の成長とともに何時の間にか「嫌い」から「好き」に嗜好が変化し、今では数あるハンドガンの中で最も好きなモデルになっている。今から思うと、その変化には三つの大きな転機があったようである……。
注)制式名称は「十四年式拳銃」だが、当時は「南部十四年式」と呼ばれていた。
MGC製ガバメント・ブローバック・モデル

第一の転機は、1970年頃、リリースされたばかりの「MGC製ガバメント・ブローバック・モデル」を購入したことであった。確か当時の金額で4千円前後だった一般的なマニュアル操作(非ブローバック)の自動拳銃モデルガンの価格に対し、「ブローバック・ガバメント」は倍以上の1万円もしたことを覚えている。既述のとおり、「ガバメント・モデル」自体に大して興味は無かったが、実銃のように火薬の力でブローバック駆動する自動拳銃を試してみたかった。

デトネーター方式による作動は完璧で、46年規制以前の黒々としたブルーフィニッシュにこげ茶のグリップの色調が「ガバメント・モデル」に良くマッチしていた。「ガバメント」を手にして見慣れてくると、次第に力強い外見が格好良く思えるようになり、反対に曲線の多い拳銃は弱々しく感じられるようになってしまった。
難点は、紙火薬のガス圧力に合わせたテンションの弱いリコイル・スプリングでは、実銃のように目にも留まらぬ素早いスライドの動きを再現することが出来ず、スライドの復座に掛かる時間が長いことであった。それでもスライドの往復運動からくる自動拳銃特有のスパンのある反動を堪能することが出来た。

調子に乗ってバンバン撃ち過ぎたせいか、何と亜鉛ダイキャスト製のバレルが途中からポッキリと折れてしまった。微量な紙火薬によるブローバックでさえ、バレルが折れる程の凄まじい応力を発生することに驚かされるとともに、折れたバレルの中から、当時上野にあった“第一ホール”というパチンコ店の名が刻まれたパチンコ玉が出てきたのには更に驚かされた……。

編集部追記
1971(昭和46)年規制により、金属製ハンドガンタイプのモデルガンは銃腔を閉塞し、表面を金色にしなければ、所持も販売もできなくなりましたが、この法律が施行される10月20日以前に製造され、売れ残っていた製品は、メーカーが加工を加えて販売されました。MGCガバメントのバレルの内径はちょうどパチンコ玉がぴったりだった為、MGCは廃棄処分となったパチンコ玉を購入、バレルに詰めて銃腔を閉塞し、販売をおこなったのです。これは一時的な処置でその後、金型を修正、正式に銃腔閉塞型のバレルが製造されました。当時、警察もこの手法で閉塞することを暫定処置として認めています。MGCは、それとは別に、早い段階から改造防止処置として超硬材のインサートを自主的にバレルに埋め込んでおり、銃腔完全閉塞は無意味な規制であったことは言うまでもありません。